「五大栄養素とは何か」働きと、含まれる食品。生命を維持する要素

果物

栄養とはそもそも何か

 『栄養(Nutrition)』というのは、ある生命体が、「生きている」 という状態を保ち続ける、あるいは『成長(growth)』というものを行うために、必要な要素の事であり、通常は、体外から取り入れた、そういう成分の事である。
 体外から取り入れる栄養成分のことは、『栄養素(Nutrient)』とも言い、体外から栄養素を体内に取り込む行為自体も栄養と言う。

 体内に取り入れられた栄養素は、そのまま血や骨になるのでなく、消化器官によって、『ブドウ糖(Glucose)』や『アミノ酸(amino acid)』などに分解されてから、吸収され、利用される。

栄養素の役割、働き

 まず、栄養素は、細胞の素材となる。
人の体内では、細胞が作られ、成長し、死滅する、というサイクルが繰り返されているが、そのサイクルの始まりである、細胞が作られる際に、素材として栄養素が使われている。

 また、動いたり、何かを見たり、呼吸をしたりといった、様々な活動のためのエネルギーも、栄養から生まれる。
さらに、細胞のサイクルや、エネルギー利用の微調整は、各内臓器官が行なっているが、栄養はそれらのコントロールの役割も持っている。

五大栄養素

 体の構成要素の他、脳や神経系のエネルギー源となる、『糖質(carbohydrate。炭水化物)』。
細胞膜や血液、特定の生理現象などを活性化させる『ホルモン』の材料となり、体を動かすためのエネルギー源にもなる『脂質(Lipid)』。
それに 、血液や筋肉、臓器や皮膚や毛の主要成分である『タンパク質(protein)』を、まとめて『三大栄養素』という。
卵かけご飯「タンパク質」アミノ酸との関係、配列との違い。なぜ加熱はよいか  さらに、三大栄養素に、 『酵素(enzyme)』や、他の栄養素の働きをスムーズにする『ビタミン』。
骨を作り、また、体液の浸透圧しんとうあつや体温の調整に、神経や筋肉の機能維持など、代謝たいしゃ(metabolism)をサポートする『ミネラル』を加え、『五大栄養素』という。

 酵素は触媒しょくばい(catalyst)として作用するタンパク質性の物質。
触媒は、他の物質の化学反応などを促したりする物質。
 代謝は、栄養素などを、エネルギーに変える過程のこと。

 五大栄養素は、生命活動の基本とされている。

食物繊維。老廃物

 五大栄養素に、さらに『食物繊維(dietary fiber)』を加えて、六大栄養素とする場合もある。
食物繊維とは、食べ物の中に含まれる成分の内、人が消化出来ないもの。
消化できないから、当然、栄養素として利用することはできないのだが、食物繊維は、『老廃物(waste products)』を体外へ排出するのに、役立ったりしているからである。

 老廃物は、体内に必要のなくなったものの事である。

6つの基礎食品群

 基本的な食生活に関して、栄養バランスを考える際に、基準に出来る、『6つの基礎食品群』というのがある。

 第1群が、肉、魚、卵、豆。
タンパク質が豊富で。筋肉や血液を作る。

 第2群が、乳製品、小魚。
カルシウムが多めで骨を作る。

 第3群が、緑黄色野菜(トマト、ほうれん草、ニンジン、カボチャなど)。
体内でビタミンAに変化する、カロテン(黄赤の色素)が豊富。

 第4群が、淡色野菜、果物(ダイコン、キャベツ、リンゴ、バナナ、ミカンなど)。
ビタミンCや、食物繊維が豊富。

 第5群が、米、パン、麺。
糖質が多く、エネルギーに変わる

 第6群が、バター、油。
脂質が多く、エネルギーとなる。

というような感じ。

カロリーとは何か

 カロリーとは熱量の単位である。(栄養学以外の分野においては、普通、ジュールという単位が使われる)
栄養学における熱量とは、運動や代謝に使われるエネルギー(に変わる脂質や糖質)の事であり、単にカロリーという場合は、厳密にはkcal(キロカロリー)の事となる。

 カロリーが不足すると、体力低下や生理機能への悪影響が出てきたりするが、過剰すぎても、使われないエネルギーが『脂肪(fat)』になるため、肥満の原因になったりする。

 体温維持や、呼吸など、生きていくために最低限必要な代謝に使われるエネルギー量を『基礎代謝量(Basal metabolic rate)』と言う。
基礎代謝量は、成長期の子供において非常に高く、年を重ねると下降していく傾向にある。
これは、歳をとってから太りだす人が多い原因とされる。
消費カロリーが下がっているのに、摂取カロリーを変えないからである。

 運動は、意図的にかなりカロリーを消費できる、とされているから 、肥満対策にはかなりよい。

ビタミンとミネラル

 五大栄養素のうち、糖質、脂質、タンパク質は、ある程度の量を必要とするが、それらに比べると、ビタミンとミネラルは微量でよいとされる。

 5大栄養素の役割としては、体を作り、エネルギーの源となるのが、糖質、脂質、タンパク質。
そしてそれらをサポートして、体の調子を整えるのが、ビタミンとミネラルという事になる。

ビタミンとミネラルの違い

 ビタミンが有機化合物(炭素含む化合物)なのに対し、ミネラルは、カルシウム,鉄,リン,カリウム,ナトリウム,マグネシウム,塩素,ヨウ素などの、無機質(無機物の素材)とされる。
化学反応「化学反応の基礎」原子とは何か、分子量は何の量か  糖質、脂質、タンパク質も、有機物である。
ビタミンとは、ようするに、糖質、脂質、タンパク質以外の有機物の栄養素の総称。

ビタミンB群。水溶性ビタミン。脂溶性ビタミン

 人が生きるのに、摂取する必要のあるビタミンは、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、ナイアシン、パントテン酸、葉酸(folate)、ビチオンの、13種類。
これらのいずれも、必要な量はある程度決まっていて、不足しても、過剰すぎても問題となる。

 また、人が体内で、自力で合成可能なビタミンは『ビタミン様物質』と呼ばれる。
ビタミン様物質が問題になる事は、普通はない。

 ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸(folate)、ビチオンは、『ビタミンB群』というグループ。
そして、ビタミンB群と、ビタミンCは、合わせて『水溶性ビタミン』とされる。
 水溶性ビタミンは水に溶けやすく、使われなかった分は、基本的に排泄される。
体にためておく事ができないから、毎日、必要量とるのが推奨される。

 ビタミンA、D、E、Kは、『脂溶性ビタミン』と呼ばれる。
 脂溶性ビタミンは、油やアルコールに溶けやすく、使われなかった分は体に蓄積されていくから、過剰摂取は危険な場合がある。

各ビタミンの主な効能

 ビタミンA
目の健康を維持し、皮膚や爪を丈夫にする。
また、免疫力を高め、動脈硬化や癌を予防する。

 ビタミンD
骨を丈夫にし、また、筋力を維持する。

 ビタミンE
冷え症改善、美肌効果、更年期障害の軽減。

 ビタミンK
血液凝固作用があり、出血を止める。

 ビタミンB1
疲労回復、精神安定。

 ビタミンB2
成長を促す。
爪や皮膚を健康に保つ。

 ビタミンB6
発育を促す。
皮膚や髪を丈夫にする。

 ビタミンB12
造血作用。

 ビタミンC
疲労回復、病気予防。
 
 ナイアシン
血行をよくし、頭痛など改善。

 パントテン酸
免疫力の強化。

 葉酸
造血作用や、成長の促し。

 ビチオン
髪や皮膚を健康に保つ。

各ミネラルの主な効能

 カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素、硫黄、フッ素を『主要ミネラル』。
鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、マンガン、セレン、クロム、モリブデンを『微量ミネラル』と言う。
そしてそれら16の元素が、必須のミネラルとなる。

 カルシウム
ほぼ骨に使われているので、当然ながら骨を丈夫にする。
精神安定にも役立っている。

 リン
骨の強化。

 カリウム
筋肉の正常を保つ。

 ナトリウム
排泄の促し。

 マグネシウム
血圧の維持。

 塩素
消化の促し。

 硫黄
有害ミネラルの蓄積を防ぐ。

 フッ素
細菌の抑制。

 鉄
造血作用。

 ヨウ素
成長の促し。

 亜鉛
脱毛予防。

 銅
造血作用。

 マンガン
骨を丈夫にする。

 セレン
抗癌作用

 クロム
糖尿病予防。

 モリブデン
代謝を促す。