熱中症。過呼吸。片頭痛「神経、精神の軽度救急疾患。対処法」

頭痛の原因

熱中症。熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病

 体が高温にさらされ、体温調節機構が上手く働かなることで生じる症候群。
たいていは軽症だが、重度の場合、命を失うケースもある。

 比較的軽度とされる熱中症(hyperthermia)として、 熱失神と熱痙攣がある。
熱い環境に、長時間、身を晒していた場合によく起こる。
熱失神は、めまいなどの症状、ひどい場合は意識を失う。
熱痙攣は、 特に激しい運動の後などに生じる、たいてい痛みを伴う痙攣。

 失神や痙攣よりも、やや重度な熱中症として、熱疲労がある。
痙攣に加え、頭痛や、めまい、嘔吐、大量の汗を伴ったりもする。
いわば失神と痙攣が組み合わさったような症状。
特に 高温環境に置かれながら水分補給を怠ってしまった場合に起こりうる。

 さらに重度な熱中症は、熱射病である。
これは、精神異常を伴うような熱疲労である。

 神経遮断薬悪性症候群や、 セロトニン症候群は、高熱に精神異常と、症状が近いため、熱射病と紛らわしい。
それらの原因となる神経遮断薬や、セロトニン作動薬を服用してないかには注意する。

とにかく体を冷やす。ただし急激なのは逆に危険。対策の注意点

 熱中症患者は軽症の場合であっても、熱射病に進行しそうにあるかどうかは注意する。
とりあえず涼しくするのが肝心。
熱から遠ざけ、なるべく薄着になる方がいい。

 体を冷やすのには、どちらかというと風を使う。
冷水を使うと手っ取り早いようだが、体に負担がかかる。
特に高齢患者は、それで命が危険。
また、体温が38.5度以下だと、冷却治療は、低体温症を引き起こす危険性がある。

 熱中症から回復したようでも、二日ほどは水分補給をまめに行うほうがいい。

 過剰すぎる対策にも気をつける。
熱中症防止のために水分を取りすぎてしまって、過剰水分摂取が原因の、低ナトリウム血症が発生する場合もある。

ジストニア。続発性ジストニア

 ジストニアは、 中枢神経系に何らかの異常があり、通常の運動が困難となる症状。
姿勢の異常や、痙攣、体の歪み。
とにかく、筋肉を使う様々な動きの異常。
それによって発話が困難になる場合もあるが、普通、痛みはあまりない。

 特定の薬がジストニアを引き起こす場合もある。
続発性ジストニア、あるいは薬物誘発性ジストニア(Dystonic Drug Reaction )である。
薬の過剰摂取が原因なのではなく、特異体質的なものとされる。

 プロクロルペラジン(ノバミン。総合失調症の薬)。
ハロペリドール(総合失調症の薬)。
クロルプロマジン(コントミン。ウインタミン。精神病の薬)。
プロメタジン(ピレチア。ヒベルナ。アレルギーや酔い止めなどにも使われる抗ヒスタミン薬)。
メトクロプラミド(プリンペラン。消化器機能異常などに効くドーパミン受容体拮抗薬)
などの神経系に作用する薬物は、ジストニアを誘発しやすいとされ、 それらの薬物の使い始めか、増量した時に、発病するパターンが多い。
花粉症マスク「アレルギー発症のメカニズム」なぜ起きるのか?なぜ増えたのか?  薬物が原因のジストニアでは、視点が混乱し定まらない。
首が妙にひねってしまう。
舌が 引っ張られてるような感覚。
腹部の硬直。
痙攣などの、症状のいずれかがたいてい見られる。

ベンズトロピン、ジフェンヒドラミン投与で15分以内

 続発性ジストニアは普通、原因の薬物の投与から、数分から数時間程度で発病するが、1日ほど経過してから生じる場合もある。
症状的に、てんかんや、脳卒中、諸々の精神病と間違えやすい。

 たいてい続発性ジストニアなら、ベンズトロピン1〜2mgや、ジフェンヒドラミン25〜50mgを投与する事で、15分以内に、症状は改善されるという。
また、小児でも、三歳以上なら、ベンズトロピン0.01〜0.02mgくらいなら投与してよいという。
それで改善されないなら、てんかんや破傷風、低マグネシウム血症、低カルシウム血症などの、他の原因の可能性が高い。

過換気症候群。過呼吸

 過換気症候群(Hyperventilation syndrome。HVS)は、呼吸困難な感じだが、それにより、逆に呼吸の量を過剰にしてしまう。
いわゆる過呼吸を引き起こす。
体内の二酸化炭素濃度のバランスを調整するため、過呼吸は、無呼吸を引き起こし、それがまた過呼吸を引き起こすという悪循環に陥るケースがある。
 動悸、めまい、頭痛、腹痛、口や指などに痺れや痛み、痙攣を伴う事もある。
不安や恐怖を激しく感じる場合も、そのような心理的な要素、ストレスがそもそもの原因にもなる。
ストレス「ストレスとは何か」緊張状態。頭痛。吐き気。あらゆる病気に繋がる難敵

心理的な原因。悪循環。過呼吸になりやすい人の特徴

 とにかく落ち着くことが肝心。
より過呼吸をひどくするという悪循環に陥らないよう、普通のリズムの呼吸を心がける。 
自力で呼吸を調整できない場合は、チューブを通して呼吸すれば、ある程度、呼吸する空気内で、二酸化炭素濃度は調整される。
 かつては、紙袋を当てて、 呼吸するという対処法があったが、現在は適切な治療法とみなされてない。

 心理的に脆いというか、過呼吸は、ネガティブ思考の人がなりやすいようである。
心理的な原因の場合なら、カウンセリングはよいかも。
悩む人「臨床心理学」カウンセリングのテクニックの裏側

片頭痛。緊張型頭痛

 女性に多い片頭痛は、基本的には唐突に起こるが、手足の痺れや、視覚の異常など、神経症状の前兆を伴う場合もある。
頭部の片側に激しい痛みが起こり、吐き気などを伴う事が多い。
頭部全体が痛い事はまれとされる。
 頭痛は4時間から72時間ぐらい持続するとされ、痛みは動くことによって悪化する。
 前兆は、 頭痛が発生すると、たいてい軽くなる。

 原因は様々考えられるが、緊張型頭痛などの一時性頭痛は、たいてい良性だが、よく再発する。
十代から二十代くらいの頃によく起こる。
 副鼻腔炎や、クモ膜下出血などの二次性頭痛は、 基本的には器質性疾患が原因で起こる。

 緊張型頭痛と偏頭痛は明確に区別するべきという意見も多い。

一次性と二次性の頭痛の見極め

 一次性頭痛と、それに伴う症状は、プロクラルペラジン10mg(小児には0.15mgくらいから)や、メトクロプラミド10mgを静脈に投与するのが有効とされる。
 血管拡張や、起立性の症状を抑えるには、生理食塩水も投与する。
精神や運動の不穏状態解消には、ジフェンヒドラミン12〜25gもよい。

 二次性の頭痛は急速に悪化する可能性がある。
 ニ次性頭痛を疑う指標として、それまでの経験上、ずっと激しいという頭痛。
体をかがめた時、咳した時、妊娠中、 中年期以降に発生したりする頭痛。
免疫不全や感染症を伴ってる場合は注意する。

てんかん。偽てんかん。ひきつけ

 てんかん発作は、脳の神経細胞が過剰に働くことで一時的に生じる痙攣や硬直。
痙攣により、舌を噛み、傷つけてしまう場合もある。
 基本的に、発作は予測不可能とされるが、患者は前兆を訴える場合もある。
 発作自体は、普通は5分未満しか続かないが、 時には長く続き、その場合は徐々に回復する。

 ヒステリーなどが原因の偽てんかん発作もある。
てんかんでなく、心理的な症状だが、てんかんと似ていて紛らわしい。
 偽てんかん発作は、患者を刺激すると長引き、あえて無視したら収まる場合も多いという。

 また、ひきつけと呼ばれるのは病名でなく、症状。

痙攣、硬直の恐怖。30分ぐらいで回復

 子供が全身発作を起こした場合、その急な痙攣や、一時的に死んだみたいに硬直するので、普通、親は慌てる。
意識は失われる事が多いが、30分ぐらいで徐々に回復することが多い。
 とにかく親に限らず、それを目撃した人は、どのような状況で、どのような発作だったかを、なるべく医師に説明するのが肝心。

 一応、生後6ヶ月以上の小児の場合は、疾病、嘔吐、下痢などがなく、毒物や薬物摂取の疑いもなければ、複数回の診察は不要とされる。

特発性顔面神経麻痺。ベル麻痺

 ウイルス性の疾病、ストレス、発熱、抜歯などの後、特発性顔面神経麻痺に見舞われる場合がある。
顔が腫れたり、歪んだり、麻痺したりする。
あるいは、 顔面の片側に起こる、感覚の変化。

視覚、聴覚、味覚

 視覚、聴覚、味覚、とにかくどの感覚が異常なのか、しっかり見極めるのは重要。
普通、数週間以内には回復するが、後遺症が残るケースもある。
比較的よくある疾病で、再発もよくある。