インファント島の永遠の命。モスラ(1961)
無人島と思われていたインファント島という島で、水爆実験がされたという 設定はあるが別にそれと直接的にモスラという怪獣が関係しているわけではない。
モスラは元々インファント島に伝わる伝説の原始怪獣で、(描写から考えると)普段は眠っている。しかし、インファント島探索に訪れたメンバの1人ネルソンが、欲に目が眩んで、島にいた2人の小人、小美人をさらってしまう。 そして彼女らを助けるために、モスラはよみがえり、日本へとやって来るという話。
ゴジラに比べると、SFというよりもファンタジーという雰囲気が強い。
また、子供の描写など、ガメラに影響受けてるような感じのシーンもある。
そして、もちろんこの映画は、モスラという怪獣が初めてスクリーンに登場した作品であるが、この怪獣に関していくつか興味深い情報がある。
「永遠の生命モスラよ。悲しきしもべの祈りに応えて、今こそよみがえれ」という、インファント島にて、モスラ復活の儀式(?)の際に響いた謎の声。
「モスラには善悪がありません。あるのはただ、わたしたちを助けようという本能だけなのです」という小美人の説明。
「全長100メートルくらいの怪獣」という、ヘリの操縦士の無線連絡。
正義の怪獣としての側面が強調されたシリーズ一作目。モスラ(1996)
ファンタジー的なオリジナル設定がいい感じな平成モスラシリーズ
人間側のドラマとして子供たちの冒険のようなものが描かれていて 昔のモスラというよりも昔のガメラに近い感じの印象
メインキャラのエリアス族三姉妹(小人の三姉妹)のキャラ付けがいい感じで、 彼女らの戦闘シーンも演出的に面白いと思う
たった1体だけ残り、命も尽きかけているのに、それでも戦うという展開は、モスラという怪獣のストーリーの、王道と言えるだろう。他の作品もまたそんな感じで、この正義の怪獣の優しさは、見る者の胸を打つ。
幼虫モスラの擬態など、 これまでのシリーズであまり描かれなかった能力なども描かれる。
成虫モスラが幼虫モスラを抱えて飛ぶシーン。その後の海でのやりとりのシーンなど、怪獣映画史にも残る名シーンと思う。モスラはその最期の時まで、気高く美しい。
これは、昔のガメラ映画で描かれたような子供たちの冒険。そして、昭和ゴジラの後期作品でよくあったような、子供たちの信頼に応えるように助けてくれる怪獣。どちらの要素も含んで、かつモスラの映画をしていて、素晴らしき傑作と思う。
全てを滅ぼすとしているかのようなデスギドラが暴れる中、モスラが再び現れた時は熱い。
「日本ではヘビに噛まれて死ぬ人よりも、ハチに刺されて死ぬ人の方が多いんだ。昆虫を甘く見たらダメだよ」
子供たちの冒険が背景。モスラ2海底の大決戦
相変わらず三姉妹のキャラが魅力的と思う。
子供たちもまた前作と違っている。 最初は意地悪い感じだった子供たちが、共通の敵を見いだした途端に、仲直りイベントもなく仲直りするのが、平和的でいい。
メインの子供たちの両親の出番が少ないことから、少年少女の冒険感は、前作よりもさらに強まっていると思う、なおさらに昭和ガメラっぽい。
沖縄が舞台。そして伝説の国ニライカナイと、 そこの秘宝を守っているという伝説の生物午後が重要なガジェットとなる。
モスラと敵と戦うことになる怪獣も、ニライカナイ文明が、もともとは海を汚染する物質を食べさせるために造ったダガーラという怪獣。それは古代海洋生物のDNAに、毒を食べるバクテリアの細胞を合成させることで誕生したと説明される。しかしダガーラは、食べた汚染物質を、ベーレムという毒の結晶体に変えて排出する性質を有していた。
エリアス、ギドラ族、恐竜の時代。モスラ3キングギドラ来襲
エリアス三姉妹の設定にスポットがあたり、スケールも空間だけじゃなく時間軸の方にも引き伸ばしが見えて、より壮大な感じ。それにキングギドラの最強の敵感、鎧モスラの最強の変身形態感が、シリーズ完結作という雰囲気を強めている。
メインの子供たちが兄妹になっていて、両親のキャラも前作ほどには影が薄くないことから、1作目に近いとも言えるだろうが、しかし主人公的な立ち位置の子が登校拒否中だったりと、キャラ立てが少し尖った感じになっているか。
ギドラ族に関する言及がある。宇宙ではいくつも大量絶滅が起こってきたが、その半分くらいはギドラ族による虐殺と。
過去のシーンは必見かもしれない。(そもそも時代的におかしいが)ティラノサウルスやトリケラトプスよりも、ギドラやモスラがかなりでかいということが、直接的にはっきりわかる。