THE EYE OF JUDGMENT 神託のウィザード「ゲーム世界観1」

ARを取り入れたTCG

 元々は、実際のカードの情報をスキャンして、テレビ画面にモンスターの演出とかを表示させるというような、いわば『AR(拡張現実。Augmented Reality。オーグメンテッド・リアリティ)』を取り入れたトレーディングカードゲーム。

 2010年3月に、全種のカードをゲーム内情報として収録した、 PSP用の「THE EYE OF JUDGMENT 神託のウィザード」が販売された。

 カードゲームを、普通にカードゲームとしてプレイする者たちの世界観が設定されているわけではないが、カードゲームそのものの世界観は、それなりにしっかり作りこまれている。
それは、『テラ・サウラム』や『テラ・ノルム』といった大陸世界を舞台としたファンタジー世界観となっている。
世界全体は『テラ・フォーマ』と呼ばれもするが、しかしそのさらに外の領域も、普通に存在しているようである。

テラ・フォーマの歴史に関して

 『DE(黎明れいめい)』と、『HC(聖暦)』の境目は、「ジュノーの化身」、「異なる世界から訪れた者」、「遠き未来より来たりし者」などと呼ばれる謎の存在、四聖人の出現時期とされる。

神と、神に逆らおうとした者たち

 DE50000
神が世界を創造したとされる時代。

 DE48000
神の子とされるジュノーの塔、その足元の神殿の巫女、『ジュノーの娘』の座が空位となった。それがきっかけとなって世界の均衡は崩れ、破滅へ歩み始める人々に、4人の『ジュノーの使徒』が遣わされた。
使徒たちは、ジュノーと共に、神に逆らう者たちを滅ぼし、どこかへと消え去った。

 DE47000
神への敬意と畏怖を規範(規則)とする文明社会が発展し、魔女が政治の中心にいる国家が多くあった。

 DE45000
発展した科学技術を基盤とする文明社会も多く登場。

 DE42000
科学文明社会は信仰心をほとんど失っていったが、その時代の流れに警鐘を鳴らすかのにように、『ヨルガ正導会』が登場。

 DE41000
ヨルガ正導会において、世界を救う神の子とまで言われたシオンが、神の啓示を受けて、自らの息子を神への供物として捧げた。
しかし彼は祭礼の日に失踪し、神もそれを悲しんだと伝えられる。

 DE40100
『機巧』の力を使い、死んだ息子の魂を核として、シオンはティノという子のコピーを作った。

 DE40000
魔導と科学の融合により、人間文明はさらに発展。『召喚カード』が発明されて、それは基本的には兵器として使われた。
偉大なる科学者と呼ばれていたシオンは、思考能力を持った機械(機巧)まで発明。
シオンは思い上がり、自ら機巧軍を率いて神に反逆した。
しかし機巧軍団は、ジュノーが発した一つの言葉だけで動きを封じられてしまう。
機巧のすべては壊されることなく、人間の思い上がりに対する警告として、そのまま世界中に放置された。
シオン自身は自ら命を絶ったとされている。

四聖人と、四つの国の始まり

 DE5500
農地に外部から人工的に水を供給する技術、いわゆる灌漑かんがい(irrigation)を利用した農耕を基盤とした集落が、後に『黄金都市ヴィスヴァーヴァス』と呼ばれるようになる地域に現れる。
(土の国『ヴァル・ナ・ヴァス』の興り)

 DE3200
『オクナダ川』の流域に、壁に囲まれた集落ができる。
(水の国『トリトナ』の興り)

 DE1200
相互的な通商が盛んであった、『ジュノーの森』にも多くの集落が出現。そして、富の蓄積と社会階級の階層が目立つようになっていく。
(木の国『ティル・ボルグ』の興り)

 DE326
『テラ・ノルム』という大陸にも、はじめて集落ができる。
しかし大陸と大陸の間は荒れた海で隔てられていたので、北と南の行き来はほぼなかった。
(火の国ディースの興り)

 HC1
ジュノーの塔の門が開いて、そこから『四聖人』が現れる。
四聖人は、北と南の大陸で繁栄する、四つの国それぞれの指導者となった。

 HC3~6
聖ティル・ボルグ、聖ヴァル・ナ・ヴァス、聖ディースが、それぞれジュノーの森、ヴィスヴァーヴァス、テラ・ノルムの『フリードニア平原』をそれぞれ支配し、そこの民族を統一。
聖トリトナは、水の都を建国。
ヴィスヴァーヴァスでは、政治は神の領域とされ、水の都では、統治者として女性だけが君臨することを許された。

 HC10
聖トリトナが、南北の大陸を結ぶ、『グランブル橋』の建設を命じる。
1000万をこえる人が関わったとされるこの大プロジェクトは、実に54年後(HC64)の完成まで継続する。

 HC25
それぞれの国の指導者としての使命を終えた四聖人は、ジュノーの塔へと戻り、それから姿を見せることは二度となかったともされる。
去り行く四聖人を見届けた僧侶は、オクナダ川流域を拠点とする僧院を開院。

国家、アカデミー、宗教

 HC70
『ヴィランディ山脈』にドワーフの集落が発生。職人たちの工業を中心に栄えて、様々な国に武器を輸出することになる。

 HC326
サヴィ王が、ヴィスヴァーヴァスにヴァル・ナ・ヴァス王朝を設立。
南北の大陸を最初に制圧したのは、このヴァル・ナ・ヴァスであった。

 HC355
女王メアリー・ティノアが、水の都にトリトナ女王国を建国。
ヴァル・ナ・ヴァスとは敵対した。

 HC411
天才メスマーも参加していた魔導師の一団が、カードの召喚技術を復活させて、それのための召喚カードの生産を開始。
『聖闇アカデミー』も設立した。

 HC466
召喚士メスマーが、実験を失敗し、天罰神を召喚してしまう。天罰神は魔導士たちにより滅ぼされたが、結果的に、街が1つ消えることになってしまった。

 HC562
ブロンコ・ディースが率いる、北の大陸の火の民が、グランブル橋を渡った大規模事業を開始した。
南下しながら『ダゴランド平原』を荒らした彼らは、『アルージアの丘陵きゅうりょう』にて、2つのグループに分かれる。
グループの一方は東の『ベノア帯』へ。もう一方はさらに南下して、ジュノーの森の手前まで来た。
火の民の間では内紛が絶えず、その後の5年ほどで、徐々に結束は失われていった。

 HC568~571
「火の民は国土から排除すべき」というトリトナ女王の声明を受けた水の民は、大規模な追討作戦を展開。多くのディース人(火の民)が、テラ・ノルムに逃れたが、フリードニア平原にて虐殺された者も多かった。
生き延びたディース人の僧侶集団は、『シオンダル火山系』に『嘆きの僧院』を設立。それは『焔』と呼ばれる修験を規範とする、戦闘的な宗教団体であった。そして彼らは、戦場や埋葬地からマナを捕らえる方法を、秘伝として少数の僧侶に受け継がせた。

 HC600
嘆きの僧院から破門されたパルマスが、新たに自分の宗教(『パルマス教』)を興す。
パルマスの教えは一神教であり、これの信者たちは他のすべての宗教を非難した。また有力な信奉者たちは、祈祷により魔導の力を発揮。その奇跡により、信者の数も急速に増えていった。

欲深きノヴォガス王の支配

 HC650
ノヴォガス王がヴィスヴァーヴァスの王座についた。欲深きこの王は、国の富を贅沢に使って強大な国王軍を整備。
召喚技術を持った魔導師が軍隊に導入されるのは、この時が最初とされる。
王は自分の支配に反対する国内勢力を、その軍を使って次々と潰し、そのまま領土拡張を図る。

 HC700
テラ・フォーマ外からジュノーの森に流れ着いたという『柳楽衆なぎらしゅう』が、 森の貴族の集落に身を寄せた。

 HC775
ドワーフ族から追放された悪童ヴリトラが、盗賊集団『黒巾旅団』を結成。砂漠を旅するキャラバンを襲ったりして、ノヴォガス朝の流通経済に大きな打撃を与えた。

 HC787~798
ノヴォガス王軍が、いよいよトリトナまで侵攻してくる。
オクナダ川全域が両国軍の戦場の舞台となり、戦いは実に10年ほど続く。
戦いが続く中、HC789に、黒巾旅団のヴリトラが、ノヴォガスに捕らえられて処刑される。
また、HC792には、ノヴォガスに対抗するために、トリトナとディースが秘密裏に同盟を締結。それは、両国の民が平和に暮らしていた『カイ・シエイ島』にちなみ、『カイ・シエイ同盟』と呼ばれた。
さらにHC793に、ノヴォガス王軍は、ジュノーの森にも侵攻。首都『トリコア』を占拠し、エルフの各部族に過酷な課税を強制した。HC793には、若きエルフのエディンが神託を受けて、エルフたちの共闘を計画、彼は長年にわたって敵対してきた各集落を巡って、「今こそ、共通の脅威に立ち向かうために団結する時」だと説得した。
そしてHC797の、『ユガの日』として知られていた土の謝肉祭の時期に、カイ・シエイ同盟がノヴォガス朝に大規模攻撃を開始。
最終的にノヴォガス王は勇者ディー・ディーによって倒されて、その後に残された土の民は無条件降伏。
ディー・ディーは一躍英雄となったが、なぜか数日後に姿を消してしまった。
また、エディン率いる森の兵士たちが、赤岩山脈を越えて、ヴィスヴァーヴァスを包囲したが、すでに王を失っていた砂の都は機能しておらず、征服は容易かった。
HC798の『ベノア会議』においては、火、水、木の民の代表者たちが、土の国の今後について話し合ったが、最終的にヴィスヴァーヴァスは3つの行政地区に分けられて、戦勝国がそれぞれを統治することとなった。
そして、戦争中に、魔導攻撃によって国土が壊滅状態になったことを踏まえて、参加国は各国の魔道士の数を制限する『オクナダ協定』にも合意。新たな召喚カードを作ることも禁止された。
また、3国の話し合いの場にもなったベノアは、交易都市として各国から独立した経済機構を持つことを承認され、自由都市になった。

交差しあう思惑。いくつかの再生

 HC822~825
ジュノーの森において、『森の都ブリガンティア』の建設が始まって、何万人もの土の民が建設労働者として使われた。
翌年(HC823)には、エルフの長老にして教皇でもあったパラドアが、ティル・ボルグ君主国を樹立。パラドアは初代の法王(君主)となる。
しかしHC825には、君主国と手を組むことを拒否したエルフたちの部族が、反法王の連盟である『黒の森』を結成した。

 HC826
聖女エディンが、異端審問吏いたんしんもんりクグにより、異端者として処刑され、彼女が率いていた『北征軍』は解散した

 HC839
魔族の集落を平定し、強力な軍隊を作り上げたエイロンが、火の多民族を支配し、ディース皇王こうおう国を建国

 HC854~855
ディースの皇王エイロンが、トリトナに宣戦布告。カイ・シエイ同盟も破棄。また大軍によってグランブル橋を封鎖。
激しい戦闘が繰り広げられたが、傭兵ようへいラトゥが、水龍に乗って海を渡り、フリードニア平原にて、不意をつく側面攻撃を仕掛け、ディース軍を打ち破った。
一方、戦争のための武器商売で大きく儲けた、ベノアの商人たちが、秘密結社『コーザスファミリー』を結成する。
また、カイ・シエイ同盟が破棄されたことで、ヴィスヴァーヴァスにおいても、トリトナ派とディース派による内戦が勃発。その対立は、後300年以上も続く事になった。

 HC855~872
元奴隷のアルレイが、『槌の谷』でドワーフたちに保護される。
それから谷を後にしたアルレイは、護民ごまん剣奴けんどとして、蜂起した。
そしてHC872に、テラ・サウラムの東端の『戦ヶ原』が、アルレイによって初めて統一される。
アルレイは、他の3国の支配に対抗するため、亡命中の土の民たちを呼び寄せ、ノヴォガス朝没落後、分割統治されてきた戦ヶ原を領地として、独立宣言をする。
アルレイの統治はその後20年ほど続くことになる

 HC880
オーク、ゴブリン、亜人で構成された盗賊団が、ジュノーの森にて猛威を振るった。

 HC905
シオンが『機巧の神ファセウス』を完成させるが、ティノの暴走によって、それは破壊されてしまう。
一方、聖女エディンの末裔であるロミリが、ローマ法王の友であるホウ爺に見出される。エディンの血を引く者は審問会の手により抹殺されたはずだったのだが、森の番の一族の血を引く家族の手によって、密かに守られてきた訳であった。しかしロミリ自身は、自分の出自を知らされてはいなかった。
また、この年には、『トリコア』を震源地とする『トリコア大地震』がティル・ボルグを襲うことにもなったが、実はその地震は、覚醒したロミリによって引き起こされたものであった。 地震によって、ティル・ボルグの首都は壊滅状態になったため、ブリガンティアが新たな首都となった。

 HC905~908
『機巧死霊秤(ネクロミッター)』と接触したロミリは、機巧ウイルスに侵されて半機巧の体になってしまう。その際に彼女は、森に霧散むさんしていたティノの霊体を取り込んだ。そしてそれがきっかけで、ロミリはティノの肉体を取り戻すための旅に出る。
HC908には、ロミリはティノに導かれ、『機巧城』へ潜入。地下に幽閉されていたウォマックは、ロミリに心奪われ、彼女と一緒に城からの脱出を試みる。しかしカストゥールとポルクスとの交戦によって、ティノの霊体は再び行方知れずに。ウォマックはロミリを逃がすための囮となって死亡。ロミリ自身も消息不明となる。

 HC933
コーザスファミリーが『ベノア組合』を設立。この組合を実質支配することで、ファミリーは巨大な結社となった。

 HC1009
破壊活動の専門集団『夜狗叉やくしゃ』が発足。各国で要人の暗殺などを請け負うことで、その名はすぐに知れ渡ることにもなった。
彼らの出自は謎だが、柳楽衆から派生したとか、それを追って渡来したなどの噂があった。

 HC1024~1130
大陸中に散らばっていた土の民たちが、『聖ヴァル機構』という組織を通じて、秘密裏に連絡を取り合い、ヴィスヴァーヴァス奪還という悲願を本格的に目指すようになった。
そしてHC1130、幾度いくたびもの内戦によって疲弊していたヴィスヴァーヴァスを、聖ヴァル機構はついに統合。
トリトナとディースは、再びヴィスヴァーヴァスを自分たちのものとするために、また軍隊を送るが、敗退。ヴィスヴァーヴァスはノヴォガス滅亡から実に333年ぶりに、土の民の区域となった。
HC1132には、共和制ヴァル・ナ・ヴァスが樹立する。

終わらない戦いの連鎖。大陸全土に広がる危機

 HC1138~1255
国境線をめぐって対立したヴァル・ナ・ヴァスとトリトナとの間に、『アルージア紛争』が勃発。
この小競り合いは非常に長く続いたが、HC1255に、ジュノーの塔が提案した国境線に、テラ・サウラム3国(ヴァル・ナ・ヴァス、トリトナ、ティル・ボルグ)が合意したことで、紛争も終結。

 HC1310~1410
ディースの皇太子カルロが、交易都市『セラクレイブ』で行われた、聖ディースの誕生日を祝う式典の最中に暗殺されてしまう。
黒幕はトリトナという噂が流れ、架刑皇ダイオス四世はトリトナに 宣戦布告。
1世紀続くことになるこの戦いの中で、真相に近づいたラグ将軍は、実はシオンが背後にいるパルマス修道会の計略によって、精神を奪われ、半機巧化されてしまう。
そして100年続いたこの戦争は、最終的には、トリトナが優勢であった時に、ティル・ボルグの法王の仲介もあって、休戦協定が成立。講和条約によって、グランブル橋がトリトナに譲渡された。

 HC1411
トリトナにおいて、百年戦争の英雄であるクレア・ウィル将軍が、史上初めてとなる、平民出身の女王(55代目)となった。
そしてこれがきっかけとなり、それまでの血統主義に代わり、人気や実力が君主の条件と考えられるようになっていった。
しかし、その戴冠式からわずか1年後(HC1412)、女王クレアは失踪。さらに1年後(HC1413)、失踪は王位の破棄として処理され、新たな女王アンフィーサが即位した

 HC1447
シオンが復活。彼の機巧軍は、大陸のあちこちに進撃。
侵攻を受けたトリトナは没落。降伏したアンフィーサは、機巧の傀儡女王となり、統治を継続。グランブル橋は封鎖された。
激しい抵抗をしたディースの被害は壊滅的で、ダイオス四世も行方知れずに。
ティル・ボルグもまた、機巧による大量虐殺を受けながら、抵抗を続けた。
そしてヴァル・ナ・ヴァスも、復活したノヴォガスの死者たちの襲撃を受けた。

 HC1448~1449
無政府状態のディースにて、機巧と手を組んだ呪術師ゾルダが、皇王国軍の残党を迫害。
ヴァル・ナ・ヴァスの方では、ノヴォガス朝が主人たるシオンにも反旗を翻し、戦いは三つ巴状態となる。
ティル・ボルグでは、『緑の盗団』のゴブリンたちが、黒の森の奥深くの泉で、記憶を失って野生化しているロミリを発見。ロミリは機巧兵を一掃し、ゴブリンたちは彼女を森の女神として崇め、保護してくれるようになる。さらにロミリは、機巧軍を退けるために、ジュノーの森を巡る旅に出る。
トリトナにおいては、アンフィーサが、パルマス教を国教に制定。それ以外の宗教の信者たちは、異端者として厳しく弾圧された。

 HC1450
アルージア修道会が、オクナダの僧院の解体を宣言。それを実行。
800歳のファーザー・ヴロ率いる僧たちは、聖闇アカデミーの世話になる。

 HC14……以降。
各大陸の戦いと悲劇は、『神託のウィザード』によって、シオンがついに倒される時まで、続くこととなった。

召喚カード、ウィザード、他用語いくつか

『素元の力』
世界を構成している、火、水、土、木の、4つの自然の力。機巧は人工的に作り出された、自然に属さぬものだが、実質的に第五属性とされている。

『マナ』
素元の力により、世界中に存在する、全ての生命を誕生させ、また動かしているエネルギー。

『召喚カード』
古くは魔導学者シオンによってその原理が発明された魔導の祭器。 英雄とか、歴史上の出来事の記録などを魔導回路に収めて、その力を封じ込めることができるカードを使う。
訓練を受けた召喚士がマナをカードに導くと、その記憶に生命がもたらされる。
カードの製法は、長い歴史の中で独自の進化を遂げてしまったため、もはやシオンでも、新しいカードを作ることは困難。新たなカードを作り出す秘法は、聖闇アカデミーの長老たちのみに伝わっていて、厳重に隠されている。

『ウィザード』
マナを扱う訓練を受けた者の総称。

『召喚師』
最も強力なウィザードとされ、召喚カードを使用することができる。召喚師の地位は、ジュノーに捧げられる召喚師同士の戦い(デュエル)によって競われる。

『ネクロミッター』
大地や生物に眠るマナを測定したり、それらを抜き取ることができるという機巧の装置。

『キュービック』
大陸各地に散らばっている、内部に精霊が宿るとも、災いが封じられているとも、別の世界の秘密が隠されているともされる、謎の箱

『ミミック』
自らに危機が訪れると、まったく別の生物に生まれ変わるという謎の生命体。その変身する生物に関しては、外敵の記憶の中から最も苦手なものを選ぶという説がある。
また、古くは、その変身は擬態の一種とされていたのだが、実際には、胎内に卵を作り出し、それを孵化させることで生まれ変わっているようである。

特に興味深いフレーバーテキストと関連設定

『赤のキュービック』
「火の子らは母なる大地を愛してやまない。しかしそれを貪らずにはいられない」
聖ディースやディース初代皇王には、炎の箱から生まれたという伝説がある。

『溶岩ミミック』
「世の中には正当な理由がなくても封印されてしまうものがある」
自らの危機に際し別の生物へと生まれ変わるという不思議な生物。生息する場所により特性が異なる多様種。魔導師にとってはかなり興味深い研究対象

『火に仕えた魔導師』
「なぜ彼がこんな罪深い勤めを選んだのかって? 別に望んでやってることじゃない。自分の見つめた人間が次々燃えちまうから、あれをやるしかなかったんだ」
ある交易都市のパルマス修道会ノラム派に属する魔導師。

『灼熱の顎』
「強大な帝国だろうと大火と疫病には陥落する」
荒野を生息地とする凶悪な虫で、上空から獲物を襲う。強靭なアゴで食いちぎった肉塊を発火性の体液で焼いて、食べる。

『猛火の顎』
「美食家貴族の報酬目当てに、怪鳥の卵を運ぶこの虫を襲うやからは後を絶たない。だがたいていの場合、美味しくいただかれてしまうだけだ」
山の絶壁に生息する灼熱の顎の亜種。怪鳥の巣から卵を奪い、焼いて食べるが、その卵は人からは高級素材扱い。

『群れなすウォーハウンド』
「ディースの民はみな短期で悪名高いが、野生の動物も同じだ。他の国のものよりずっと攻撃的だ」
ディース皇王国で重宝されている獣。買われているのはその攻撃性ではなく、興味深い特性。彼らの体臭には魔導の力を和らげるとされているから。

『グランブルの警護兵』
「彼らは通行人から賄賂を受け取った途端に、自分の雇い主が誰なのかわからなくなる」
トリトナの民は、巡礼や交易のためにグランブル橋をよく渡る。ディース人はあまり橋を渡りたがらないが、それは彼らの多くが、海に触れたらウロコがなくなると信じているから。

『フリードニアの放浪霊』
「飛び散った火の粉は狼煙となって、さらなる災禍を読び込む」
平原でさまよう戦士の霊。実体を持たず石像などに憑り付いて現れるが、実体を持った場合、土地に宿る素元の力を発し、他の霊を呼び寄せる。

『カイ・シエイの送り火』
「我らの勇気炎となって、闇を照らし穢れを清め、いざ進めやいざ進めや、火祖神の下仲間と共に(火の民の進軍歌)」
その力を受けた者が炎に姿を変えるという魔導兵器。役目を終えた炎は解放されて祀られる。

『シオンダルの大ミノス』
「大地は炎に命を与え、飢えた彼らは母の体を大いに貪った」
素元の精霊がより集まり体現化した炎の幻獣。

『嘆きの炎蹄牛』
「彼らの巡礼は道なき道を進む旅である。そして彼らの通った跡が巡路となる」
食べた草木の根が火を吹くため、あたりを灼熱の土地にしてしまうという炎の牛。修験者は巡礼の際に騎乗する。

『青のキュービック』
「はじまりの雨から、神代の洪水に至るまで、水の子は一系の兄弟である」
ある僧院では死を目前とした高僧が箱篭りと呼ばれる修行納めを経て入滅し、生仏となる荒行が存在する。それは万物の記憶の一部となるための手続きとされている。

『トリトナの氷兵』
「こちらを見つめていたのは1体の氷の彫像。それがズラリと並ぶまで、彼らの目的が何であるのかを理解できなかった」
宮廷魔導師が都を守護するために造った魔導兵士。外敵を発見すると、魔道を介して、その情報を魔導師へと伝達する。

『女王の急使』
「ティノアからの手紙には、大抵尾っぽにトゲがある」
宮廷に仕える魔導生物で、信頼性の高い伝令手段。

『氷雪ミミック』
「憲兵はただ去るのみ。勲章は酒場の英雄にでもくれちまってくれ」
永久凍土に住むミミックは、死者蘇生ショーのために、民衆の場に連れてこられる。

『ヴェルザールの犬兵』
「毛皮をまとった爪牙の熱狂。人間の最良の友」
アルレイの従犬リムを祖とする共和制ヴァル・ナ・ヴァスの軍用犬。その魔力を帯びた咆哮は、どんな兵士でも勇敢な英雄に変えてしまう。

『石羽のドワーフ』
「隊長。ドワーフの斥候が、着陸許可を申請しております」
“石羽”は素元の力を受けて飛行力を得ている。「動きの読めない」兵器であり、そのためか、ドワーフの空飛ぶ斥候は、少し「先が読めてない」感じがある

『茶のキュービック』
「暖かい大地の下に眠るそれらは、死の冷たい抱擁を払いのけるだろう」
“箱の精霊”伝説は世界各地にあり、その真実は謎のままである

『蠢く骸骨兵』
「死せる者よ立ち上がれ。今ふたたび決起するのだ(不死王ノヴォガス)」
砂漠辺境の呪いにより特殊な死霊が誕生する。犠牲となった者は、まず自分が生まれた場所に戻らねばならない。戻る日まで眠ることは許されない。

『軽弓の骸骨兵』
「休むことを許されぬ魂が怨嗟の呻きをあげるたび、戦場に新たな怨嗟の輪が広がった。そして最後に静寂が訪れた」
骸骨の弓兵は厄介だ。矢が尽きたなら自分の骨を射ち、骨が尽きたかと思えば、敵陣で復活する。

『一番羽のドワーフ』
「敵の動向を探り逐一報告。確かに地味かもしれないが、我々がもたらす情報が戦局を大きく左右することだってあるんだ(新人隊員への訓示)」
ゼラピス率いる一番斥候部隊の僚機。石羽は赤岩山脈の鉱石から造られており、魔導の力を帯びている。特に黒の石羽は、翼から魔導の網を放出し、敵の動きを正確に捕捉することができるという。

『山裂きミミック』
「偉大な魔導士の英霊たちは、途方もない数の書物を与えてくれたが、それを読み解くための言葉を与えてくれなかった。盟約にその条項を書き記すべきだったな(メスマ)」
砂漠に集団で生息するミミック。危機に襲われると外敵が持つ記憶の中から最も苦手とする生物を探し出し、その生物へ生まれ変わる。

『ノヴォガスの不死楽団』
「ラッパは鳴り響き、太鼓がドンドン打たれた。しかし戦場には奏でられた楽曲を聴く者が誰一人として残っていなかった」
死せる者は本当に何らの感情も持たないのか? ならばなぜノヴォガスの不死軍団は、笛や太鼓の軽快な音色に合わせて戦場へ行進するのだ?

『ヴェルザールの巨像』
「砂漠の辺境には、機巧とも死霊とも異なる、命を持たない兵士がいるという」
素元の精霊を動力炉とする戦闘兵器。ゴーレムの製錬技術は、ノヴォガス朝時代に失われてしまった。

『巡礼牢』
「巡礼という名の流刑、流刑という名の巡礼。より救われねえのはどっちなんだろうな、まあ死んじまうんだから一緒か(ある罪人のつぶやき)」
パルマス教には見知らぬ他人に自分の罪を購わせるという教義がある。罪人や異端者を捕らえて巡礼をさせて、信者は牢の外壁に自分の罪を書き記すのだ

『ドワーフの鍛治場』
「嘘とは鈍った剣だ(ドワーフの諺)」
この謎に包まれた鍛冶屋を戦闘中に見かけるのは決して珍しいことではない。実戦的なドワーフは戦いの途中の一瞬の休息でも
武具を調整し刃を研ぐことを忘れない

『緑のキュービック』
「おお、豊穣なる森の木々よ。どんな凶悪な怪物たちが、お前の野蛮な胎の中で育っているのだ?」
森の民による象形文字が彫られた神秘の「箱の精霊」。いかなる災いが入っているのか? れを知る者はいるのだろうか?

『迷舞いの女エルフ』
「我々は老いを恐れはしない。老いも永久に続く円舞の一部だから」
“冬の呪い”とはジュノーの森特有の風土病である。感染した者は徐々に気力を失っていき、ついには食べ物を口に運ぶことすらできなくなってしまう。

『樹海ミミック』
「神が紡ぐ物語に筆を入れてはならぬ、我らはそれを紐解き語り継ぐだけだ。……ただまあ校合ぐらいは許されるじゃろう(メスマ)」
ミミックの生まれ変わりは長らく擬態の一種であるとされてきたが、近年の研究では、彼らは胎内に卵を作りだし、それを孵化させることで生まれ変わることが判明している

『ジュノーの囚花砦』
「絡み合って芽吹く葉の城壁。無法者を捕らえろ。侵入者をつまみ出せ」
“黒の森”エルフたちにより造られた植物監獄。その葉は途方もない刺激臭を放つが、非常に優れた治癒能力を持っている

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