無限に続いていく数列の事
増加数列。減少数列。単調数列
実数rがn個の場合の積を求める。
nという数を一般項として、指数nの数列を定義する。
(2)のrが1より大きい数なら、数列が進むごとに数が大きくなっていく『増加数列(increasing sequence)』。
rが1より小さく、0よりは大きな数なら、数列が進むごとに数が小さくなっていく『減少数列(decreasing sequence)』。
またいずれの場合でも、数が単純に増加するか、減少してるので、それらは『単調数列(monotonic sequence)』と呼ばれるものである。
マイナスの数の場合、rが-1より小さな数なら、nが偶数か奇数かによって正負の符号は変わるが、数だけに注目したら、ひたすら大きくなっていく。
一方で、rが-1よりは大きいが0よりは小さな数なら、正負の符号を切り替えながら、数自体は小さくなっていく。
極限値に収束する場合。無限大に発散する場合
何らかの数列を無限に続かせてみる。
0<r<1の場合、あるいは0>r>-1の場合、(3)は数列進むと、その数字を減少させるが、0より小さく、あるいは大きくはならない。
つまり、その数列は、0に限りなく近づいていく。
そのように、無限数列上にて、特定の数Aに近づいていく事を、「極限値(limitvalue)Aに収束(convergence)する」という。
また、r>1の場合、あるいはr<-1のような場合、(3)は、無限に数字を大きくしていく。
そのように、無限数列上で、数値を永久に大きくし続けていく事を、「無限大に発散(divergence)する」という。
上界。下界。有界
何らかの形で、収束するふたつの数列があるとする。
(4)のようなふたつの数列の四則演算に関して
また、何らかの数列において、その数列における最も大きな数以上の数字領域を、『上界(upper bound)』。
数列における最も小さな数以下の数字領域を『下界(lower bound)』
上界、下界を合わせて、『有界(bounded)』と言う。
有界という概念は、数列の収束性を調べるのに便利なものである。
数列の判定。収束性を見極める
ある数列の収束性を調べる。
(6)で与えられる数列について、まずは数列のn番目の次の数を用意する。
それからn番目とn+1番目の両式を、二項定理を用いて展開してみる。
展開されたnの場合とn+1の場合の両式を比較してみると、対応している()内の数の全てが、n+1番目の式の方が大きくなる。
だから、(6)の数列のn+1番目の数はn番目よりも大きいという事がわかる。
また、(6)の数列は、明らかに3が上界の範囲にある。
(9)であるからだ。
よって、(6)の数列は、単調増加であり、かつ3以上が有界だと判定出来る。
数列に関する基礎の計算
ある数列のn番目までの和
1,2,3,4,5……のような数列の場合、ある数の時点での、それまでの数の和を以下のように考えられる。
(10)から明らかなように、1ずつ増加していく数列において、数列を構成している数の和は、その全てを足すなどという無茶をしなくても、簡単に算出出来る訳である。
数列がn番目まであると仮定すると、一般式も導けよう。
初項(First term)、つまり数列の最初の数がaであり、列が進むごとに、一定の数bがプラスされていく場合も、(10)と同じように考える事で導ける。
とりあえずn番目の数をcとする。
等差数列。等比数列
初項に、一定の数がプラスされてく数列を、『等差数列(Arithmetic progression)』と言い、等差数列においてプラスされてく一定の数を『公差(tolerance)』と言う。
また、ある数aに、一定の数bをかけ算していく数列を、『等比数列(Geometric progression)』と言い、かけられてく一定の数を『公比(geometric ratio)』と言う。
等比数列のn番目までの和
ある数mが自然数である場合。
(13)がなぜそうなのかを確かめる。
(14)でxが1と違うなら(13)はなりたつ事は、かけ算は、逆にわり算出来るという事実を知っている人なら、必ず理解出来るはずである。
(13)の右辺は、1から始めた、公比xの等比数列である。
13の左辺は、そのまま、等比数列のn番目までの和の計算式となる。
等差数列の和の和。平方数の数列。立法数の数列
等差数列が進むたびに、その時点での全ての数の和を記録する。
数列n番目の時の、記録された全ての和の和を算出する式もある。
他に、数列に関する基本的な公式として、以下のようなものがある。
(17)は平方数の数列の和の計算式。
(18)は立法数の数列の和の計算式である。