「数学の本のおすすめリスト」おもしろい話、本質の研究と理解の書

数学の本

もっとも美しい対称性


 対称性の歴史の本であり、悲劇の天才とされるガロアを称えた本。
フランスの家「エヴァリスト・ガロア」悲劇の生涯。凡人社会と決闘に奪われた天才数学者  後、E・T・ベルの「数学をつくった人々」があまり好きでないようである。
ベルの本は、別の好きな数学者が、著書にてお気に入りとして、あげてる本だから、ちょっと複雑ではある。

 数式は全然使っておらず、対称性という概念の言葉による説明と、歴史が主な内容。
物理学への応用までしっかり取り扱われてるので、幅広い人たちにオススメできる良書だと思う。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)


 これは、一般向けの数学書としてかなり人気。
フェルマーの最終定理自体を扱った本でなく、それに関わる様々な数学と、関わってきた様々な数学者達の、伝記的な本。
歴史物語的な要素が強いので、数学を学ぶという観点からはあまり期待してはいけない。
逆に、誰にでもとっつきやすい。

 世の中には、このような本ですら、数学がテーマというだけで敬遠してしまう人が多いことは、単純に残念としか言いようがない。
一応説明しておくと、この本は、ごく簡単な数学の諸概念しか扱っていないし、また、登場する問題も、別に無視したいなら無視しても構わないような構成となっている。
むしろ、漢字が読めるなら、小学生でも読める本である。

 もちろん内容が低レベルというわけではない。
この本なら、フェルマーの最終定理を中心に、代数学に関する様々な歴史が学べる。

ポアンカレ予想 (新潮文庫)


 いわゆるミレニアム問題で、見事はじめに証明されたポアンカレ予想に関わる数学と、その数学者について扱った、やはり伝記的な本。
 フェルマーの最終定理と比較すると、ポアンカレ予想は、一般に幾何学の領域であるので、幾何学関連の話が多い。

 ポアンカレ予想を証明したペレリマンについては、それほど扱っておらず、どちらかと言うとポアンカレ予想に関する、全体的な歴史がメインの内容。
 フェルマーの最終定理は、妙にドラマチックに描きすぎで、違和感あるという人にも、オススメ。
逆に、純粋に物語としてのみ楽しみたいという人は、あちらの方がよいかもしれない。

三角関数 (図解雑学)


 このシリーズ全体の中でもかなりオススメな本。
かなり欲張りな内容で、基礎的な三角比や、正弦定理、余弦定理から、三角関数までを駆け足ながら丁寧に説明する。
だけの本でもなく、指数対数や微積分なども最低限の説明をしっかりした上で、最終的には「オイラーの公式」に行き着く構成となっている。

 基本的に、かなり実用的な観点から述べられていて、具体的な例が多い。
ほとんどおまけレベルだが、フーリエ変換にも、10ページほど使っている。

 完全に予備知識なしを前提として、このページ数、文字数でオイラーの公式までの、歴史を垣間見る事が出来る、かなりの良書。
波の関数「三角関数とは何か」円弧、動径、サイン、コサインの振動と波。

数学序説 (ちくま学芸文庫)


 タイトルがすごい違和感ある。
数学の序説というより、現代数学(あるいは20世紀数学)の序説。
 また、いかにも数学嫌いの人のための、優しい数学の本、という感じだが、そこまで優しいという感じはしない。
むしろ、「本当に、私数学全然ダメなんです」というような人に、最初にオススメするような本ではない。
ただし、単に数学という学問を理解したいというのであれば、この本で全然よろしいとは思う。

 かなり優れた数学の啓蒙書ではある。
また、一冊の本として、非常に優れた歴史の本でもある。 

無限の果てに何があるか 現代数学への招待 (角川ソフィア文庫)


 数学者ということが知れると、多くの人から、「虚数なんてものが本当に存在するんですか?」みたいな幼稚な質問ばかり飛んでくる事が、嘆かわしいので書いたという一般向けの数学書。
上記のような質問は、天文学者に「地球は本当に太陽の周りを回っているのですか?」とか、生物学者に「我々は本当に猿から進化したのでしょうか?」とか、聞くようなレベルであるらしい。
そりゃ嘆くのもわかる、と納得した人は、ぜひ読もう。

 別に証明の本ではないので、普通に断りを入れて、そういうのは飛ばし、話を進めるスタイル。
ただ、数とは何か。
数学はどのような学問なのか。
数学者は何を研究しているのか、我々は何を数えているのか、をよく学べる。
虚数「複素数とは何か」虚数はどれほど実在してないか。実数は本当にリアルか

無限と連続―現代数学の展望 (岩波新書 青版 96)


 後のいろいろな本に、参考にされてると思われる名著。
別に、ゆるい文章という訳でもないのだが、妙にユーモアを感じる。
 タイトル通りに、無限の概念だけを扱っているというより、数学という学問の話。
「それはこんなに面白い」とか、「それはこんなに重要だ」とかいう内容でなく、ただ純粋に、「数学ってこういうものなんです」と優しく教えてくれるような、そんな本。
 著者自身が、これはひとつの、「数学者の弁明」である、と書いているが、これがいい得て妙であると思われる。
これは、数学が何なのかを知らない人にこそ一番オススメ出来るし、また、普通に、気取ってないからこそ、本当の数学を垣間見れる、名著である。

新装版 オイラーの贈物ー人類の至宝e^iπ=−1を学ぶ


 オイラーの公式を理解するためだけの本と、著者は書いているが、どっちかというと、オイラーの公式開発まで流れの中で登場した、様々な数学の事柄を扱った本。
歴史の本ではない。
とにかく、数学における様々な概念を、ページと文字数が許す限り、徹底的に網羅している。
 これ一冊で、かなりの事が学べる。
高校数学と呼ばれる領域までの事は、全て網羅されてるのではないか、というくらいに濃い内容。

 この著者は、拘りであろうが、大抵の用語に、英語訳をつけていて、そういう意味でも非常に学べる、素晴らしい本である。

微積分超入門


 どのようなジャンルを扱う本でも、それが学ぶためのものであるならば、重要なのは情報量以外に、わかりやすさと、とっつきやすさであろう。

 この本は学ぶ目的を抜きにしても、単純に面白く読める本である。
どう見ても明らかに相対性理論を考えた某博士と、謎の女性との会話が、とてもユーモアにあふれていて素晴らしい。

 内容的には名前通りに超入門な感じの初心者向けで、逆に言えば微積分というものに関してまったく知らない、わからないという人にオススメ。

微積分入門 (ちくま学芸文庫)


 内容が古臭すぎるとか、翻訳がひどすぎるとか、あまり評判はよろしくないけど、この本は個人的には一番お気に入りの数学の本です。
内容は微積分学の、まさに入門の入門という感じだけど、けど、著者の姿勢というか、考え方に、初めて読んだ時、非常に感動させられました。

 「なぜそれまでわからなかったのか。なぜ、その時に何が起こっているのか知る必要があるのか」
「常にそうなった理由を考える必要が、我々にはある。 最初のテストはうまくいったのに、後に応用で失敗してしまったという人は、その時に何が起こってるか本当のことを知らないからだ」

 当たり前すぎることを、わざわざ長ったらしく、丁寧に説明したのは、答でなく、なぜその答えなのかを知るため。
 奇妙なことに、難しい問題を解けるのに、簡単な問題につまずく生徒がいる。

 著者は物理寄りの数学者らしいのだけど、いろいろな考察が、なんかクールかつ痛快。
 田舎道を車で走るおばあちゃんが、都会にいきなり放り込まれて、運転出来なくたって、「なら彼女は車を運転できない」と言うのは、何か違うであろう。

線形代数とは何か


 やはりソーヤー先生は素晴らしいとしか言いようがないくらい素晴らしい本。
工学部の学生向けに書かれた線形代数に関する本であるが、 とにかく数学に関する著者の考えが散りばめられていて、共感できる人はとことん共感できるだろう。

 まず第一に、世間で使われている数学を教える方法は、たいてい二種類だそうだ。
つまり、最初に定理を紹介し、それを厳密に証明していく方法。
あるいは、全てを丸暗記するという方法で、どちらでも結局、同じことはできるようになる。
しかし学生は、自分がしていることがいったいどういうことか、その意味はわからないままと、ソーヤーは述べる。

 この本では(この人はいつもだが)第三のやり方が取られているという。
すなわち、何をしているかを理解させることへの専念だ。
本当に、初心者向けというよりも、数学が苦手な人向けという感じの本です。

ユークリッド原論 追補版


 個人的に、初めて読んだ時に、これほどまでに衝撃を受けた本は他にない。
 実のところ、私はこの本を、幾何学のみを扱った本だと勘違いしていた訳です。
また18世紀くらいまで、普通に大学の教科書として使われてた、という事を知らなかったと言えば、 この本の内容を知っている人なら、私がどれほどの衝撃を受けたのかが、わかるであろう。

 ぶっちゃけてしまえば、幾何学を学びたいと言うだけならば、この本よりももっとわかりやすい良書はいくらでもある。
しかし、この本は、もうこれ自体が、ひとつの大いなる伝説として、読む価値があると思う。
 また、この訳本は、証明内容が簡潔にまとめられていたり、エウクレイテスや原論自体の研究紹介もされているので、そういう意味でもオススメ。
幾何学なぜ数学を学ぶのか?「エウクレイデスと原論の謎」