囲碁の石と盤と五目並べ
単に『碁』と言うと、基本的には『囲碁』のことであるが、『五目並べ』を意味する場合もある。
どちららのゲームも同じ盤と石を使うが、五目並べの方がよりシンプルで簡単である。
またどちらのゲームも、石を置くのはマスではなく、線が交差する部分となる。
順番に、白黒に分けられた互いの色の石を、一つずつ盤に置いていくこと。
黒が先手なところは、オセロとも同じである。
「オセロのルールと戦術」序盤の鉄則、中盤のコツ、終盤の勝ち方
盤は、19本の線が縦横にひかれた『十九路盤』が基本になるが、より簡易的な15本線の『十五路盤』や、13本線の『十三路盤』などがあり、線が少ない場合の方が簡単なので、初心者がルールに慣れるためによく使われる。
連珠とは何か
五目並べは、自分の色の石を縦、横、斜めのいずれかに5個並べると勝ちというゲーム。
基本として先手(最初の黒)は必ず中央に打たなければならない。
二手目(最初の白)は必ず、縦横斜めどれでも構わないから最初に置かれた黒石と隣接するように置かなければならない。
三手目(黒の二手目)以降は自由な位置に打てる。
実は五目並べは、先手が必ず勝つ必勝法があることがわかっている。
そこで、先手にのみ禁じ手などの制約をつけることで、先手後手の差を調整した五目並べは『連珠』と呼ばれ、完全な競技扱いとなっている。
ゲームの流れ、基本的な考えと戦いかた
地、星、天元
肝心の囲碁であるが、これは互いに駒を置きあって、自分の色の駒で囲った『地』と呼ばれる領域の広さを競いあうゲームである。
盤は大雑把に、真ん中を『中央』として、(基本的には黒側の視点基準で)各方向を『右辺』、『左辺』、『上辺』、『下辺』と言う。
また、上辺の隅を、『右上隅』、『左上隅』。
下辺の隅を『右下隅』とか『左下隅』と言う。
角エリアには『星』と呼ばれる点がひとつずつ打たれていて、中央の星、つまり盤の中心の星は『天元』と呼ばれる。
星はゲームのルールとか戦術とかとは特に関係ないが、盤の位置状況などを知るための目印に使える。
互先と常先。子、目、コミ
例えば5子(個)の黒石で囲まれてる隅の地があり、その地内の点(盤の線の交点)が4つなら、それを4目の黒地とする。
つまり盤の端も点として数える。
以下の画像の場合は、黒地が6子の6目。
白地が8子の1目である。
互先、つまり似たような実力の者同士のゲームにおいても、基本的には先手が有利であるために、後手は5目か4目とかのハンデをもらうのが普通。
このハンデは『コミ』とか『コミ出し』とか言う。
4目半、というように、コミにはよく半がつけられるが、これは引き分けを防ぐため。
あるいは、引き分けの場合は後手の勝利とかが決まってたりする。
先手後手を決める方法として一般的なのが、どちらかのプレイヤーが適当な数の石を握って、もう片方のプレイヤーが、その握られた石の数が偶数なのか奇数なのかを予想するというもの。
予想が当たれば、当てた方が先手となり、外れれば石を持っていた方が先手となる。
対戦するプレイヤーに実力差がある場合は、常に実力の劣る方が先手とする『常先』という考えもある。
常先の場合は、コミなしが普通で、 それでもまだ十分でない場合は、あらかじめ何子かの石を盤上に置いた状態で始めれる。
その際は、星に石を置くのが普通。
布石、中盤、ヨセ
ゲームのだいたいの流れとして、序盤、中盤、終盤がある。
特に、布陣を整える段階とされる序盤は『布石』とも呼ばれる。
基本的には防御を整える段階なのだが、好戦的なプレイヤーならいきなり攻めたりもする。
中盤は地の本格的な取り合い。
そして、盤上に大量の石が置かれた終盤は、『ヨセ』と呼ばれている。
これは互いの地を獲得していく最終段階である。
連続と切断。ナラビ、マガリ、コスミ、ケイマ
同色の石が繋がりあっている状態を『連続』と言う。
連続の中でも、直線の並びをそのまま『ナラビ(並び)』。
曲がっている部分を『マガリ(曲がり)』。
それに斜めの連続は『コスミ』。
将棋の桂馬の動きのような状態を『ケイマ』と言う。
相手の色の石に最短距離の線での繋がりを妨害されている状態を『切断』と言う。
下の画像は、黒白がそれぞれに切断し合っているパターンと、連続している白に黒が切断されているパターンである。
キル、ツグ、ノゾく
実質、地とは、連続した石に囲まれたエリアのことである。
だから、連続と切断という考え方は、囲碁において非常に重要なものである。
石を連続させることで自分の地を獲得できるわけだが、逆に相手の地の獲得を切断によって妨害できる。
繋がりそうな相手の石の連続の間に、自分の石を置いて切断する行為を、単純に『キル(切る)』、逆に繋げることを『ツナぐ(繋ぐ)』とか『ツグ』言う。
また、切断狙いの手を『ノゾキ』と言う。
ハマ、着手禁止、眼
あなたが新たに石を置き、相手の石が置かれた点から伸びている線が全て、自分の石によって防がれる形になった場合、 その囲い込んだ状態となっている相手の石を取ることができる。
取った石は『ハマ』と言い、自分が持っておく。
ゲームが終わった時に、互いの地の数を競いあって勝敗を決めるわけだが、 その前に、ハマを相手の地に置ける。
例えば白側がハマを5子持ってたとして、 ゲーム終了時の黒側の地の数が50目だとしたら、黒は45目となるわけである。
ハマは取られすぎるとまずい。
だから妨害が大事である。
後、ひとつの石が置かれたら取られてしまう石の状態を『アタリ』と言い、 取られてしまうのを防ぐために、囲まれそうな石の連続をさらにひとつ伸ばす行為を『ノビ(伸び)出す』と言う。
また、相手の石に囲まれた最後の一点は『着手禁止』、つまりは打てない。
そういう一点は『眼』とも呼ばれる。
ただし、相手の石を取れる場合に限って、着手禁止は無視できる。
二つの眼による防御。カケメとウチカキ
着手禁止で相手が取ってくるのを回避することも可能。
そして、 いくら外を相手の石が囲ってようが、さらにその内部を自分の石が囲っているのなら、その内部の地は自分のものである。
つまり眼を二つ持った集まりは、絶対に相手に取られない、無敵の要塞となる。
ちなみに一見は眼になっているように見えて実はなっていない状態(あるいはそれを継続できない状態)を『カケメ(欠け目)』と言ったりする。
眼を二つ持っても、片方がカケメなら潰されることは注意である。
他にも、できそうな眼を事前に潰す上手い手を『ウチカキ』と言う。
ダメな点。呼吸点
白から見ても黒から見ても、打ったところで目(地)が作れそうにない点を『ダメ(駄目)』と言う。
どちらの地でもない点とも言える。
ただし、これだけだとダメという用語の意味するところがあまりにも広すぎるために、そこまで駄目そうでない点を、『呼吸点』と呼ぶ場合もある。
コウで勝つ
石の取り合いを永遠にループできそうな状況を『コウ(劫)』と言う。
コウが発生した場合、相手は別の一手を一旦打たなければ、再びコウには打てないという決まりがある。
コウを構成する石を取るか、眼を自分で塞いだりして、コウを消す行為を『コウの解消』とか、『コウに勝つ』。
コウを終わらせるか、あるいは相手に譲るか、という駆け引きは、特に終盤でよく見られる。
終わり方の謎。どうなったら終局か
囲碁というゲームは、実際それほど難しいルールではない。
それなのに、このゲームには難しいというイメージがついてまわっている。
その理由はほぼ間違いなく、『終局』、つまり、ゲームの終了条件のわかりにくさである。
基本的には互いの地が完成し、かつダメがなくなったら終局である。
そういう状況になったら、どっちがどこに打とうと、もう結局意味がないか、あるいは損をするしかないからである。
そういう状況がわからないという場合もありえるので、今はパスという制度が設けられている。
つまり囲碁というゲームはパスできる。
自分が何処に打っても、自分が不利なだけならばパスすればいい。
相手も同じ状況ならパスをするだろう、そうなるとゲームは終了になる。
実力者同士の対決なら、ゲームの途中で終局がさっさと見えて、どちらかが負けを認めたりすることも多い。
終局は初心者にとって、ある意味、最大のハードルと言えるので、何度もやって慣れるしかない。
特に線の数が少ない盤のほうが初心者にはいいというのは、終局がわかりやすいからというのも大きい。