「ミリタリーアイテム基礎入門」兵士達が持つ物

ミリタリー野営グッズ

身につけるもの

ドッグタグ。認識票

 戦場に赴く兵士には、よく『ドッグタグ』という『認識票』が支給される。
 普通は、ペンダントのようなもので、兵士を犬に例えて、ドッグタグという風によばれるのである。

 ドッグタグには、名前や、階級や、血液型や、個別の番号(例えば社会番号)。
時には、国籍や、信仰する宗教などの情報が刻まれている。

 基本的にドッグタグは、同じ物を2枚持つ。
そして、仲間が戦死した時に、ドッグタグの1枚のみを持ち帰り、上官に戦死報告を行う。
 後に、その戦死者の遺体を発見した仲間は、タグが2枚なら、まだ未報告。
1枚しかなければ、報告済みだとわかる。
 そして遺体の状態が酷くても、タグが1枚でもあれば、それが誰なのかもわかる訳である。

 ドッグタグはまた、取り外しが出来る1枚という場合もある。

迷彩服。ギリースーツ

 軍服としてよく採用されている迷彩柄の服は、周囲に溶け込みやすい。
自然界は普通、様々な色が入り交じっているので、単色はその中において、目立ちやすいのである。

 また、スナイパーなどが、森の戦場などで身につける、なんか木の枝や葉っぱつけまくったみたいなデザインの服は、『ギリースーツ』というもの。
森の妖精のコスプレのような服と言ってもいいかもしれない。
 これは、どちらかというと、周囲に溶け込むというより、遠くから見られた時のシルエットをごまかす役割を持つ。

(注釈)女性兵士

 女性兵士の増加により、現在は婦人用軍服も普通にある。
かつて、女性は男性より劣っているとされていた時代に、軍が入隊希望の女性に課した審査はかなり厳しかったという。
 しかしそれが逆に、女性兵士はエリートだらけという妙な状況をうみ、むしろ女性の強さを際立たせる事になったのだという。

ゴーグル

 五感の全てを問題なく使える場合、人間の視覚への依存度は非常に高い。
なので、埃や砂粒や雪などから、ゴーグルで目を守るのは、非常に重要。

 もの凄く強化して、銃弾などに備えるのもよいかもしれないが、衝撃が結局危険なので、オプション機能を強化した方がよいであろう。

 例えば、メガネをかけたままつけれるゴーグルもよいが、そもそも、メガネの役割も果たせるとか。
赤外線センサーなどの、暗視機能をつけるのもいい。

 余談だが、タマネギなどを切るのにも、ゴーグルは使える。
(涙がウザい人におすすめ) 

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装備品の開発

民間のメーカーの協力を受ける事もある

 規模の大きな軍は、内部に研究・開発部門を有している事もあろうが、その場合も民間(外部)の協力を得て、新装備を開発する場合は多い。

 削られがちな軍事予算に余裕がない場合、民間の品を転用する事もある。
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 よく民間から軍用に転用されるのは、手袋やブーツといったアウトドア製品。
あるいは非常食などの食料関連である。
 なのでアウトドアメーカーや、食品メーカーは、そもそも設計段階から、軍事転用を意識して製作に当たる事もあるという。

要求仕様。ミルスペック。ミル規格

 新規に装備を開発する場合、まずは『要求仕様』というのが定められる。
これは製作予定の機能や外観などを定めた、まさしく要求の仕様表的なものである。
 特にアメリカ軍は、その(例えば防水とかの)仕様を『ミルスペック』。
(耐久性など)比較できる能力を『ミル規格(ミルスタンダード)』と呼んでいる。
 また、ミルスペックという言葉は、サービスなど、かなり広範囲に転用されている。

試作品。初期型

 仕様が決まると、『試作品(prototype)』が作られ、軍のテストを受ける。
そしてこの時、民間のメーカーも自社開発品を売り込む事がよくあり、性能がいいなら、普通に採用される。

 テストをクリアしても、すぐには量産されず、まずは少しばかりの『初期型』を導入し、現場の人達から、実際の欠点などの情報をもらい、さらに改良される事も多い。

その他スタンダード

スコップ

 身を隠すための穴や、落とし穴の製作、雪を掻き分けたりするなどの他、単純に武器としてもスコップは使える。

 折り畳み式や、直角に曲げてクワにする事の出来るタイプもある。
折り畳み式は携帯も容易だが、そうでない大きめのスコップは、トラックなどに搭載し、あまり持ち歩かれる事はない。

 かつて、ソ連などでは、スコップを使った格闘術を隊員達が体得している、特殊部隊も存在していたという。

レーション

 まあ、非常食の事であるが、広義にはロウソクや石鹸などの、消耗品全般を指す。
 缶詰や、レトルトパックが定番。
カロリーメイトのような、サプリメントも、わりとよいとされる。

 レーションは兵士の食事という訳でなく、やはり非常食である。
補給部隊が間に合うなら、特に使いはしない。
 
 また、軍では、食料の現地調達手段を教えている場合もある。
火を使えるなら、場合によっては昆虫などを食べる事も出来るであろう。
案外レーションより、小型コンロを持つ方がよいのかもしれない。

無線機

 無線機はかつて、大きく、バックパックのように、背中につけていたという。
それが段々と小型化が進んでいき、扱いやすくすくなっていった。
 また、スピーカーやヘッドフォンやマイクも、扱いやすくなり、喉につけて、声帯の振動から、直接声を拾うようなタイプも出てきた。
喉につけるそのようなマイクは、『スロートマイク』と呼ばれ、当然手に持たないため、武器などと併用しやすく、かつ余計な雑音が入りにくいという。

 戦場での通信は普通、無線で行うが、出来るなら有線の方が、安定して、かつ大きなデータ量をやり取りしやすい。
 なので、通信兵が、リールに巻かれた有線を、出来るだけ目立たぬように拠点の周辺に敷くという戦略もあるされる。

ベリスコープ

 プリズムなどを用いた光の屈折で、自分は隠れながら、異なる目線のレンズを外に出し、周囲を探れる観測機器が『ベリスコープ』である。
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『カニメガネ』という俗称もある。

 普通に双眼鏡としても使える。
むしろ本来は、目線を高くする事で、より遠くのものを確認する為に開発されたらしい。
 そういう訳で、三脚などをつけられる場合もある。

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