スパイグッズ
ファイバースコープ
『光ファイバー』とは、電気信号などを、光として伝えるケーブルである。
この光ファイバーの先にレンズなどをつけて、入りくんだ隙間の先などを覗き見る事が出来るアイテムが、『ファイバースコープ』である。
ファイバースコープには、ある程度、任意の形を保てる『インナーロックタイプ』と、より柔軟性が高い『フレキシブルタイプ』がある。
他に証明機能がついてたり、センサーを搭載したもの。
単に映像データを記録するだけでなく、モニターでそれをリアルタイム確認出来るものもある。
ファイバースコープは隙間の害虫駆除や、医療目的、精密機械のメンテナンス時などにもよく使われる、便利なものである。
また、音を拾うのに、医者が心臓などの音を聞く聴診器も使える。
変装、似顔絵合成、医療キット
キット(kit)とは、「道具箱」とか、「道具一式」の意。
『変装キット(disguise kit)』
姿を変えて潜入。
姿を変えて逃亡。
スパイにとって不可欠な、携帯する変装グッズ一式。
『似顔絵合成キット(portrait composition kit)』
目や口、眉毛や髯など、顔の様々なパーツを切り替えて、簡易的な似顔絵を作る為のもの。
電子機器化されてるものは、より携帯が手軽。
『医療キット』
もちろん怪我や病気に対処する為の、医療器具や薬一式。
カバンタイプから、最低限を腕などに巻き付けるタイプ。
大型で、人でなく乗り物や施設などにセットされるタイプもある。
説明書や、場合によっては外科手術に使うメスなども。
もちろんそういうものがあるなら、消毒剤も必須と思われる。
(注釈)電子機器化の問題
電子機器のグッズは、電力が一切ない環境などでは、使えなくなる可能性もある。
そこで(場合によっては手回しタイプなどの)充電器などを携帯する事もあるかも。
偽装アイテム
たいてい服にはボタンがついているが、一見はただのボタンに偽装されたアイテムもある。
ボタンは、丸い物を偽装出来る。
例えば時計やコンパス(方位磁石)。
カメラや単にレンズ。
コンピューターの起動スイッチなど。
特にボタンコンパスは、元々軍用に開発された為、各国の軍服に対応したデザインがあるという。
他にもネクタイやライターやタバコ、腕時計やメガネなども、偽装しやすい。
実際にライターや腕時計に偽装したカメラなどがあるという。
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トレンチコート
スパイの服装と言えばトレンチコートである。
探偵のイメージもけっこうある、とりあえず大きめのコート。
トレンチコートは、実は本来、軍用に開発されたものであり、いろいろ道具なども収納出来るポケットが自然に備えたデザインとなっている。
機能性ももちろん、単純にクールな印象を与えるデザインなので、フィクションはもちろん、現実でもファッションとして、わりと人気。
また防弾チョッキなどがない場合、トレンチコートのポケットに(トレンチコートに限らないけど)適当な詰め物をして、銃撃などに少しでも対抗出来るようにしたり出来る。
自動消滅する情報伝達機
「なお、このメッセージは自動的に消去される」
というメッセージの後に、自爆するテープなんてのは、現実にないが、しかしデータが勝手になくなるメッセージプログラムなら、ありえるであろう。
昔は、実際に自動発火するメモや、薬品などを使わなければメッセージが表示されない手紙などが、実際に使われてたらしい。
メモにせよ、手紙にせよ、その紙を受け渡しするのに、棒状の入れ物などを、特定の場所に突き刺し、それを受取人が見つける、といった方法もあったようである。
ドローン
かつてラジコンが使われたのかどうかは定かではない。
しかしドローンは、まさしく諜報活動に使えよう。
ドローンとはつまり、『無人航空機(unmanned aerial vehicle。UAV)の事。
ドローンと言えば、航空機だが、別に遠隔操作出来る、『無人自動車(unmanned car)』や『無人潜水艦(unmanned submarine)』。
場合によっては、『無人ドリルタンク』なんかもアリであろう。
ドリルタンクとは、SFなどによく登場する、先頭にドリルなどを備えた、地中を掘り進んむ事が出来る車両の事。
地中戦車とか、ドリル戦車とか言われる場合もある。
スパイの武器
『サプレッサー』
銃口につける事で、発射音や閃光を抑えてくれる。
よく聞くサイレンサー(消音器)とは、サプレッサーに限らず、何らかの音を抑える為の道具全般の総称。
『スリーブガン』
服の袖(Sleeve)に隠した小型銃。
普通に小型銃を隠すテクニックもあろうが、スリーブガンは、そもそも既にそういうギミックを想定した特殊な銃である。
『スリーブナイフ』
やはり袖に隠し持つナイフ。
ガンに比べたら、攻撃範囲は落ちるが、軽量にしやすく、安全性も高い。
『ナックル』
拳につけるタイプの鉄器などの事。
わりと卑怯な武器であろうが、とりあえず非常に手軽(威力もそれほどであるが)。
スパイにスポーツマンシップなど必要ないのである。
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諜報活動の種類
『ヒューミント(humint。human intelligence)』
人間相手の諜報活動。
『オシント(osint。open-source intelligence)』
合法的に入手できる資料を使った諜報活動。
ある意味、独学の勉強もオシント。
『イミント(imint。imaginary intelligence)』
画像や映像などを分析する諜報活動。
分析する対象が写真(photograph)くらいしかなかった時代は『フォティント(photint。photographic intelligence)』と呼ばれていた。
『シギント(sigint。signal intelligence)』
通信や信号を収集、分析する諜報活動。
特に通信傍受と暗号解読は、『コミント(comint。communication intelligence)』。
レーダーなどの電磁気を利用したシステムを用いた情報収集を『エリント(elint。electronic intelligence)』。
音波などを用いた情報収集を『アシント(acint。acoustic intelligence)』と言う。
スパイに求められる技能
嘘を平然とつける口。
感情のコントロール。
成り済ます職種のスキル。
言語能力。
いざという時の戦闘能力。
ただ現実的に考えるなら、戦闘能力は、(スリーブガンやナックルなどの)武器でカバーし、とにかく成り済ましスキルを高めた方がよいであろう。
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スパイを育成するための、スパイ学校などが、世界対戦の時代には、普通に世界中に存在していたとされるが、当然公式には存在しない事にして、隠していたであろう。
普通に今でもあるかもしれない。
普通の学校と思いきや実は、みたいな事もあるかも。
スパイの特殊
区画化の原理(Principle of partitioning)
フィクションのスパイは、どんな拷問にも屈せず、無言を貫くが、現実には、拷問のプロ相手に口を割らないでいられるような奴は存在しないらしい。
諜報組織の上司も、スパイが捕まった時点で、そのスパイが抱えている情報も全て敵の手に落ちたと判断する。
「奴は口を割らないだろう」などと、部下を信頼する者もいないという。
そこで、たいてい、諜報組織は、個々人が持つ情報を必要最低限に区分けする。
つまり全貌を知る者を0にする事で、誰か1人のせいで全てが崩れるのを防いでいる訳である。
二重スパイ(Double spy)
スパイとして、敵の元に潜入していたはずの者が、敵に寝返り、逆にスパイになってしまう事を二重スパイと言う。
実の所、捕らえられたスパイに待っているのは、拷問でなく、この二重スパイへの誘いである事も多いという。
というか、二重スパイへの勧誘は基本だという。
メリットが非常に大きいのである。
餌は、師や拷問への恐怖より、たいてい莫大な報酬であるとされる。