電気
電荷と電荷保存則
電気とは『電荷量(quantity of electric charge)』という物理量に由来する力である。
その本格的な研究は17世紀くらいから。
実用的に利用されだしたのは19世紀からとされている。
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宇宙のあらゆる物質は原子からできていて、その原子は、陽子と中性子で構成された原子核、それにその原子核の周囲の電子からなる。
陽子と中性子はまた、それぞれ「クォーク(quark)」という粒子から成る。
クォークにもさらに種類があり、基本陽子と中性子の構成要素は、アップクォークとダウンクォークの2種である。
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クォークと電子は、『電荷(electric charge)』というものを持つ。
電荷量とは、そのままこの電荷の量の事。
電荷は確かに存在すると思われ、電荷量は物理的な量であり、閉ざされた領域の中では決してその総量を変えないと考えられている。
つまり、完全に隔離されたある空間の中に10の電荷があったとして、それを5と5や、3と7に分ける事は出来るけど、12にしたり5と8に分けたりは出来ないのである。
この事を『電荷保存則(Charge conservation)』という。
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電子、陽子、中性子の電荷量
電荷量にはプラスとマイナスがあるが、少なくとも現在の知見的には、これを文字通り正の量、負の量と判断するべきではないと思われる。
確かに物理の計算式ではそう考えると都合がよい。
しかし実際にマイナスの量というのは、どうも信じにくい(コラム1)
2種類の別々の電荷があり、それらの力はちょうど逆に作用したり、打ち消しあったりするから、計算上は同じ力のプラスとマイナスと考えても問題ない。
と考えるべきである。
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電子1個の電荷量は必ず-eという量らしい。
このeという量は電気素量(elementary charge)と呼ばれる。
クォークのアップ1個の電荷量は2/3e、ダウン1個の電荷量は-1/3eである。
結果的に、アップ2個とダウン1個から成る陽子の電荷量はe(2/3e+2/3e-1/3e))。
アップ1個とダウン2個から成る中性子の電荷量は0(2/3e-1/3e-1/3e)となる。
また、電荷量が0である事を、電気的に『中性(neutral)』という。
(コラム1)マイナスの量とはどういう事か
マイナスの量以上に、マイナスとプラスが打ち消しあい0になった量というのが意味がわからない。
0は無ではないのだろうか?
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仮にマイナスの量を認めるなら、それは無よりも少ない量という事になるのだろうか?
プラス、マイナス、いずれも何らかの量だとして、その間に何もないのが信じられない。
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クーロンの法則
確かな事は、符号が同じ電荷の物質同士の間には斥力が、符号が異なる電荷の物質同士の間には引力が生じるという事。
この電荷量とその符号により発生する力は、物質同士の電荷量の積(掛け算の結果)が大きいほどに強くなる。
また、物質同士の、つまり電荷同士の距離が離れるほどに弱くなる。
この事を『クーロンの法則』という。
陽イオン、陰イオン
原子には種類があるが、その種類の違いは内部の陽子の数に由来する。
通常、原子内部の陽子と電子の数は同じであり、原子1個は中性である。
電子の数が陽子と異なっている状態の原子、あるいは分子(複数の原子の集まり)を『イオン(ion)』という。
特に、電子数が少なくプラス電荷を帯びた原子(分子)を『陽イオン(positive ion)』、あるいは『カチオン(cation) 』。
逆に電子数が多くマイナス電荷を帯びた原子(分子)を『陰イオン(negative ion)』、あるいは『アニオン (anion)』という。
磁気
S極、N極は必ずペアで存在
この世界に磁石というものがあり、それには必ず「S極」、「N極」というのがある。
SN極は必ずペアで存在し、S極のみの磁石、N極のみの磁石というのは存在しない。
なぜ存在しないのかは証明されてないが、少なくとも確認した人類はいないという。
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また、例によって同極同士の間には斥力、別極同士の間には引力が生じる。
S極とかN極とかを『磁性(magnetism)』、あるいは『磁気』と言う。
それらによって生じる力を『磁気力(magnetic force)』と言う。
永久磁石と強磁性体
例えば鉄などを磁石の側に置くと、その磁石の鉄の方に向いた側の磁極の別極が、鉄の磁石側に生じる。
この時、鉄は磁石となっているのだが、この事を『磁化(magnetization)』するという。
磁化したものは磁石であるから、当然両極あるが、磁石側の方が、必ず磁石の鉄側と別極になるのである。
磁石を鉄から離せば、鉄は再び磁石でなくなると思われるが、なくならない物を、つまり磁石が近くになくても磁石であるものを『永久磁石(permanent magnet)』という。
普通に磁石と言えば、この永久磁石の事である。
磁化されやすい物質とそうでない物質があるのは、明らかであると思う。
磁化されやすい物質は『強磁性体(ferromagnetics)』と呼ばれる。
キュリー温度
永久磁石と言っても永久ではない。
電荷と同じように、磁性は、物質を構成する分子や原子、あるいはより小さな粒子ひとつひとつが持つものである。
強磁性体は、実質的に大量の磁性を内部に秘めている物質である。
しかし磁性が発生させる磁気力には向きがあり、磁化していない物質は、その内部の粒子の磁気力の向きがバラバラで、結果的に打ち消しあっているような状態なのだ。
磁石を近くに置くと、物質内部の磁性は磁石側に向く。
それで物質は結果的に磁石となるのだ。
磁性の向きは、粒子の運動の大きさである熱にも左右される。
粒子が激しく動きすぎて、物質ごとに、磁性の向きを統一的に保ってられなくなる温度があり、物質ごとのその温度を『キュリー温度』と言う。
当然、永久磁石でも、キュリー温度まで加熱したら、磁石ではなくなる。
あるいはキュリー温度の時に、磁性の向きを合わせて、急速に冷やしたなら、その物質は永久磁石となるわけである。
自然生成された永久磁石は物理より、むしろ地球科学で重要な面もある。
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場とは何か?
電磁場の発生
真の意味での『真空(vacuum)』には電荷はない。
実際に真の意味での空っぽの、真空なんて存在しないかもしれないが、ここでは存在するものと仮定する。
そして、その真空のどこかに『荷電粒子(charged particle)』、つまり電荷を持った粒子を適当に配置したとする。
すると、その荷電粒子は、真空に『電場(electric field)』というものを形成する。
そして電場は場合により、『磁場(Magnetic field)』を形成し、それから2つの場は互いに影響を与えあう。
そこで、連動するそれら2つの場を、合わせて『電磁場(Electromagnetic Field)』と呼ぶ。
電磁場の力は、その「場」に働く。
ただし、電場と磁場はあくまでも、それぞれ独立したものとして扱われる事には注意。
しかし、場というのをどう解釈すればよいか。
力の及ぶ範囲なのか、それとも電磁気のあらゆる法則ルールの適用領域なのか。
多分誰にもわかってない。
ただ、そう考えれば上手く電磁気現象を説明できるという、ある空間内における場とやらの記述方法だけが知られる。
ベクトルとスカラー
場を記述するには、その場が広がる空間の一点一点に、そこで働く力を定義する。
場のどこにでも、電磁気の力は発生しうるわけである。
場の一点一点の何らかの力は、空間内のどこかの方向に作用する力であり、そのような働く方向がある量は『ベクトル』という。
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働く方向のない量は『スカラー』と言い、たとえば電荷量はスカラーである。
電荷自体は、場を形成するだけで、力ではないわけだ。
電磁気のような力は、働く方向があるので、ベクトルなわけである。
そして場とは、空間一点一点が、ベクトルかスカラーである状態と言える。
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一点一点はまた、ある瞬間の一点一点である事には注意しよう。
場の全体の模様。
一点一点のベクトルやスカラーの量は、時間と共に変化しうる。
ベクトル量の場はベクトル場、スカラー量の場はスカラー場という。
電流と磁場
空間内の荷電粒子の移動を『電流(electric current)』という。
磁場は電流が発生すると、その周囲に発生する。
それはまた、電場同様に、ベクトル場であるが、性質ははっきり異なる。
なぜ電流が流れると、つまり電荷が移動したら磁場が発生するのかは謎だが、とりあえずそういうものだと理解しておいて実用上は問題ない(コラム2)
電流により発生する磁場の強さ、つまり磁気力は、電流の量が多いほど強い。
そして、やはり距離が電流から離れるほどに弱くなる。
この電流と磁場の強さの関係を、『アンペールの法則』、あるいは『ビオ・サバールの法則』の法則と言う。
(コラム2)無限か、間違いか
どうしても、何か答えられない疑問は残る。
例えば、万物の現象を最小要素のヒモみたいな物質の振動による『超ヒモ理論』なんかは、全てを説明しつくす統一理論と言われる。
しかし、それが正しいとしたって、「じゃあそのヒモとやらは、素材がないのに、どうやって存在してて、どうやって振動したのか?」という謎が残る。
「超ひも理論、超弦理論」11次元宇宙の謎。実証実験はなぜ難しいか。
我々にわかる事は多分2つの事。
原因の原因の原因という風に、無限に続くか。
我々が何か根本的に謝った理解をしているか。
どっちかである。
「無限量」無限の大きさの証明、比較、カントールの集合論的方法
電磁気
ローレンツ力
空間内に荷電粒子が1個だけという状態は、場は広まっているが実際的には、何の力も働いてない。
なぜなら電磁場の力は、その場のどこかにある別の荷電粒子に作用するものだからである。
電磁気の力を場に引き起こすには、荷電粒子が2つ以上はいる。
そこで今度は真空に、荷電粒子を2つ設置する。
すると互いが形成する電磁場の中で、それぞれの荷電粒子は互いに力を受ける。
電場の中で荷電粒子が受ける力を『クーロン力』。
磁場の中で荷電粒子が受ける力を『アンペール力』。
そして両方を合わせた電磁場の力を、『ローレンツ力』という。
電圧
空間にもっと荷電粒子をばらまこう。
すると電荷1個1個から広がる電磁場の模様はカオスとなると予想出来る。
ただ、全体的にある程度安定し、空間の右側にプラス電荷、左側にマイナス電荷がある程度集まったとする。
その状態の部屋に、マイナス電荷の荷電粒子を新たに放り込んだらどうなるか。
容易に予想出来る。
その荷電粒子は、右側に引っ張られる。
では空間をより現実に近づけよう。
つまり陽子、中性子、電子は、基本的に結合し、原子の形をとってる。
さらに原子は集合し、分子の形をとる。
これら原子や、分子を結合させる力こそが電磁気力なのだ。
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そこが、荷電粒子がデタラメに配置された空間であろうと、我々に馴染み深い原子が物を構築してる空間であろうと、ある領域とある領域の電荷に差が生じる事はありえる。
その差を『電位差(potential difference)』、あるいは『電圧(voltage)』と言う。
導体と絶縁体
仮に電圧が生じた場合、その中にあった物質はどうなるか。
分子が大量に集まった、例えば人間のような巨大物質が電気力によって動くかというと、普通動かない。
原子内では、陽子と中性子に比べて、電子の結びつきは遥かに弱いのだ。
よって強力な電圧の中に物質を置いたら、電子が電圧によって、物質から引き剥がされたりする。
つまり電子の移動、電流が生じるわけである。
また、物質内の電子の結びつきの強さは、その物質や環境などによって変わってくる。
結びつきが弱いという物質内で原子から独立しているような電子を『自由電子(free electron)』という。
当然、空間内の自由電子が多い方が、弱い電圧で電流が発生するし、自由電子が多い物質は電流が流れやすい。
金属は基本的に自由電子が多いから電気が流れやすいとされるわけであり、そのような物質を『導体(conductor)』という。
逆に電子の結びつきが強く、電流が流れにくい物質を『絶縁体(insulator)』という。
『半導体(semiconductor)』とは、環境によって変化したりなど、導体、絶縁体の両方の性質を持つものである。
電流は、しかし電子が結果的に移動すればよいので、イオンなどが動いた場合でも生じる。
ただ、普通、実用的にエレクトロニクスなどに利用されるのは、イオンでなく電子である。
だからエレクトロニクス(電子機器)なのだ。
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電磁誘導と電磁波
電流は磁場を誘発する。
逆に磁場の強弱の変化は、電流を誘発する。
この現象は『電磁誘導(electromagnetic induction)』と呼ばれ、これによって生じた電流を『誘導電流(induced current) 』と言う。
「マイケル・ファラデー」逆転人生と逸話、場を定義した物理学者の伝記
ここで、電流によって発生した磁場が、電磁誘導により電流、つまり新たな電場を構築、その電場がまた磁場を。
というような事がありえるかもしれないと思えるであろう。
実際、それはありえて、そのような電場と磁場は強弱を変えながら空間を伝達するという。
それが通信技術などに利用される『電磁波(Electromagnetic waves)』という現象である。
これは文字通り、電場と磁場の波とされる。
また、電磁気の知見を4つの数式の形でまとめた、『マクスウェル方程式』より、真空を伝わる電磁波の速度は光速度と同じであるという結果が導ける。
「マクスウェル」電磁気学の方程式、土星の輪、色彩、口下手な大物理学者の人生
それで当然、現在は、電磁波はつまり光であると考えられている。
そしてマクスウェル方程式から導かれた電磁波、つまり光の速度の不変性から、相対性理論は考え出されたわけである。
「アインシュタイン」人類への功績、どんな人だったか、物理学の最大の発明家