「カヴァリエリの原理」錐体、球体の体積。半球と円錐の関係

三次元のよくある形

 長方形は二次元の形であるが、三次元空間において、「奥行きの要素(Elements of depth)」を付け加えた場合、「体積(Volume)」と呼ばれる、その全体の大きさは、面積が、奥行きの長さ分の量の合計と考えられる。
すなわち「面積×奥行き」、すべての辺が同じ長さAの三次元物体「立方体(cube)」なら、その体積は「A×A×A」となる。
「取り尽くし法」台形、三角形、円を、積分と極限で求める術四次元「四次元空間」イメージ不可能、認識不可能、でも近くにある  では、三次元での他の形はどうか。

 平面(二次元)においては、三角や円の面積を求めるのに、四角や円周率を利用するが、その三次元Verといえる「錐(pyramid)」や「球体(ball)」の体積や表面積はどのように求めるのか。

 ちなみに、(表面の)面の数から、立方体は6つの平面図形で囲まれた「六面体(hexahedron)」の一種。
三角錐は「四面体(tetrahedron)」である。

円錐、球体の公式

「低面積がX、高さがYの円錐の体積Vの公式」

V= X × Y × 13

「断面の半径がRの球体の体積Vの公式」

43 × π × R3

「断面の半径がRの球体の表面積Sの公式」

4 × π × R2

積分的な体積

 立体の体積は、その立体を細かく切り刻んだ極短い板の集合と言える。
つまり端の面がaとbの地点にある立体は、aからbまでの中での各位置における、立体の断面積Sを足し合わせたもの。
積分記号∫と関数表記f()を使えば以下のような数式として表せれる。

ab f⁡S dx

 例えば球体なら、それを平面に押し込んだ場合の直径の端と端をaとbとして、aからbまで細かく分けたすべての円盤の面積Sを足し合わせて、体積を算出できるわけである。
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カヴァリエリの原理

 平面の面積や、立体の体積に関して重要なひとつとされているのが『カヴァリエリの原理』である。
『不可分の方法(method of indivisibles) 』とも呼ばれるその原理とは以下のようなもの。

 高さが同じ二つの平面図形があったとして、その上下の辺と平行な線で、二つの図形を切り裂いた場合に、その切り口の長さが常に等しいなら、二つの図形の面積は等しい。
同じように、同じ高さの二つの立体図形において、その上下の面と平行に二つの図形を切った場合、 二つの立体の断面の面積が常に等しいならば、それらの立体の体積も等しい。

 このカヴァリエリの原理は、(平面の面積の場合においても、立体の体積の場合においても共通で有効な)板に分割して足し合わせる方法での数式から、当然のこととして考え出せる。

ab f⁡S dx

全体の見た目の形が違ってようと、aからbまでのすべての断面積Sが等しいなら、複数の立体の体積は同じ数値(体積)になるわけである。

四角錐と直方体

 立方体は、三つの「四角錐(Four sided pyramid)」に分割できる。
そうして現れる四角錐は、底面積の一辺と高さが等しいものである。
そこで、そのような四角錐は立方体(低面積×高さ)の1/3だとわかる。

 またその四角錐は(それに立方体も)、細かく区切った板の集合である。

 すべての面が長方形の立体である「直方体(cuboid)」は、基本的に立方体の面を伸ばしたものである。
つまり、構成板のひとつひとつが伸びたもの。
もちろん三つの四角錐にも分割できる。

 例えば、低面積がa×b、高さがcの直方体があるとする。
これはa×a×aの立方体の低面積をb/a引き延ばし、高さをc/a引き伸ばした形も同じ。
そしてそのような形から分割して得られる四角錐は、つまり、頂点から低面積のある一辺までの線と低面積が直角をなすような四角錐である。
そのような四角錐の体積Vを数式では以下のように表せれるだろう。

V= 13a3 × ba × ca =  13abc

 では頂点の位置が、底面のどの辺に対してもずれているような四角錐はどうかというと、四角錐の頂点を動かしても、それを構成するいくつもの断面積が動くだけ。
その面積自体の大きさは変わらない。
よってカヴァリエリの法則から、頂点がどこにある四角錐であろうと、直方体から分割して取れるなんらかの四角錐と同じ体積になることがわかる。
つまりそれらと同じ式で算出できる。

円錐、他のあらゆる錐体

 円というのは実用的には細かい正方形の集まりとみなせる。
そして円錐と四角錐の違いを決定付けているのは、底辺の形が円か長方形かの違いだ。
つまり円錐は、低面積ΔSの細かい四角錐の集まりと考えることができる。

 円錐を構成する四角錐の体積の式の、低面積ΔSをn倍して、円錐の低面積にすれば、それがそのまま円錐の体積を算出する式となる。
つまり、円錐の体積の式は、四角錐と同じというわけだ。

 また、円錐でなくとも、あらゆる「錐体(conic solid)」は、四角錐の集まりであるから、まったく同じように考えて、同じ公式が使えることがわかる。

球体のサイズを知る方法

半球とすり鉢は同じ

 底面の半径と、高さがRの円柱を、上部の円を底面として円錐の形だけくりとった、すり鉢状の形。
それに、底面の半径がRの半球があるとする。
どちらの立体図形も高さはRで同じである。
あとは適当な高さhでの断面積が同じなら、カヴァリエリの原理から、ふたつの図形の体積は同じということになる。

 高さhでの半球の断面は円の形になるが、すり鉢形の方は真ん中に穴が開いたリングのような断面となる。
とすると、その断面積は、「全体-中心の円」となるはず。
全体部分は、明らかに半径Rの円(π×R×R)である。

 すり鉢をもし、横でなく、縦に斬ったら、その(横からの)断面には、底辺と高さがRの直角二等辺三角形が向かいあっている形が現れる。
そして、その向かい合うふたつの三角形の内部にもまた、高さと底辺(上側の辺)がhの直角二等辺三角形を描ける。
つまり、すり鉢の高さhでの、断面積リングの中心円の半径は、常にh。

 つまりすり鉢の断面積は、常に

πR2  πh2 = π(R2h2)

 一方で、半球の高さhでの断面の円の半径rは、高さh、斜辺Rの直角三角形の底辺と見なせる。
そこで、その半径はピタゴラスの定理から以下の式を満たすrということになる。

r2 + h2 = R2

断面積自体は、「r×r×π」である。
そしてr×rは、「R×R-h×h」。
ようするに半球の高さhでの断面積は以下の通り。

π(R2h2)

つまり低面の半径がR、高さもRの円錐にくりぬかれたすり鉢と、底面の半径がRの半球の体積は同じということになる。
ここから球の体積も求めやすい。

 球を二つの半球として分けるとして、その低面積と高さの円柱の体積(π×R×R×R)から、その低面積の円錐をひく(実質的に円柱の体積を2/3倍にするのと同じ)
そしてそうして算出された半球の体積を2倍すれば球の体積となるが、それがまさしく公式である。

シグマデルタ小さな面積

 球体の表面積に関してはどうするか。
やはり表面積を細かい四角形ΔSの集まりとみなす。
すると、球の体積は大量の半径rの高さの細かい四角錐の合計と考えられる。
細かい四角錐ひとつの体積は「1/3×r×ΔS」、合計は「1/3×r×ΣΔS」となる(ΣΔSが表面積)。

 後は「体積(の公式)=1/3×r×ΣΔS」の式から、表面積(ΣΔS)の公式は導ける。

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