「日本の政治の仕組み」なぜ自民党は強いか?総理大臣は偉いか?

国会

法治国家

 あらゆる行政活動が法律に乗っ取って行われるのが『法治国家(Country with constitutional government)』
法治国家において、法律とはいわば国民の誰もに適用されるルールだが、その最も根本的、基本的なルールに当たるのが『憲法(Constitution)』である。

 現在の『日本国憲法(The Constitution of Japan)』は、第二次世界対戦後に詳細に定められたもので、一時期日本を統治していたアメリカの影響が強い。

 憲法において最も大事な事は「個人の尊厳」であるとされる。
そして個人の尊厳を守る為の三大原則が「基本的人権の尊重(Respect for fundamental human rights)」、「国民主権(Popular sovereignty)」、「平和主義(Pacifism)」である。

三権分立

国会、裁判所、内閣

 『立法(legislation)』とは法律を制定する事。
『司法(judicature)』とは定められた法律を実際に適用する事。
『行政(administration)』とは適用された法律に乗っ取った実務の事。

 『国会(national assembly)』のような、立法を担当する『立法府(legislative bodies )』(注釈1)
『裁判所(court)』のような、司法を担当する『司法府(judicial branch)』。
『内閣(cabinet)』のような、行政を担当する『行政府(government)』。

 立法、司法、行政という政治の役割、あるいは国家作用ごとに、それぞれの担当区画を専門の組織として独立させる。
そうしてお互いに監視しあう事で、不正や不公平をなるべく防ぐような仕組みの政治体制が、『三権分立(the separation of the three powers)』である。

 三権分立はフランス人が始めたものだが、今ではアメリカでも、日本でも使われている。

(注釈1)国会を英語で

 国会を英語で表現する場合、
日本の国会がthe (National) Diet。
アメリカの国会がCongress。
イギリスの国会がParliament。

選挙、国民審査

 日本は民主主義国なので、日本における三権分立はもちろん民主主義を前提としたものである。
民主主義「民主主義とは何か?」困った時には多数決 国会の議員は国民の選挙によって選ばれる。
また、日本の国会は、議案をより慎重に話し合うために、『衆議院しゅうぎいん(House of Representatives)』と『参議院さんぎいん(House of Councillors)』の二院制。

 裁判所は『違憲立法審査権いけんりっぽうしんさけん(Judicial review)』という、法律が憲法に違反していないかを調べる権利を持つ。
また、司法府の最高機関である、最高裁判所の裁判官は、『国民審査(Public review)』という国民のチェックをパスしなければならない。

 内閣は内閣総理大臣を代表として、各大臣が担当する各省庁を通じて、法律に乗っ取った政策(行政)を行う。

なぜ自民党の影響力が大きいのか?

 共通の政治的目的を持つ者達が集まって作られるのが『政党(political party)』という組織。
さらに選挙によって選ばれ、実際に政治に関われるようになった政党を『与党(ruling party)』。
まだ政治に関われる段階にない政党を『野党(opposition party)』という。

 政党自体を立ち上げるのは誰でも出来るが、法人化し国から活動費を援助してもらうには、いろいろと厳しい審査をパスしなければならないという。

 日本の国会において、自由民主党、つまり『自民党』は強い影響力を持つと言われる。
これは自民党がかなりの長期に渡り与党を続けているからだとされる。

 具体的に言うと、仕組み上、三権分立では、国会、裁判所、内閣の三つ巴のはずである。
だが内閣のトップである総理大臣は国会で選ばれる。
その国会に属する者に自民党が多すぎるので、実質的に総理大臣は自民党の者になる。
というわけで、自民党は国会にも内閣にも大きな影響を及ぼせる訳である。

地方自治体とは

 あらゆる都道府県、市や町や村に限定されるものの、国家政府と対等な関係で政治を行える組織を『地方自治体(local authority)』、あるいは『地方公共団体』と言う。

 自治体の主な仕事は、道路や水道などのインフレ整備や、保健所などの設置、運営がある。
都市計画などの規模の大きな政策を行うのは、都道府県の自治体である。

内閣のしくみ

総理大臣には何が出来るか

 内閣の仕事は、法律の実行。
外交関係の処理。
公務員の事務管理。
予算(国務に使う予定の金)と決算(実際の金の動きの記録)を国会に報告。
政令(法律の実行の為の命令)の決議なと。

 内閣のトップである内閣総理大臣の主な仕事は、国務大臣の任命と罷免(クビ)。
内閣の代表として議案や、活動記録などを国会に提出。
行政各部の監督などがある。

 また総理大臣は自衛隊を動かすための最高指揮権も持っている。

官僚とは何か

 政治政策に携わる役職の公務員を『国家公務員』とか『官僚(bureaucrat)』という。
特別な試験にパスし、最初からある程度出世の約束されている、いわゆるキャリア組の国家公務員は、『高級官僚』と呼ばれる。

 内閣官僚には、それぞれ所属する防衛省や財務省などの「~省」や、宮内庁や金融庁などの「~庁」と言った組織があるが、共通している仕事として、それぞれの省庁における予算案と法律案の作成、提出がある。
霞が関「中央省庁」一覧と役割。霞が関にて並び立つ行政機関

首相補佐官

 内閣総理大臣の政策に関して、進言したり、意見を述べたりする役職が、『内閣総理大臣補佐官』、あるいは『首相補佐官』である。
補佐官は、総理大臣自らに任命された者達で、いわばブレーン的な存在である。

 補佐官の定員は5人。

内閣官房

 内閣の仕事を行うのは、総理大臣と、各省庁の国務大臣たち、それに『内閣官房ないかくかんぼう(Cabinet secretariat)』という小部隊。
 
 内閣において総理大臣の次くらいに偉く、総理大臣の側近とも言われる内閣官房長官をリーダーとする内閣官房は、人手の足りない省庁を手助けする派遣サポーター的な人たちである。
また官房長官は記者会見など、広報の仕事もある。

 官房長官を補佐する役割である副官房長官は3人いて、法律で決められてる訳ではないが、事務担当1人、税務担当2人という構成。
政務担当は、まさに副で、官房長官がいない場合の代理などが役目。
事務担当は、官僚OBから選ばれるのが通例で、『事務次官等会議じむじかんとうかいぎ』を取り仕切り、長く内閣にいる者なので顔も広く、実質的な官僚のトップとされる。

 事務次官等会議とは、各省庁の代表が集まって話し合う会議。

日本版CIA(?)

 内閣官房の内部組織に、『内閣情報調査室(Cabinet Intelligence and Research Office。CIRO(サイロ)。内調)というのがある。
内閣の政策に関する情報収集などを担当する、いわばCIAのような諜報機関である。
ただ実際問題、本家CIAに比べたら規模があまりに小さく、とてもフィクションのようなスパイ活動を行えるような組織ではないという。

 また、内閣官房の内部組織として、『内閣衛星情報センター(Cabinet Satellite Intelligence Center)』に、『内閣サイバーセキュリティセンター(National center of Incident readiness and Strategy for Cybersecurity。NISC)なんてのもある。

 内閣衛星情報センターは「我が国の安全確保」を目的とした、『情報収集衛星』と呼ばれる人工衛星を使い、(特に災害や他国の攻撃などに関する)様々な情報を収集しているという組織。

 NISCは、まさに名前通り、国家へのサイバー攻撃などに対応するための組織だが、あまり役には立っていないという噂である。

国会とは何か

通常、臨時、特別、委員会、本会議

 国会は言うなれば法律について話し合う会議であるが、主に『通常国会』、『臨時国会』、『特別国会』の3つがある。

 通常国会は、1月から150日間続けられる、法律や予算を話し合う会議。
臨時国会は、内閣が求めたり、衆議院か参議院の議員の1/4以上の者が要求した場合に行われる会議。
臨時と言っても、普通に毎年のように行われているという。
特別国会は、内閣総理大臣を決定するための投票。

 また国会には、内閣の各省庁の専門分野などを話し合う為の『委員会』が置かれている。
議員全員が参加する会議を『本会議』と言うが、様々な議題が、この本会議で話し合われる頃には、すでに委員会の会議で実質決まっているという。
その為、実は本会議より委員会の会議の方が重要と言われる。

国民の要望、請願

 国会には、官僚とは別に、『国会職員』という人達がいて、情報収集や、法律を作る際のアドバイスなどを担当しているという。

 また全ての国民は、『請願(せいがん)』と呼ばれる要望や苦情を、国会に提出出来る権利を持つ。
請願はまず、内容を各委員会に審査された上で、多数決が取られ、話し合うべき内容と判断されたなら、議員の対象となる。
また多数決に関係なく、国会議員20人以上の要望があれば、議論対象となる。
その後、必要に応じて、請願は内閣に送られ、内閣は、それを元にどのような行動をとったかなどを、国会に報告しなければならない。