「魔術書、魔法の本のおすすめリスト」オカルト、神秘主義の源流を知るために

魔術書

魔法・魔術 (新紀元文庫―Truth In Fantasy)


 魔術というより、錬金術やヴードゥー呪術、陰陽術など、様々な魔術体系、魔術文化を、網羅的にまとめた本。
基本的には、広く浅くという感じだが、魔術知識の基礎的な事は学べるし、参考文献も多く紹介されているので、入門書として非常に最適。

 同シリーズの他の本に比べると、懐疑度が上がっているような気がしないでもない。
正確な記述を試みようという慎重さが上がっているとも言える。 
音楽魔術「現代魔術入門」科学時代の魔法の基礎

魔法事典


 魔術に関連する様々な事柄の事典。
魔術に関して広く浅く、という意味で言うなら、この本はトップクラスかもしれない。
複数の著者が分担して書いているようだが、あまり項目ごとに、文章の差異は感じられないので、連続して読みやすい感じ。
というか、事典というと、全体ではかなり膨大な内容の本のようであるが、わりとそうでもなく、文章もあまり硬くないので、普通の本のように読めると思う。

 ただ、項目は、あいうえお順でなく、(国とか、起源とかで分けた)ジャンル順の方が良かったような気はする。
まあ、事典なんで仕方ないのだろうけど。

錬金術:おおいなる神秘 (「知の再発見」双書)


 このシリーズは基本的にそうなのだけど、参考図が多いので、雰囲気をイメージしやすい。

 錬金術そのものより、錬金術思想がいかに生まれ、変異してきたのか、その歴史がメイン。
しかし、錬金術の根本にある思想を理解するにはうってつけなので、歴史にはあまり興味ない人にも、むしろオススメ出来る。

 つまり錬金術の実践のやり方を学びたい人でなく、錬金術という秘技が実際どのようなものであるのか、そのものの知識を得たい人によい。
しかし数学などの問題が、ある問題と答を丸暗記するより、なぜそうなるのかをしっかり理解した方が、応用にも対応出来るように、魔術においても、結局(なぜそうなのかの)思想を学ぶのは、結局は真の理解への近道であろうと思われる。
錬金術「錬金術」化学の裏側の魔術。ヘルメス思想と賢者の石

魔女狩り (「知の再発見」)


 魔女狩りとは何だったのか。
魔女とは、昔の人々にとってどのような存在であったのか。
という事がテーマ。

 ヨーロッパの歴史の中で、魔女狩りがなぜ行われるようになったのか。
なぜ魔女はなぜ殺されねばならなかったのか。
その歴史が学べる。

 これは魔術を実際に学びたいという人より、魔術の歴史。
後、秘密結社や異端宗教なんかに興味ある人にもおススメできる。 
何より、魔術を扱ったファンタジーを創作する人にはよい資料となると思う。
魔女狩り「魔女狩りとは何だったのか」ヨーロッパの闇の歴史。意味はあったか

魔導書ソロモン王の鍵


 ソロモンの鍵とは、世に実際に流布していた魔術書であるが、これはその本そのものではない。
しかし、それらの魔術書を参考とした、実践的な魔術の指南書ではある。
ソロモンの鍵自体の解説もあるし、それは典型的な魔術書であるので、単純に、魔術書というものが、どういうものか興味がある人にもオススメである。

 ソロモン、 あるいはその名を借りた何者かが使役したという、72柱の悪魔に関しても、参考の絵とともに紹介されてるので、悪魔に興味がある人にもよいと思う。
悪魔召喚「ソロモンの72柱の悪魔」一覧と鍵の基礎知識

占星術完全ガイド―古典的技法から現代的解釈まで


 現代占星術の様々を網羅した本。
占星術体系のみに内容を絞った本は、案外珍しい。
成り立ちから現在の考え方までその歴史の流れを知れるし 色々な流派における、ホロスコープの考え方の違いなども丁寧に説明されている。

 とにかく、占星術に興味のある人は、まず読めというような内容。

 実践的なことに興味がなくても、個々の惑星に与えられた典型的な意味。
あるいは、占星術と、現代的な天文学との関わりについても学べる。
占星術「占星術」ホロスコープは何を映しているか?

魔術―理論と実践


 高名な魔術師であった、アレイスター・クロウリーが書いた魔術の本。
本格的な魔術の指南書というよりは、学術書、解説書という雰囲気で、魔術とはどのようなものであるのかを書いている。
ただし、タイトルに実践ともあるように、わりと具体的な記述も普通にある。

 この本は難解だ、という人も多いが、なんか書き方自体は、ポピュラーサイエンスに似ているような気がしないでもない。
つまり、妙に例え話が多い。
そもそも原書からして、秘密結社の暗号めいた的な書き方がされているらしいが、クロウリーの、真に学びたい人には、しっかりと理解してもらおう、という意気込みは感じれる。

 後は、クロウリーは創作にもよく使われてる人なので、その本人の思想を知るのにもよい。
クロウリー「アレイスター・クロウリー」666、法の書の魔術とは何であったか

神秘のカバラ


 この本の著者であるダイアン・フォーチュン自らが言っていることだけど、彼女はクロウリーとの親交はないらしい。
しかし彼女は、クロウリーが所属していた魔術結社「黄金の夜明け団」に自らも入会し、大きな影響力を持っていたとされている。
神秘のカバラは、そんな彼女が、タイトル通りに、カバラの魔術体系を一通り紹介した本。

 英語がわからないままに、魔術を学ぼうとしている人は、よく魔術関連の本が英語ばかりである事を残念がる。
翻訳されている本もあるが、果たしてどこまで信用できるのか不安な人もけっこう多いようである。

 ただ、フォーチュン曰く、 基本的に魔術とされている秘技の体系を、最初に記した書は、ほぼ全てヘブライ語、あるいはギリシャ語で書かれたものだそうである。
つまり英語の時点で、どこまで信用できるかもわからない翻訳なのだという。
彼女自身は、英語以外の言語を自分が知らないということを、正直にこの本で認めている。
我々も、そんなことを気にするよりも、まず学んでみるのが、よいのかもしれない。
カバラ「カバラ神秘主義」セフィロトの樹の解説と考察。神様の世界創造魔術

最後の錬金術師カリオストロ伯爵


 有名なオカルト研究家コリン・ウィルソンが、「一般的に詐欺師と言われているが、実際に調べてみると、最も本物のようである魔術師」と評した事もある、魔術師、あるいは詐欺師である、カリオストロ伯爵の伝記。

 かなり淡々とした書き方で、カリオストロと関わった様々な人達が、彼をどのように考えていたのかの記録や考察も多い。
少年時代から、その晩年まで、カリオストロという、ひとりの魔術師の、破天荒だった生涯を描いていて、 単純に冒険小説のような面白みがあると思う。

 著者自身は、カリオストロの伝記が、基本的に、彼を魔術師としてか、詐欺師としてかのどちらかに傾いているものばかりなので、その、どちらでもないようなものを目指したのだという。
わりと上手くいってると思う。
そういう訳で、魔術師としての彼を知りたい人も、詐欺師としての彼を知りたい人も、とにかく読んでみるのがよい。

 カリオストロ伯爵という人物は、ほんとに魔術師だったにせよ、実は詐欺師だったにせよ、中世以降の典型的な魔術師のような方なので、単に、実在の魔術師というのはどういう人物なのか、興味がある人にもオススメである。
シチリアの街「カリオストロ伯爵」典型的魔術師モデル、世紀の詐欺師の生涯の謎

オカルト


 コリン・ウィルソンその人の本。
魔術を扱った彼の本としては、最高傑作であると思う。

 魔術自体については、実践的なことというよりも、理論や心構えのようなものが、中心に解説されているような感じがする。
しかしながら、この本の最大のおすすめポイントは、まず間違いなく、膨大な資料を参考とした魔術の歴史の解説である。
魔術の歴史というか、魔術師と呼ばれた歴史上の人物の伝記集のような感じなのだが、高名な魔術師達だけあって、なかなか波乱万丈な人生ばかり、普通になかなか面白い。
別に魔術なんて一切信じていないという人でも、ファンタジー小説のように楽しめると思う。