「アメリカにおける人種差別の根」虐げられた者たちの声は届いたか

アメリカ国民の最大の罪

 数学者で、超常現象批判でも知られるマーティン・ガードナー(Martin Gardner。1914~2010)は、その代表的著書である「In the Name of Science(奇妙な理論)」で、「アメリカ国民の最大の罪は、言うまでもなく有色人種への差別」と書いている。

 アメリカ合衆国という国は、独立した時点からすでに、奴隷労働者として連れてこられたアフリカ系黒人や、 黄色人種のネイティブアメリカン(アメリカ先住民族)が、広い大地に共存している国だった。
アメリカ独立 「アメリカの独立」宣言書、13の州、先住民、戦争により自由を
そしてその初期から、白い肌の人間が、そうじゃない人種に比べていかに優れているのかを証明しようとする本やパンフレットが、多く書かれたという。
その根拠は、古くは、聖書の記述などをそういうふうに解釈する宗教的信念であった。
それが19世紀半ばくらいからは、進化論や、遺伝子論を利用したものへとシフトしていった。
十字架 「キリスト教」聖書に加えられた新たな福音、新たな約束

力や知恵を持っていることが優れていることか

 (倫理とか道徳なんてのを無視するとしても)今日、まともな進化論教育をしっかり受けた者は、多くの人たちを支配する立場になった侵略者や、力や知恵を持つ人などが、本質的に優れた存在だとは考えないはずである。
おそらく支配的立場にあって、そのことがその人の生存(例えば安定した生活など)や、自分の遺伝子の次世代への引き継ぎ(例えば多くの|妾《めかけ》とか)に有利なら、それはそういう弱肉強食社会という環境において、よく適応しているというだけの話である(注釈)
「ダーウィン進化論」自然淘汰と生物多様性の謎。創造論との矛盾はあるか 小さな領域 「利己的な遺伝子論」進化の要約、恋愛と浮気、生存機械の領域
 もちろんこの宇宙の根本的な基本ルールが弱肉強食なのだというのなら、その環境に適応している者こそ優れた生物といえるかもしれない。
だが、そればかりが戦いのルールでないことは、人間が自分たちよりもバカだったり、力がないと思っているすべての生物の繁栄度を見れば明らかに思われる。
虫取り網 「昆虫」最強の生物。最初の陸上動物。飛行の始まり。この惑星の真の支配者たち

(注釈)なぜ男の方が支配したがるのか

 普通に考えて、安定した生存はともかく、遺伝子に関しては、支配者になった場合の優位性は、女より男の方が原理的に高いと思われる。

 子作りにおいて基本的にオスが行うのは、子種(精子)をメスに提供するだけのことで、胚への栄養補給などの負担はすべてメスにかかってくる。
このことは、相手にできる異性の数と、実際に作ることができる子供の数の相関性の度合いに強く関係しているだろう。
男は、たくさんの女を相手にできれば子供をたくさん作れるが、女の場合たくさんの男を相手にしても作れる子供の数はすぐ打ち止めになる。
卵 「胚発生とは何か」過程と調節、生物はどんなふうに形成されるのかの謎
 つまり支配者になった場合、遺伝的優位性の上昇率が高いのはたいてい男のはずである。
安定した生活などに関しても、おそらく女の場合、支配者を誘惑して、お気に入りの妾になるだけで十分な可能性もある。
どうも男の方が支配欲が強かったり、女の方が権力を持っている異性に魅力を感じやすいらしいのは、こういう理由からだと考える向きもある。
美人のファッション 可愛い子はずるいのか?「我々はなぜ美しいものが好きか」 天使の恋愛 人はなぜ恋をするのか?「恋愛の心理学」

黒人に魂はあるかという議論

 20世紀までに多くあったらしいのが、「黒人に魂があるのかどうか」という議論であった。

 チャールズ・キャロル(Charles Carroll)の『黒人は野獣(The Negro a Beast)』は、まったく恐ろしいキャンペーンの一例にすぎない。
1900年に出版されたこの本は、「知識ある人が、黒人がいかに白人に仕えるための存在であるのかということを証明する1冊」として、少なくとも翌年に「黒人が獣?(Is the Negro a Beast?)」という反論本が書かれるくらいには、影響力を持っていたとされる。
この本はようするに、「黒人というのは高等な人間ではなく、下等な獣だが、それは元々奴隷として作られている存在なわけだから、そういう方面では我々の役にも立つ」というような主張らしい。
倫理学 「人間と動物の哲学、倫理学」種族差別の思想。違いは何か、賢いとは何か
 キャロルはどうも、聖書において、カインの妻が誰かわからない問題(彼が妻を得た時に存在している女は、彼の母親であるイブだけのはずだった)に関して、黒人の召し使い女が犯人と推測したそうである。
そして、下等な存在の血が混じった有色人種たちが生まれたのだという。
ユダヤの寺院 「ユダヤ教」旧約聖書とは何か?神とは何か?
 キャロル曰く、「人間は、獣である黒人との間に産んだ子には、魂の創造性のごく一部でも伝えることが原理的に不可能」。
よって、人間と獣の雑種である有色人種は、魂を持たないのだそうだ。

 キャロルの語る話は、キリスト教世界において、ずいぶん長い間、白人が優れていることの根拠として語られていた話の典型とされている。

優生学という凶器

 20世紀になると、宗教というものはずいぶん影が薄くなってしまっていた。
神秘主義的な発想を信じない者はどんどん増えていった。

 そして、理由はともかく、人種間の間にどうしても優劣をつけたいと願う人たちは、その根拠を求める場として、急速に発展していた科学界に目を向けた。

 『優生学ゆうせいがく(eugenics)』という言葉を最初に使ったのは、チャールズ・ダーウィン(Charles Robert Darwin。1809~1882)の従兄弟にあたる、フランシス・ゴルトン(Sir Francis Galton。1822~1911)だそうである。

 優生学というのは、グレゴール・メンデル(Gregor Johann Mendel。1822~1884)の法則における「優性遺伝子(dominant)」とは特に関係はない。
「メンデルの法則」分離、独立、優性、3つの法則とその例外。遺伝子地図
これは、「悪いとされる遺伝を消したり、良いとされる遺伝ばかりを子孫に伝えようという試みである」。
今これは、個人の意思としては問題がないとされている。
例えば、胚の時点での遺伝子検査で、明らかに病気のあるものを、選択的に排除したりするような行為である。
いわゆる「リベラル優生学(liberal eugenics)」というやつだ。
ようするに、どのような子供を産むかというのは、個人の自由というわけだ(注釈2)

 優生学の方法は、農業などにおける品種改良を、人類に適用した方法とも言われる。
また、優生学的な考えはかなり古くからあるという。
昔の人も、蛙の子は蛙だと知っているし、子が親に似るのは普通に見られる現象であるから。

 優生学的思想は、20世紀初頭くらいには、かなり広くにわたって支持されていたとされる。
ただ、特定人種の優位主義と、そのような新しい時代の科学が合わさった時、それは世界中で大きな悲劇となった(注釈3)

 ようするに身体あるいは精神の障害者、犯罪者、IQ(知能指数)が低いと診断された人たちなど、遺伝的に劣っていると考えられた人に対する「断種だんしゅ(sterilization。強制不妊手術)」。
結婚禁止などの社会的制限。
一方で、優秀とされている人たちには生殖活動が推奨される場合もあったという。

 そして優生学政策は、人種差別の助長にもなり、戦争や虐殺の理由の一部でもあったわけである。
また、優生学的思想の影響はおそらく今にも強く残っている。
誰かを差別してしまう理由に関して、その対象の親が基準になっている場合は普通によくあるのでなかろうか。

(注釈2)デザイナーベビー

 多くの人にとって恐ろしい話ではあるだろう。
このリベラル優生学が目指している到達点は、受精卵の時点での遺伝子操作によって、親が望んでいる通りの存在となる「デザイナーベビー(designer baby)」とされる。

 だが、誰も彼もが、自分の子供を超天才としてデザインするようになったら、世界はどうなってしまうのだろうか。

(注釈3)ホロコースト

 最も典型的な例が、ナチスドイツのユダヤ人大虐殺であろう。
ヒトラー(Adolf Hitler。1889~1945)は、ドイツという国で大きな力を持った権力者であったが、人種差別的思想に取り憑かれていて、徹底的な差別政策を行ったとされている。

 「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)」の発生原因は、単にヒトラーという個人だけにあるのでなく、ヨーロッパ社会で積み重なってきた、反ユダヤ主義という名の、差別思想の暴走と見る向きもある。

ウォーカーの訴え。自由を求めた声の一例

 アメリカ合衆国という国の独立日は、1776年7月4日とされている。
デビッド・ウォーカー(David Walker。1796~1830)は、それからたった20年後の人にすぎない。

 彼は黒人であったが、奴隷として生まれたわけではなかった。
彼の父親は奴隷であったか、母親は自由人であったためらしい。

 反奴隷制活動家として彼は、アメリカにおけるアフリカ系の人のための初めての新聞メディアである『フリーダムス・ジャーナル(Freedom’s Journal)』に、『ウォーカーの訴え(Walker’s Appeal)』という全四部の記事を載せた。
それは、彼がその生涯の中で見てきた、特に合衆国南部地域での奴隷制の実情の紹介。
それに、世界中でひどい扱いを受けていた有色人種たちへ、立ち上がって戦おうという訴えであったという。

 ウォーカーは記事で、「アメリカ合衆国の有色人種は、天地開闢以来、どんな異端国家もなし得なかったほど冷酷無比な仕打ちを、白い肌のキリスト教徒たちから受けている」とまで述べた。

イスラエル人の奴隷時代よりも酷い

 ウォーカーは、聖書の出エジプト記を度々引用して、エジプトで虐げられていたユダヤ人たちも、今の自分たちに比べればどれだけマシだろうかということを、比較して語っている。

 彼は言う。
「イスラエル人(ユダヤ人)は土地を与えられていた。だがこの国では、汗水たらし必死で働いた黒人がようやく購入できた狭い土地すら、白人に簡単に奪われてしまう。 不動産を所有している黒人の男が死んだら、彼の妻や子供達は悲しむことは許されるが、残された不動産はすみやかに白人のものとなる」
強く訴える。
「キリスト教徒を名乗る博愛主義者を自称する者たちよ。お前たちが読んできたどんな宗教や歴史の本の中でも、エジプト人がイスラエルの民達に向かって、「お前たちは人間ですらない、それ以下の存在だ」なんて罵ったことがあるのか?」

言葉より行動が語っている

 なかなか博識なことに、歴史もいくらか引用している。

「古代ギリシアのスパルタ人は、奴隷であるヘロットに過酷を敷いたというが、我々が、アメリカ人たちに与えられている苦痛に比べればマシだったろう。
古代史の中のどこに、スパルタ人がヘロットを鎖で拘束し、親子を、夫婦を、そして母親から幼い子供を引き離し、国の端から端まで引きずり回すというような記述があるだろうか。
それにヘロットは、一応は国内で乱を起こしたという、奴隷にされる口実はあった。
だが、我々に関しては、先祖たちが、アメリカ人に、永遠の奴隷となる罰を与えられるくらい、ひどいことをしたというような歴史なんてない」

 また、差別してるつもりなんてないという者たちにも、強く語る。
「 言葉より行動が語っているではないか。
ギリシア人もアイルランド人も、悲惨な時に、食料をアメリカから与えられた。
だが彼らは、アメリカ人のためには何も仕事をしなかった人たちだ。
一方で、アメリカ人のために何世代にもわたって金銀を掘り続け、 その血と涙によって、アメリカ人たちとその子供たちを裕福にした 我々は、世界で最も悲惨な状況に追いやられ、アメリカ人としてすら認められない」

白人がどう思おうと、黒い肌を誇りに思う

 合衆国第3代大統領でもあったトマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson。1743~1826)も、白人優位主義者だったことがよく知られている。
彼は奴隷制には批判的だったが、それは、黒人も先住民も排除した、白人の国アメリカを理想としていたからともされている。

 ウォーカーは、深く教養ある人物のはずのジェファーソン氏までが、「神が黒い肌の人間まで作ってしまったことは不幸なことだ」というように考えていたことに関して、残念とし、彼に対する反感をかなりあらわにしている。

 彼は、「白人達がどう思ってようと、自分たちは黒い肌を誇りに思っているし、そう作ってくれた神様に感謝してもいる」とも述べる。
これに限らず、自分たちの境遇を理不尽としながらも、決して白人に生まれたかったのだと言わない者が多かったのは、人間という意思が、いかにプライドの強い存在であるかを実感させる。
コネクトーム 「意識とは何か」科学と哲学、無意識と世界の狭間で

支配を望んでいるなんてバカげてる

 ウォーカーは、自分がそんな記事を書こうと思ったのは「白人達は、彼らの悲惨で苦痛に満ちた支配のもとで、私たち(有色人種)が満足していると思っているから」というようにまで書いているが、今多くの人には、本気でそんなことを白人たちが信じていたということが信じがたいだろう。
仮に、有色人種が本当に人間以下の獣なのだとしても、一方的に理不尽な支配を喜ぶと考えるのは、いくらなんでもバカげてやしないだろうか。
それとも白人たちは、重度のマゾ的性癖も有色人種の特徴と考えていたのだろうか。

 また、時代を考えると、「白人は我々を、猿かオラウータンの子孫だと言っている」という一節は、ちょっと興味深い。

神はいつまでこんな行為を許すか

 デビッド・ウォーカーは氷山の一角である。

 まだ、黒人が生まれつき奴隷になることを神に定められているのだと、真剣に信じる白人が多かった時代(こういう言い方は、さすがに大げさじゃないかと思ってしまうが、それくらい酷い時代だったという)
自由を求め、戦うしかないと演説し、文章を書いた黒人は、アメリカの歴史の中で大勢いる。

キリスト教徒として

 多くの者たちは、少なくともキリスト教徒として語る。

 白人の卑劣な行いを告発し、いつまでも神がこんなことを許すはずがない。
いつか、世界中にキリスト教の愛が広まった時、その時に神の声を聞くのが、白人でないことだけは間違いない。
いつまでもこんなこと続けられない、人は学び賢くなる(白人が賢くなって自らの過ちに気づくとする説と、黒人が賢くなって自らを救う説がある)

 今は苦難の時であっても、それは神の試練であり、いつかは正義があり、悪は滅びる。
というような考え方は、ユダヤ教派生の宗教の、基本的性質の1つである。

もはや戦うしかない

 誰も彼も忍耐強すぎる。
もはや我々の世代で自由を得るためには、戦うしかない。
血を流さないですむ方法などもはやない、というような訴えも目立つ。

 戦いの訴えは、黒人というより、黒人男性に向けられていることも多い。
「自分の娘たちが奴隷監督者の欲望を満たすためだけに生まれてきたというふうに振る舞っている」
「自分の気高い母や姉妹が娼婦になることを強制されてる」
「愛する妻が抱擁からもぎとられ、目の前で辱しめられる」
それを無気力に受け入れる男たちに、「それでも男か」と訴えるわけである。
こういう点に関して、優生学的思想が広まる20世紀以前に、多くの国で(少なくとも法的に)奴隷解放がなされたのは、不幸中の幸いと言えたろうか。

 もし白人と有色人種の立場が逆だったならというような考察も時々ある。
その場合、基本的に、どんな有色人種でも、今の白人ほど卑劣なことはできないと、強く断言している。

複数回の年公民権法

 第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln。1809~1865)による、「奴隷解放宣言(Emancipation Proclamation)」は1862年9月のことだったとされている。
しかし、当然のように差別は終わらないどころか、すべての奴隷がすぐさま解放されたわけでもない。

 「法の前のすべての男性の平等」、「すべての市民の市民的および法的権利の保護」をうたう『公民権法(Civil Rights Act)』と呼ばれる法律は、複数回制定されてきた。

人種や肌の色で差別があってはならない

 一番最初のものは1865年。
南北戦争を直接のきっかけとして生まれたとされる。
第17代大統領であるアンドリュー・ジョンソン(Andrew Johnson(1808~1875)は、拒否権を行使したが、結局議会の過半数により、この法律は大統領の署名なしに、1866年、成立したそうである。
これは、合衆国において、議会が主要立法案に関して、大統領の拒否権をくつがえした初めての例ともされている。

 1866年の公民権法を書いた、ライマン・トランブル(Lyman Trumbull。1813~1896)は、奴隷制の禁止継続のための法律であった『アメリカ合衆国憲法修正第13条(Thirteenth Amendment to the United States Constitution)』を書いた1人でもある。

 立法過程で、「人種、肌の色、または以前の奴隷状態を理由に、公民権または免責めんせきなどに関して差別があってはならない」という条項が削除されたりもしているという。

 重要なことは1866年以来、合衆国では、人種に基づいて雇用や住居などを差別するのは法的に禁止されているという事実である。
しかし、肝心の、差別されていた有色人種たちが、法的支援を受けるためのアクセスがかなり限られていたために、実質それほどには役に立っていなかったろうと考えられている。

差別の恩恵を受けている者たちの反発

 1875年の公民権法は、公共施設や機関などにおける人種差別の禁止法ともされる。
肌の色や人種を理由に、公共サービスが拒否される場合を犯罪とする法律である。

 ただ、個人の選択の自由を侵害していると反発する白人は多かった。
よくわかりにくい話ではあるが、どうも、奴隷制を禁止するという法律は、差別化の意識とは何の関係もなく、それは問題ないというような理屈らしい。

 結局、1883年10月に、最高裁判所は、1875年公民権法を憲法けんぽうに反していると宣言。
それは無効となった。
そして、再びの公民権法は、1964年まで待つことになる。

 1964年の公民権法は、1950年代以降に合衆国内で活発化した公民権運動を背景としている。
この法案は、第35代大統領のジョン・F・ケネディ(John Fitzgerald Kennedy。1917~1963)が提案したとされているが、彼はそれが提出される前に暗殺されてしまう。
しかしケネディの後を継いだリンドン・B・ジョンソン(Lyndon Baines Johnson。1908~1973)大統領が、それを提出し、可決される流れとなった。
これは実質、1875年公民権法の復活であったともされている。

状況は本当によくなっているか

 つまり、現在のアメリカ合衆国では、法的には、黒人はアメリカ国民として認められ、黒人だからといって差別することは禁じられている。
ただ、実際的には人種差別は、まだまだ大きな社会問題として残っていることは、誰の目にも明らかであろう。

 しかし、デビッド・ウォーカーの時代に比べればずいぶんマシになったのだろうか。
相対的に言えばマシになっていることは確かと思われる

 2009年1月20日は、おそらくアメリカの独立記念日と同じくらい永久に記録されるだろう記念日である。
それは、有色人種初のアメリカ大統領が誕生した日。
ジェファーソンはかつて、アメリカにおいて、黒人がそういう地位になれないのは、抑圧されているからでなく、本質的に能力がないからだ、と語ったという。
今や、彼が間違っていたことだけは、ほぼ間違いない。

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