「チャールズ・フォート」UFO、超能力、オカルト研究のパイオニアの話

チャールズ・フォート

偉大なる最初のフォーティアン

 チャールズ・ホイ・フォート(1874~1932)は、おそらく史上最も有名な、超常現象研究家の一人である。
熱烈なファンも多く、オカルトマニア以外に、科学者やファンタジー作家、SF作家への影響も大きいと言われる。

 原因不明の超常現象などの研究や、 そういうのを研究する人のことをフォーティアンと言うが、これは偉大な彼の名にちなんだ用語である。

 しかしながら、実は彼は、生前はかなり無名だったようである。
しかし「フライング・ソーサー(空飛ぶ円盤)」という言葉が誕生した1947年に、彼は注目され、超常現象研究のパイオニアとして、広く知られるようになった。

科学の敵の科学

少年時代と、放浪の経験

 後に「科学の敵」とも評されるフォートは 1874年に、ニューヨークのオランダ移民の家庭に生まれた。
あまり幸せな子供ではなかったらしい。
父親からはしょっちゅう殴られ、彼は権力への敵意を強く持つようになった。

 彼は18歳で家を飛び出し、世界を放浪した。

 そしてある日、彼は寝たきりだった隣人に、自分の旅の経験の話をした。
しかし、隣人はまったく興味を持ってくれなかった。
実はその隣人も若い頃に旅をしたことがあるのだという。
しかし、過去の経験が永続的な価値を持つことになったのは、部屋に引きこもってからだったと隣人は語った。
フォートは強い感銘を受けたという。

火星の地球支配。南極の邪悪な文明

 20代の前半の時にフォートは、手に入れることのできた、ありとあらゆる科学に関する書物を読み、その当時、科学的に誤りではないとされていたものを、25000ほど、自分のノートに記録した。
だが彼は、それらを自分の求めていたものではないと感じ、焼却してしまった。

  彼はそれから、世界中のあらゆる新聞や雑誌から、自分の気になることをひたすらにノートに書いていき、1915年から、それらノートに書いたことを参考とした、「X」に「Y」という二つの本を書き始めた。

 Xは「地球の生命は、火星の出来事と連動していたり、あるいは火星の生物にコントロールされていたりするというような説の研究」。
太陽系 「太陽と太陽系の惑星」特徴。現象。地球との関わり。生命体の可能性
Yは「南極に邪悪な文明が存在するという証拠を挙げていく」というような内容だったらしい。
「地球空洞説」空の内部の構造、秘密の地下通路ネット、重力のパターン、極の穴の謎
 ただし、出版社はそれらの本に興味を持ってくれず、フォートは失望のあまり、それらの原稿もまた燃やしてしまったという。

呪われたもの

 三作目の本であった「呪われたもの」は、 それを気に入ってくれた友人の作家セオドア・ドライサーの推薦もあって、ついに出版されることとなった。

 呪われたものは、非常に難解な本とされていた。
現代科学への批判が大量に書かれていることはわかりやすいのだが、問題はその書き方が一貫しておらず、時には詩のような流れになったりもしていた。

 とにかく彼は科学的という言葉を嘲笑っていたようだ。
科学者たちが、無視したり、隠蔽したりする、説明できなかったり、自分たちの学説に都合の悪いデータを、フォートは「呪われたもの」と書いた。
そういうことである。

彼の日常

 彼はどうも引っ込み思案でおとなしい男で、毎日毎日机に向かってばかりいたらしい。
基本的には妻と二人だけの生活で、外出することはほとんどなく、また彼に会いに来る訪問者もほとんどいなかった。
午前中は家で仕事、午後は図書館で過ごしていた。

 そして毎日毎日、世間に知られることなく、この世界のあちこちに溢れかえる不可思議現象を考察し、時代の先を行くような様々な仮説を発案していたのだ。
その想像力は、ベルヌやウェルズにも負けてなかったかもしれない。

 呪われたもの以降、 彼はその生涯を終える時まで、いわゆるオカルトに関する様々なテーマで、本を書いた。
UFOやポルターガイスト現象や超能力。
靴が勝手に 「ポルターガイスト現象」正体と原因、音、動き、精神科学、三つの実話例
サイキック 超能力の種類研究。一覧と考察「超感覚的知覚とサイコキネシス」
超古代文明や超科学やシーサーペントのような謎の怪物。
『シーサーペント』目撃談。正体。大海蛇神話はいかに形成されたか

いくつもの荒唐無稽な仮説

 フォートの提唱する仮説は、現代的な観点から見れば、荒唐無稽なものばかりである。
 当時と してもわりとそうかもしれないが、似たような仮説が未だに根強く一部の人達の間に残ってるというあたりが、凄いというべきか、呆れるべきなのか。

謎の光は異星人の乗り物か

 UFO学の分野に、フォートが与えた影響は非常に大きいと考えられている。
空飛ぶ円盤という、典型的なUFOのイメージが誕生する1947年より数十年前。

 彼は、世界各国の空で、謎の飛行物体が目撃されていることにすでに注目していた。
謎の光や黒い物体が、突如スピードを上げたり、ホバリングしたりした記録をとっている。

 彼は、それらの飛行物体が異星人の乗り物ではないかと疑った。
1947年の人々の多くが、それらを敵対する国の兵器でないか、と考えたいたらしいことと比べると、その発想力の高さがわかる。

 フォートはまた、UFOの目撃が一部の地域に集中的に発生することがある、という発見もしている。

 異星人については、もしも地球の自分たちより優れた技術を持っているのなら、地球にその姿だけを映像として投影することが可能なはずだと、フォートは考えていた。
つまり彼は、古くから目撃されている悪魔とか天使とか、いわゆる霊の類は、もしかしたら異星人ではないかとも考えたわけである。

テレポーテーションによる説明

 フォートは「テレポーテーション(瞬間移動)」という言葉の発案者としてもよく知られている。

 例えば、本来の生息地とはかけ離れたところから発見された生物。
それに、空から降ってくるはずのないものが降ってくる「ファフロッキーズ(怪雨)」と呼ばれる現象。
あるいは、ほっといて自然にできる感じではない地形。

これらの現象について、彼はテレポーテーションというひとつのアイデアのみで、説明をしつくした。

 フォートは、テレポーテーション能力は、本来自然界に存在する現象、あるいは生命体が持つ能力の一つであると考えた。
 例えば、地球などのある領域に生命体が広がっていく場合に、テレポーテーション能力というのは普通に利用される。
しかし移住可能なところ全てに生命体が広がり、個々に定住を開始すると、その力は必要性を失い弱まる。
しかし完全に消えるわけではなく、ある種の痕跡のような感じで、ランダムに発生を続ける。

 テレポーテーションは、自然界のバランスを取るために発生する場合があるかもしれないとも、フォートは考えていた。
ファフロッキーズのような現象は、どこかでその生物が繁殖しすぎたために、余分な者たちが他の場所へとテレポーテーションした、というようにも説明できる。

進化論への反論

 フォートは、生涯にわたりダーウィンの進化論に懐疑的だったようである。
「ダーウィン進化論」自然淘汰と生物多様性の謎。創造論との矛盾はあるか
しかし彼は、生物が姿を変えることはありえないと考えていたわけではなかったようだ。

 彼は、地球の人間というのはどこか遠く(例えば他の惑星)からやってきて、地球人となったか、あるいは地球人の種を蒔いた。
変化する力を持つ、もともと地球にいた動物たちの中には、これらの優れた生命体たちに自分たちを似せようと考える者もいた。
 そうして、チンパンジーやゴリラのような、人間に似た生物が誕生したのだという。
チンパンジーの足跡 「チンパンジー」人間との比較、ニホンザルとの比較。どこに違いがあるか
ゴリラ 「ゴリラ」種類と生態、本当は肉嫌い(?)なコング

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