「ドイツについて」グリム童話と魔女とベートーベンの国

ドイツ

地理と地形

 ドイツはヨーロッパの中央部に位置する、デンマーク、ポーランド、チェコ、オーストリア、スイス、フランス、ルクセンブルク、ベルギー、オランダと隣接した国。
ドイツ「ドイツの成立過程」フランク王国、神聖ローマ帝国、叙任権闘争。文明開化 
国土の大きさは、日本と同じようなものだが、ドイツの方がやや小さいとされる。(日本が38万平方キロメートルで、ドイツが36万平方キロメートルくらい)

 ドイツの南は、ヨーロッパを横切る広大なアルプス山脈に含まれる地域で、海抜が高い。
北の方はバルト海や北海と接する低地。

ブロッケン山。ツークシュピッツェ。ライン川。ドーナウ川

 有名な『ブロッケン山』は中部のハールツ山脈で最高峰な山(約1142メートル)。
国土全体での最高峰の山は、ドイツのバイエルン州とオーストリアのチロル州の国境にある『ツークシュピッツェ』(約2962メートル)。

 『ライン川』は、全長1300キロメートルを越えるという川で、スイスのアルプス地域のトーマ湖から、ボーデン湖、ボーデン湖からドイツ、フランスの国境沿いを北上し、オランダからワール川とレク川に分岐して、北海へと流れていく。
ボーデン湖は、ドイツ、オーストリア、スイスの国境に跨がる湖。

 ドイツ、フランスの国境沿いのシュヴァルツヴァルトの山中から東に2900キロほどの『ドーナウ川』は、オーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビア、ルーマニアを経て、黒海へと流れている。

 ドイツは北側が海に接し、南が山脈地帯で、全体的には傾斜になっている地形なので、たいていの河川は南から北への流れになっているという。

ロマンティック街道

 バイエルンのヴェルツブルクから、フュッセンまでの350kmほど道を指した名称。
古来よりこんな名前で呼ばれてたんでなく、バイエルンの観光局が、観光客向けに考えだした名前である。

 ローテンブルク、ディンケルスビュール、ネルトリンゲン、アウクスブルクなど、中世の面影残る町々を楽しむ為の、まさしくロマンティック街道。
 また町と町の間にも、麦畑やとうもろこし畑、それに教会の塔などが、古きよき時代を思わせてくれるという。

 ヴェルツブルクはフランケンワインというワインの産地。
また、8世紀頃には、大司教がいて、中世には芸術の町としても栄えたという。
市長も務めた彫刻家のリーメンシュナイダーは、農民の反乱を支持した為に、彫刻家にとって重要な手指を折られたとされている。

 ローテンブルクのドイツ犯罪博物館では、残酷な処刑具などが展示され、ヨーロッパ中世社会の闇を垣間見れるという。

 アウクスブルクは、金融と商業を大規模的に支配したというフッガー家の居住地として知られる。

 そしてアルプス山麓であるフュッセンは、有名な『ノイシュヴァンシュタイン城』へと続いているという。
この城は中世騎士道に憧れていたバイエルン王ルートヴィヒ2世(1845~1886)が、ワーグナー(1813~1883)の歌劇に影響を受けて造ったもの。

グリム童話。ブロッケン現象と魔女。ヴァルプルギスの夜

 『子供と家庭の為の童話集』で有名な、グリム兄弟、ヤーコプ(1785~1863)とヴィルヘルム(1768~1859)はドイツ、ヘッセン州のハーナウという町の出身である。
『グリム童話集』とも呼ばれる、この物語集は、一応グリム兄弟の創作でなく、いろいろな地域を旅し、集めた昔話集である。
 特に、『ハーメルンの笛吹き男』や『ブレーメンの音楽隊』の話はよく知られ、愛されてる。

 またブロッケン山でよく見られるという、『ブロッケン現象(Brocken spectre)』は、散乱された太陽光が、虹の環のようなものを観測させる現象。
そこに映ったりする様々な影と合わせて、『ブロッケンの妖怪』の名でも知られる。

 ブロッケン山は、魔女と縁深い事でも有名で、5月1日の前夜は、この山にて、世界中の魔女達が集まり集会を開くのだという。
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それは『ヴァルプルギスの夜』とも言われる。

契約社会。ゲーテのファウスト。赤ずきん。白雪姫

 伝統的にはヨーロッパは契約社会と言われたりする。
現実にはともかく、ドイツの文学世界などには、その色が強く滲み出ているともされる。

 例えば有名なゲーテの大作であるファウストは、悪魔メフィストフェレスとファウストの契約の物語を描く戯曲である。
ファウストは、伝説的な魔術師でもあるが、ゲーテの描くファウストのイメージは、本来のものとは大きく異なるともされている。
 また、ゲーテは希代の天才作家とされるが、そのゲーテをして、ファウストは半世紀以上を費やさせた、わりと凄い作品である。
ずる賢い悪魔との契約や、パラケルスス的な四大精霊の歌など、魔術ファンタジーのお手本のような作品でもある

 グリム童話の話も、やはり契約的要素は強い。
 『赤ずきん』は、道草しないという母との約束(契約)を破った為に、赤ずきんは狼に食べられてしまい、後に助け出された時、もう約束は破らないと反省する。
 『白雪姫』は、小人達からの注意(契約)にも関わらず、継母に騙され、毒リンゴを食べる事になってしまう。

 契約は重いものなのである。

マルティン・ルターの聖書とドイツ語

 ドイツ語は、インド・ヨーロッパ語という、古代言語の派生のひとつと考えられている。
かつて、マルティン・ルター(1483~1546)は、聖書をドイツ語訳しようと考え、見事に実行し、神の教えを市民にも広めた。
このルター訳の聖書が、現在標準語とされるドイツ語の原型になったとされている。

 アルプス地帯の方が『高地ドイツ語』、低地の方の『低地ドイツ語』とする分類があり、これは、意志疎通が困難なほどに異なっているという。

 ドイツ語が公用語として話されてる国は、ドイツ以外には、オーストリア、スイス、ルクセンブルクなど。
また、イタリアやフランスやベルギーなどは、地域によってはドイツ語の使用者ばかりだという。

カール・マルクスと社会主義

 カール・ハインリヒ・マルクス(1818~1883)は、ドイツ、プロイセンのトリーア出身。
彼はボン大学、ベルリン大学で、法学から歴史や哲学など、幅広く学んだという。

 彼が後に打ち立てた政治経済学的な思想は『マルクス主義』と言われ、後の世に大きな影響を与えた。

 マルクスはドイツ出身だが、その思想は、イギリスやフランス、そしてロシアに広がり、そしてソ連的な社会主義を生み出したとされる。

 しかしながら、結局ソ連は崩壊し、マルクス主義は死亡したと見る向きもある。

バッハ。ベートーベン。偉大な音楽家達

 ドイツ中部チューリンゲンのアイゼナハには、ルターが聖書を翻訳する際の隠れ家としたヴァルトブルク城がある。
そしてまた、この町は、有名な音楽家であるヨハン・セバスチャン・バッハ(1685~1750)の出身地でもある。
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 また、ドイツは、バッハと共に、歴史上最も重要な作曲家とされるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン(1770~1827)も輩出している。
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ボンという町の出身である彼は、オーストリアのモーツァルト(1756~1791)を師と仰ぎ、十代の頃からその才能を開花させたという。
 ベートーベンが特に好んだモーツァルトの曲は『魔笛』であったとされるが、この曲はよく知られた秘密結社フリーメーソンの儀式をテーマにしているという。
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ベートーベンはモーツァルトへの敬愛を込めて、この曲を主題とした作品も書いているという。

 ベートーベンが書き残した9つの交響曲は、今では全人類の共有財産とまで言われている。

職人の国。ギルド。マイスター制度

 ドイツは職人の国と言われる。
これはドイツ製品が、日本製と同じく、丈夫で壊れにくいというイメージからではない。
むしろドイツ製品が立派だというイメージが、伝統的な職人文化からきているのだという。

 ドイツでは中世の頃(おそらく12世紀頃)に、『ギルド制度』や『マイスター制度』というのが始まったとされる。
ギルドとは、職人達のコミュニティで、一人前中のさらに一人前が、マイスターと呼ばれたのだという。
 職人を目指す者は、10歳くらいから、ギルドの師の元で学び、5年くらいで一人前となる。
それからさらに実務経験を重ね、試験に合格する事で、ようやくマイスターになれたのだという。

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