「黒魔術と魔女」悪魔と交わる人達の魔法。なぜほうきで空を飛べるのか

月夜の魔女

邪悪な魔術、黒魔術とは何か

黒魔術と白魔術の違い。目的による分類

 魔術の代表的な二つの分類として、『白魔術』、『黒魔術』というのがある。
 白黒で異なっている力という訳ではなく、単に善き目的に使用されるのが白魔術。
悪しき目的に使用されるのが黒魔術師という事らしい。
 ただ、特に善き目的(誰かを助けたり)という訳でもないが、別に悪い目的(誰にも迷惑をかけてない)に使用する訳でもない魔術はなんと呼べばよいというのか。
個人的には、勝手に『灰色魔術』と呼んでいる。

 灰色魔術を使う灰色魔術師は、おそらくは元々魔術師の家計でない、独学の一代魔術師に多い。
また、それで何かをやってやろうとかそういう考えなしに、単に知的好奇心を満たす為に魔術を学ぶ者も灰色っぽいが、そういう人達は、魔術師でなく、『魔術学者』と呼ぶべきかもしれない。
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魔術で何が出来るか。天使と悪魔の力

 魔術というのは、特殊な力、というよりは特殊な技のようである。
生命体が元々持っているけど、上手く扱えない力を、上手く利用するのが魔術の基本らしい。
つまり選ばれし者だけが持つ特別な力、ではないという事だ。
誰もが秘めた力を引き出す秘技なのである。

 では、魔術で何が出来るのか?
これに関しては、例えば、占い
天候の操作。
病気の治療、授与。
隠れ家「パラケルスス」錬金術と魔術を用いた医師。賢者の石。四大精霊 精神操作。
飛行など、様々である。

 しかしそれらみたいな事が出来る技とはいかなる原理なのか。
なんでそんな事が出来るのか?
魔術師自身の力でなく、天使や悪魔などの霊的存在の助けを借りたものも多いという。
大天使ガブリエル「天使」神の使い達の種類、階級、役割。七大天使。四大天使。  天使や悪魔が実際にいるという訳ではなく(もしくは実際にそのような存在がいるかどうかというのは問題ではなく)、しかしいるかのように、それらをあたかも使役するかのように魔術を行う事が出来る。
 特に現代の魔術師は実用主義。
彼らにとって大切なのは、そのような事がなぜ起こるのかでなく、正しいやり方、手順さえ学べばそのような(神か悪魔の技のような)現象を起こせるという事なのである。
悪魔召喚「ソロモンの72柱の悪魔」一覧と鍵の基礎知識

自然災害も流行り病も黒魔術?

 自分で黒だと名乗る魔術師などほぼいない。
不吉な鳥。
カラス「カラス」都会に紛れ込む生態系。ガーガーカーカー鳴く黒い鳥 嫌われものの虫。
台所「ゴキブリ」人類の敵。台所の黒い絶望の正体 とにかく黒はイメージが悪い。

 中世の西洋では、自然災害や流行り病は、だいたい黒魔術師のせいにされたという。
ただ、だとすると自然というのは魔術師の物なのだろうか?
火星とか木星とかで起きる自然現象も魔術による物なのか?
多分当時の人はその辺り、深く考えていない。

 また、菌やらウイルスやらが呪いによって人にかかるのか、そういうの自体が呪いなのかも知られていないが、多分前者であろう。
そういう奴らは、もしかすると小さな悪魔なのかもしれない。
理科室「微生物の発見の歴史」顕微鏡で初めて見えた生態系  キリスト教が圧倒的権力を握っていた地域などでは、魔術師とはつまり黒魔術師であり、黒魔術師は弾圧されていた事もあって、白魔術師に助けを求めようとした者は少ないと考えられる。
十字架「キリスト教」聖書に加えられた新たな福音、新たな約束  しかし魔術には、魔術による攻撃(つまり呪いなどを)を防ぐものもあるという。
仮に流行り病などが魔術の呪いによるものなら、犠牲者達は、助けてくれなかった神よりも、白魔術師達に頭を下げるべきだったのだろう。

(注釈)真っ白な時代

 おそらく古代の、つまり初期の魔術師はみな白魔術師であった。
古来魔術師を名乗っていた者達が行っていた魔術は、病気の治療や雨を降らせ農作物の成長を促すなど、人助けばかりとされているからである。
 ただどのような力も使いよう。
治療が出来るなら悪化させる事も出来るのではないか。
雨を降らせるどころか嵐を起こせば、弱い生命供など吹き飛ばせるのではないか。
そのような考えを抱く者が現れた時に、素晴らしい真っ白の時代は終わったのであろう。

魔女とは何か。定義。能力。伝説。なぜ悪魔を崇拝してるとされてるのか

魔女術。魔女。男性の魔女。ウィッチ。ウィザード。ウィッカ

 黒魔術師は、魔女と呼ばれる事もあるが、この魔女という言葉はなかなか定義がややこしい。
魔女はwitch(ウィッチ)の訳語とされる。
 英語圏でも、男性の魔術師をWizard(ウィザード)、女性の魔術師をWitchと使い分ける事もあるようだが、Witchは男女関係なしに使われる場合もあるという。

 つまり黒魔術師は魔女術。
あるいは黒魔術としての魔女術の使用者は女性に限られない。
それで、男性の魔女もいるという話になる事がある。

 現代には、自分達は善の為にしか魔術を使わぬ白魔術師だとして、witchでなくwicca(ウィッカ)と名乗る者も増えたという。

魔女狩りとは何だったのか。悪魔との契約者を増やしただけの悪夢

 魔女術が霊的存在との契約で成り立つというのは、キリスト教の司教達の身勝手な妄想だったという説がある。
有名な魔女狩り(魔女、つまりは魔術師を殺した後は、その財産を没収出来るという大事業だったらしい)をしたいが為だったという説である。
 また、魔女狩りという行為が、悪魔や、悪魔の契約という概念を世に広め、悪魔崇拝者の数を増やすのに役立ったというのは、まず間違いない事実である。

 契約の儀式として、魔術師は自らの持ち物の一つ(衣服の一部とか)を悪魔に差し出し、悪魔は魔術師の肉体に印(動物型や昆虫型など様々であったらしい)を刻んだという。
この印は魔女狩り裁判において、魔術師である証拠として使われた。
 ただ当時のキリスト教の連中は、そういう印をつける為の道具まで用意していたらしいから、そもそも本気で悪魔の存在を信じてたかも怪しい。
 ただ、圧倒的大多数の司教達が欲に目が眩んでたのは確かだろうが、中には真剣に危険な魔女を探しだし、殺していた者もいたのかもしれない。

 魔女狩りで対象にされた者達は、まるで悪魔の手先か奴隷か騙されているような存在である事が多い。
しかし実際には、魔術師は普通、悪魔(もしくは天使)のような霊的存在の力を借りる事はあっても、決して下手には出たがらない。
むしろそのような存在を使役して、自ら達が主人になろうとする事が多い。

 魔女術の定義はといえば、悪魔を崇拝することにより得られる魔術体系という事になろうが、そうだとすると、魔女術は考えだして広めたのは、おそらくキリスト教徒達である。

魔女集会。サバトとは何か

 魔女集会(サバト)は、魔女の最も大きな悪行と言われる。
このサバトというのは、どうもカトリック(キリスト教)のミサに対応するものと言われる。
 全ての魔女(あるいは魔女と関わりのある者)が自由参加であるが、参加チケットとして、墓から掘り出した死体が必要らしい。
これは子供、特に自分の子供ならよりよいとされるが、何がよいのかがよくわからない(待遇がよかったりするのだろうか?)。

 死体は、王座に居座る魔王に捧げられるとも、焼いて食ってしまうとも言われる。

 サバトでは十字架を踏みつけ、悪魔の尻に口づけ、神をけなす。

 サバトでは多分ないが、単に魔女の集会なら、ドイツのブロッケン山など、特定の場所では、毎年行われてるらしい。
ドイツ「ドイツ」グリム童話と魔女、ゲーテとベートーベンの国  また、魔女(主にウィッカ)の祭礼は年8回だという話もある。
ユール(冬の祭り)
オイメルク(近づいてくる春を祝っての祭り。インボルクとめや言う)
エオストル(春の祭り)
ベルテーン(暖季を迎える時を祝う。ブロッケン山で毎年行われてるのは、この祭り。ワルプルギスの夜とも言われる)
夏至祭(楽しい夏のめでたい日で、妖精達も森でダンスパーティーを開催するという)
ラマス(収穫祭)
秋分祭(秋の祭り)
サムヘイン(寒季を迎える時を祝う。ハロウィーンの原型のようである)

(コラム)生け贄を作る術

 文化的、心理的な問題と言ってしまえばそれまでかもしれないが、悪魔や天使や魔術というのも、この地球上に存在する機構なのだとしたら、ひとつ疑問があろう。
それは自分の子供とは何かという問題である。
 例えばそれは、自分の生殖細胞が関連している誰かの事なのであろうか?
 仮にそうだとしよう。
例えば今は、代理出産により、自身の生殖細胞が関わってない、まさしく他人の子を生む事が出来る。
そうして生まれた子の母は、出産には関わっていない卵子を提供した女性という事になる。
 仮に生殖細胞繋がりが、親子を判断する基準ならば、父親も、その子を自分の子と言って問題なくなる。
つまり、自分の子に対する関連性において、父母に差はない。

 ここでひとつ。
パラケルススなどの幾人かの有名な錬金術師(魔術師)は、自分の精子のみから、ホムンクルス(人造人間)を作れると記録している。
隠れ家「パラケルスス」錬金術と魔術を用いた医師。賢者の石。四大精霊 錬金術「錬金術」化学の裏側の魔術。ヘルメス思想と賢者の石  また、クローン技術などがもっと手軽になれば、自分の細胞を持った子を、大量に作り出せるようになるだろう。
 恐ろしい話だが、サバトに出席する為の生け贄となる子を、気軽に用意するような魔女など、想定出来る。

魔女の箒。魔女の軟膏

 魔女といえば、箒に乗って空を飛ぶイメージがある。
天使や悪魔は空を飛べ、さらにあらゆる姿に変身出来るらしいので、この空を飛ぶ箒というのは変身した天使か悪魔なのかもしれない。
実際は(飛ぶ奴は)箒だけでなく動物などに乗って飛ぶ事もあるようなので、少なくともいくつかはそうなのだと考えられる。

 死体の脂肪などを原料とする『魔女の軟膏』と呼ばれる薬があり、これを内股に塗ると、飛べるようになるという話もある。
この魔女の軟膏というのが、一種の幻覚剤のようなもので、箒は単にそれを内股にこすり付ける為の物という説もある。
つまりサバトとは、幻覚剤を利用した、乱痴気パーティーのようなものだったという説。

魔女の使い魔。なぜ黒猫か

 使い魔として、魔女は、猫や、ヒキガエルや鶏、ネズミフクロウなどを使役するとされる。
これらは、下級悪魔が姿を変えたものらしいが、よくインプと呼ばれる。

 使い魔こそが魔女と契約した悪魔であり、実は使い魔側こそ魔女を使役しているという説もある。
 あるいは、魔女に使役される下級悪魔は、魔女と契約した、より、上級な悪魔から与えられたもので、魔女が悪の道から離れないよう、監視の役割も帯びているとされる場合もある。

 特に魔女の使い魔としてイメージが強いのは黒猫であろう。
これは猫が身近な夜行性の動物だからと思われる。
特に黒猫は闇に溶け込み、その目を光らせ、ついでに単独行動を好む。
いかにも月夜に怪しげな儀式などを行う魔女の相棒としてイメージしやすい。

 しかし真っ黒が闇に最も溶け込めるのかというと、これは疑問。
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