海妖。日本古来の幽霊船か
海をゆく船の前に現れて、その前方に立ちはだかる、海妖は、おそらくは幽霊船の類。
それにぶつからないようにと、自分たちの船を曲げてみても、その妖怪船は常に前方に立ちはだかる。
しかし、もうぶつかろうという時、その船は蜃気楼のように消えていく。
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さらに、船が消えた後は、大きな火の玉がいくつも現れるとか、空が白くなるだとか言われる。
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一反木綿。赤い血の恐怖の木綿
一反とは、長さ、面積の単位で、だいたい31×31メートルくらいのサイズ。
この妖怪、一反木綿はかなり細長いようである。
よく夜間に徘徊するというこの妖怪は、いかにも無害そうな、ひらひらとした木綿の見た目とは裏腹に、人を襲うとされる。
人の首に巻きついたり、顔面をおおったりして、その息の根を止めるそうである。
一反木綿に襲われた人が、それを斬ったという話もあるが、血しぶきが飛んだという話であるから、正体は木綿でもないのかもしれない。
朧車。朧月の鬼車
人は恨みを抱いて死んだ後に、亡霊になったりするとも言われるが、物に宿るケースも多いようである。
霧や靄に包まれ、妖しく光るような月を、朧月と言うが、そんな朧月が光る夜に、 車輪が軋むような音がしたと思ったら、現れるのが、この朧車である。
車と言っても、巨大な鬼の顔がついたような、異形な姿であるという説もある。
中世の日本では、牛車が場所を取り合う「車争い」というのが、よくあったらしく、そういう時に発生した遺恨が、このような妖怪を生むに至ったとも言われている。
雲外鏡。どこにも描かれていない文字を映す鏡
鏡というのは古くから、とても神秘的なイメージの道具であった。
なればこそ、三種の神器のひとつとしても鏡はあった。
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特に丸い鏡は、太陽や月の象徴となり、魂のようだと考えている人も多かった。
かつて、魂は丸い、というのが通説だったのである。
鏡が 妖怪となるのかそれとも 鏡に妖怪が乗り移るのかは定かではないがとにかく人が寝静まった頃に雲外鏡はその姿を表すのだという。
古くは、鏡に反射させた光で壁を写すと、どこにもそんなものが存在していないような文字が浮かんだりとか、そういう話がある。
おそらく、そのようなことができる鏡が、雲外鏡なのだと思われる。
瓶長。水を自在に操る水瓶
古くなった水瓶が化けて出た妖怪だという。
その見た目も、水瓶が目と鼻を備えたみたいな感じとも言われるが、体が人間みたいだという話もある。
水を自在に操る能力を持ってるようで、中の水が永久に尽きることのない水瓶だともされている。
伝承が全然なく、おそらく創作されたものと考えられているが、そうだとすると、ある種のユーモアのように言われる。
妖怪は、いたら恐いものだが、こいつは欲しいものだ。
白溶裔。ぞうきんだから匂う
廃墟などによく出現するという、白い、小さな龍のような風貌の妖怪。
この、白溶裔の正体はボロ雑巾とされている。
だからこの妖怪は、触るとヌルヌルとしてて、非常に臭い匂いを放つらしい。
人を襲う説もあり、その場合、人を不快にさせる粘液も放つとされる。
板鬼。人を叩きつぶすもの
鬼が化けたものという説もある。
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一見は普通に木の板だが、伸び縮みしたり、ふわふわと飛んだりするという。
恐ろしい事に、この板鬼は突然に現れ、人をつぶしてしまうようである。
昔ある夏の日に二人の侍が、話をしながら、夜ふかしにふけっていた。
するとふと謎の、突き出た板が目についた。
かと思えば、それはどう考えても普通の板でない。
2、3メートルほどの大きさにまで伸びて、浮遊し始めたのである。
二人の侍は、さては姿を変えた鬼かと思い、刀を構えた。
しかし板は、格子の隙間を通って、別の部屋へと入っていった。
二人が恐る恐るその部屋に来てみると、その部屋に泊まって寝てた5人の客は、平べったく潰されて、死んでいていた。
板はもう、影も形もなかったという。
イジャロコロガシ。転がってくる笊
竹や針金などを網目状に編んだ、半円形の調理器具である笊。
イジャロコロガシのイジャロとは、この笊の事らしい。
しかし、笊を転がす妖怪というわけではなく、転がってくる笊の妖怪だという。
この笊妖怪は、人の前に転がってきたと思ったら、人の形になるようだ。
笊に化けて 転がってきているのか。
それとも人の姿に化けているのか
紙舞い。日本で起きたポルターガイストか
神無月(旧暦の10月)にしか現れないとも言われる、 風もない中、ひとりでに飛ぶ、紙の妖怪。
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正確には、紙の妖怪でなく、紙を飛ばす妖怪なのだろうか。
1枚の紙でなく、飛ぶ時は大量の紙が舞うと言われるし、この妖怪が現れた場合、だんだんと、紙以外のもの、家中の様々なものが飛ぶようになるともされている。
昔の日本で起きたポルターガイスト現象なのかもしれない。
傘化け。風を操れる、破れた古い傘
幽霊傘と呼ばれる事もある、傘の妖怪。
破れた古い傘が化けたものともされる。
この傘の妖怪は基本的には一つ目で、巨大な舌をだして、笑うらしい。
一本足があって歩く、というような話もある。
風を操れるというような説もあるが、これが、かなりの強風を起こせるとも。
逆柱。逆さに立てられた恨み
大工が家を建てる際、木の柱を、誤って逆さに立ててしまった時などに、逆さに立てられた恨みを持って、逆柱は生まれるとされている。
逆柱はまた、不吉な事が起こる前兆ともされていて、それが出現すると、近く火災などが起きたりするのだという。
一方で、あえてこの柱を使い、災いを遠ざけたという話もある。
逆さに建てられた柱からは、葉っぱ妖怪というのが現れる事もあるらしい。
これは、家の人の夢の中に現れたりして、脅かしたりするとの事。