コーカサスのアルマスティ。ネアンデルタールか
アジア中部のかなり広範囲に及ぶ地域に、毛むくじゃらの原始人、ひょっとしたら、絶滅したとされる、ネアンデルタール人などと呼ばれる人たちが、生き残っているのではないか、という噂がある。
アルマス、アルマスティ、カブタール、クシジイクなど、地域によって呼び方は異なるが、基本的な特徴は、一致しているという。
どうも、身長は170cmくらい。
腕が長くて、足が短く、体は、赤っぽい褐色の毛で覆われている。
また、胸骨がやや突き出し気味で、鼻が平べったいらしい。
齧歯類、トカゲ、果実を食べる
彼らの記録は紀元前から存在しているという話もあるが、根拠は薄い。
ちゃんとした報告のうち、最初期のは、1914年、ロシアの動物学者ハクロフによるものとされる。
彼によると、「原始人は、山岳地帯の氷河から、砂漠に至るまでのあらゆる環境に生息しているようだ。彼らの主食は、ネズミやハムスター、 ハタリスなどの齧歯類だが、時々はトカゲや果実なども食べる。寝る時には顔を地面につけて横たわる」
哺乳類の分類だいたい一覧リスト
ただしハクロフのこの話は、一般的に、科学的な重要性はないとされている。
ソ連の調査委員会
20世紀中頃に、ソ連は、原始人の噂の真偽を確かめるべく、調査委員会を設けたという。
特にコーカサス地方において、かなりの情報が集まったそうである。
コーカサス地方では、アルマスティと呼ばれる原始人は、少なくとも、ソ連が存在した時代には、わりと普通に知られていたようで、 驚くべきことに、彼らが奴隷として使われていた記録もあったらしい。
原人奴隷と、その子供
1880年頃。
トゥクヒナに存在した小さな集落の、とある家で、ザナと名付けられた原始人の女奴隷がいた。
首筋たくましく、鼻はぺしゃんこだった。
彼女は、どうも捕まえられたようで、拘束具をつけられ、棍棒で痛みを覚えさせられ。次第に抵抗する意欲を消されていった。
やがて、簡単な仕事に使われるようになった彼女は、村の何人かの男と関係をもち、子供も産んだ。
ところが最初の子供の時に、おそらく彼女は、水浴びさせるつもりで、赤子を冷たい川で殺してしまった。
以降、新たに彼女が産んだ何人かの子は、彼女から離されて、しっかり無事に成長したらしい。
後に、旧ソ連の研究者のグループが、彼らの遺骨を発見。
その中には、ザナの孫の頭骨があり、 調べてみたところ、ネアンデルタール人にいくらか似かよっていたという。
ヒマラヤの原人。イエティとは関係あるか
ヒマラヤのイエティといえば、かなり有名な未確認動物である。
「イエティ」ヒマラヤの猿人伝説。隠れ潜む雪男
イエティは、猿人系の類であるが、決して我々のようなヒトではない。
ところが、ヒマラヤには、イエティとはまた違う、普通の原子人的な人が、少なくとも、二十世紀の末頃まで生き残っていたらしい噂がある。
先に述べたアルマスティと同じ類の人たちなのかもしれない。
1981年1月から、およそ14ヶ月をかけて、インド陸軍の探検隊は、 ヒマラヤ山地を踏破した。
その途中であったとされる。
彼らが、その謎の原始人達と出会ったのは。
探検隊が出会った、裸で火を知らぬ人達
1982年2月頃。
探検隊は、チェタク峠付近の、標高4600mの地点で、 モンゴル人らしき顔つきの、裸の女性2人と出会ったという。
逃げようとする2人の女性を、探検隊はいったん捕らえ、身振り手振りで、意思疎通をし、なんとか自分達は無害であると納得させたのだという。
この時、探検隊の者と2人が会話したという話もあるが、いったい何語で話したのかはわからない。(コラム)
とにかく、女性らの信頼を勝ち取ったらしい探検隊は、彼女らの住居である洞窟に、案内されたという。
そこでは彼女らの仲間の男たちがいて、探検隊に、一晩泊まるようにすすめてきたという。
しかし、寒い雪山で裸というのも驚きなのに、彼らは火も使わなかったらしい。
探検隊長のチョウハン大尉の報告によると、「彼らは火というものを知らないようで、生肉を食べていた」という
(コラム)世界共通語
英語だったら、めちゃくちゃ笑えるが。
まあ、よく考えたら、あながちバカな話でもないだろう。
イエティ探索に来た、イギリス人かアメリカ人が、偶然関わりをもった、その原始人たちに、自分たちの言葉を伝授した可能性だって。
アフリカの原人達
原住民達の目撃
フランスの民族学者、ジャクリーヌ・ルンゲール・エベルアルトは、 1966年以来、マサイ族、サムブル族、ハム族などの、 アフリカ原住民に関する研究に長く携わった。
そうするうちに彼女は、ケニアの原住民から、謎の原始人を見たという報告を何度も聞いたという。
興味を持って調べ、目撃者達とも直に面接し、彼女は、その原人に関する記録をまとめた。
おそらく東アフリカの森には、謎の人間達が複数種類いる。
原人と呼ぶに相応しいような者もいれば、現代人と、見かけはそう変わらない者もいるという。
カクンダカリ。白い血液の小人
カクンダカリと呼ばれる原人は、かなり小柄で身長は80cmくらいの身長。
彼らはカニが好物なようで、よく、川でとったカニを、木の葉で作った袋に入れている姿が目撃されるという。
その血液は白色だという話もある。
1957年にはひとりのカクンダカリが捕らえられて、見世物にされたが、逃げてしまったらしい。
キコンバ。怪力の長髪巨人
イトゥリの森に住むという、キコンバ、あるいは、ムラフと呼ばれる原人は、白い髪の毛か眉毛が異常に長く、顔をまともに見れないほどだという。
身長は2mをこえる大型で、怪力で、怒りっぽく、現地では恐れられる存在とされる。
1938年以来、キコンバを調査した探検家のアッティーリョ・ガッティは、森で、何者かに殺害されていた外国人の遺体の、爪と歯の間にひっかかっていた謎の毛を採取。
調べてみたが、 その毛は、知られているどんな動物とも違っていた。
一度、キコンバを直に見たガッティは、「腕は太く、黒褐色の体毛は逆立っていた。白く長い頭髪でほぼ見えないその顔は、おそらくかなり大きかった」と述べている。
マダガスカルの声なきオンバス
アフリカ南東部沖のマダガスカル島は、巨大なロック鳥の伝説などでも有名な地域である。
ロック鳥。ビッグバード。鳳凰。コンガマト「未確認動物としての巨鳥、怪鳥」
そのマダガスカル島には、オンバスという原始人たちが暮らしているという。
オンバスは、普通にヒトらしい人達のようだが、喋れないらしい。
基本的には裸で、毛が長く、皮膚が白い。
身長は170cmくらいで、数百人程度の少数民族のようである。
彼らは木を叩き、その音によって、仲間達とコミュニケーションをとるとされる。
1984年の夏に、民俗学者で映画監督の、フランソワ・グザヴィエ・ペルティエは、マダガスカルの森で、その音を聞いた。
ある方向から、コンコンコンというような音が聞こえてきたかと思うと、別の方角から、同じような音が同じようなリズムで聞こえてきたらしい。
地元の人が、それはオンバスの立てる音だと教えてくれたという。
シベリアのチュチュナー。より古い人達か
二十世紀中頃くらいまでは、よく目撃されていた、シベリアの森林に住むという、原始人。
具体的には、シベリア、ヤクーツク自治共和国ベルホヤンスク地域の森に、おそらくは生きていたらしい。
彼らはチュチュナーと呼ばれ、ソ連科学アカデミーのヤクーツク支部、言語文学歴史研究所がまとめた報告によると、「その身長は2m以上あり、痩せ気味で、素早く動き、生の肉を食べる」という。
チュチュナーは、喋ることができないが、甲高い叫び声をあげるとされる。
また、ベルホヤンスクは、冬にはマイナス40℃以上にもなる、かなりの寒冷地域だが、彼らはトナカイの毛皮は身にまとうものの、いつも裸足との事。
「気温の原因」温室効果の仕組み。空はなぜ青いのか。地球寒冷化。地球温暖化
彼らについて、かなり古くに、人里から追い出された原住民の生き残りではないか、という説がある。
フィリピンのダサダイ族。世紀の詐欺事件だったのか
フィリピンのミンダナオ島で、1960年代後半、あるいは1970年代の初期に発見されたらしいダサダイ族は、今となっては、どちらかというと詐欺事件として有名である。
部族というか、本当に、普通にひとつの一族のみという感じで、26人、あるいは27人しかいなかったとされる。
彼らは洞窟に住居を構え、おもに狩猟で食料を得ていた。
ダサダイ族は文字を持たず、独自の言語を使っていたが、やがて調査されて、ひとつの事実が明らかとなった。
彼らは、「争い」を意味する言葉を持たなかったのである。
現代文明だけでなく、争うことすら知らない、平和を愛する最後の部族として、ダサダイ族は、各国のメディアで紹介され、注目を集めたという。
フィリピンの大統領や環境大臣は、このダサダイ族の保護を決定。
そして、その保護のための資金として、多額の寄付金が世界中から集められた。
ところが1986年。
ダサダイ族の保護区に潜入したジャーナリストが、ダサダイ族は、金をもらって演技していた、地元住人であったと公表。
個人的な話だが、ダサダイ族の話を知ったのは、ネットの記事だった。
その時は、わりと、ネッシーの医者の写真や、ビッグフットのパターソンフィルムと同じような印象を受けた。
「ネス湖のネッシー」愛されしスコットランドの怪物の正体 「ビッグフット」実在するか、正体は何か。目撃の歴史。フィルム論争
まるで、そのひとつの嘘が、あまりに強力で、他も全部嘘ですと紹介されてるような印象である。
ダサダイ族は詐欺だったのかもしれないが、だから未開の部族なんてやっぱり存在しないと、言いきれるわけではない。