「恐竜」中生代の大爬虫類の種類、定義の説明。陸上最強、最大の生物。

恐竜

わかりやすく定義。恐竜とは何か?

爬虫類。主竜類の系統

 ヘビやトカゲやムカシトカゲ、カメやワニといった爬虫類の共通の先祖は、石炭紀(3億5920万年前~2億9900万年前)の後期に出現したとされている『双弓類(Diapsid)』というグループである。
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 その双弓類が分岐していって、ある時、『主竜類(Archosaur)』というグループが誕生した。

 主竜類は主に2つの大きなグループに分けられる。
クルロタルシ類(ワニのグループ)と鳥頸類(ちょうけいるい)というグループである。

 三畳紀(2億5100万年前~1億9960万年前)のどこかで、この鳥頸類から、翼竜類と分岐する形で、恐竜(Dinosauria)というグループは誕生したとされている。
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 ちなみに恐竜類はさらに『竜盤類(Saurischia)』と『鳥盤類(Ornithischia)』に分岐したとされるが、(ややこしい事に)鳥類(Aves)は、竜盤類の一系統である、獣脚類(Theropoda)から進化したグループである。

 そして、いわゆる白亜紀(1億4500万年前~6600万年前)の末の大絶滅で、鳥類以外の恐竜は全て絶滅したと考えられている。
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恐竜は直立歩行。直立姿勢の爬虫類

 恐竜は、主竜類の一グループという事になるが、独特の特徴として、まず直立姿勢だったらしい事があげられる。
同じく主竜類であるワニが、這うような姿勢が基本だから、比べるとわかりやすい。

 直立姿勢とは、いわば走るのに特化した姿勢である。
だから恐竜は、走りが得意な爬虫類と言えなくもない。
 ただ、骨の繋がり方から、柔軟性はあまりなかったと考えられている。
例えば、恐竜の足は、あまりひねる事が出来なかったらしい。
 もしかするとターンが苦手だったかもしれない。

 他にも、恐竜の解剖学的特徴として、「上腕骨の三角筋の辺りの出っ張りが伸長している事」。
 「骨盤の骨の連結部である寛骨臼(かんこつきゅう)に、比較的大きな孔がある事」、などがある。

恐竜の種類。竜盤類と鳥盤類。骨盤による違い

 恐竜が大きくふたつのグループ、竜盤類と鳥盤類に分けられる事に最初に気づいたのは、イギリス人のハリー・シーリィだとされている。

 ふたつのグループは、主に骨盤を形成する腸骨、恥骨、座骨の3つの骨の繋がり方によって区別される。

 通常、いずれも後方に伸びる恥骨と座骨が滑らかに続き、連結してるのが、鳥盤類。
恥骨がやや下気味に前方に伸びているのが竜盤類である。
 鳥盤類の骨盤構造は鳥類に、竜盤類のはトカゲなどに似ている。

 シーリィは、これら2グループが、(恐竜以前に)別々の子孫から進化してきたと考えたが、現在では彼の考えは支持されていない。
恐竜はいわゆる単系統だとされている訳である。
 竜盤類と鳥盤類のどちらが先に誕生したのかは、わかっていないが、どちらも少なくとも、最初の恐竜ではない訳だ。

鳥盤類恐竜

後方恥骨と前歯骨

 鳥盤類恐竜は基本的に草食である。

 後ろ向きの恥骨に、座骨が平行に並んでいるという、鳥盤類恐竜の骨盤の特徴を『オピスソプビック(opisthopubic)』という。
「Opistho(後方)」と「pubic(恥骨)」を掛け合わせた言葉である。

 また鳥盤類恐竜は『プレデンタリー(predentary)』という特異的な骨を持っている。
「前歯骨」などと訳される、下顎の前端を覆うスコップ状の骨である。
 歯なんて訳されるが、あまり歯なんて感じではなく、プレデンタリーは、少し眺めの前頭骨と合わさり、嘴のような口先を成している。
 この嘴の辺りには基本的に(プレデンタリーを歯とするとしても、それ以外の)歯がなく、角張っている。

咀嚼する恐竜

 オピスソプビックのような形質は、食に関する適応進化の結果だと考えられている。

 恥骨を傾かせる事で、胃を置くスペースを広げた。
胃は大きかったか、あるいは複数持っていた可能性もある。
 消化官も長く確保できたはずで、食物からよく栄養を得られたはずである。

 消化器系が複雑に発達し、肥大化していた事は、肋骨が円筒状に膨らんでいた傾向からも判断出来る。

 また、鳥盤類は、哺乳類のような、歯による咀嚼(そしゃく)を行っていたようである。
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装盾類(Thyreophora)

 防御用だと考えられる装甲を纏っていた鳥盤類恐竜で、『皮骨板(Skin bone plate)』と呼ばれる、平行に体に並んだ骨が共通の特徴である。
 また、剣竜類(Stegosauria)と曲竜類(Ankylosauria)という2グループに大別される。
 
 基本的に四足歩行だが、剣竜類、曲竜類に分岐する以前の原始的な種には、スクテロサウルスなど、二足歩行の者もいたようである。
 同じく原始的な装盾類として知られるエマウサウルスやスケリドサウルスは、四足歩行だっと考えられている。

 装盾類ではなかった可能性もあるが、これらの恐竜はすでに皮骨板を有していたとされる。

スクテロサウルス(Scutellosaurus)

 ジュラ紀前期のアメリカに生息。
全長1.2メートルほど。
 歯の形が木の葉型で、背中に数百並んだ骨質の突起。
前肢と尾が比較的長く、四足歩行へと移行する段階ではないかと考えられている。
 普段は四足で、危機的状況から逃げる時のみ二足歩行になったのかもしれない。

エマウサウルス(Emausaurus)

 ジュラ紀前期のヨーロッパに生息。
 ドイツで発見されている化石からは2mくらいの大きさが推定されているか、それは幼体と考えられていて、成体は4mほどだったろうとされる。
 装盾類の先祖、あるいは初期装盾類として、スクテロサウルス以上だが、スケリドサウルスよりは派生的でないと見られている。

スケリドサウルス(Scelidosaurus)

 ジュラ期前期のヨーロッパに生息。
全長4mほど。
 どっしりとした重量のある胴体を持ち、それを支える為かのように前肢が頑丈に発達していたので、四足歩行性だったのはほぼ確実である。
頭骨は比較的小さく、歯が貧弱で、食事はもっはら柔らかい植物だったと考えられる。

剣竜類

 剣竜類は、体長3~9m、体重300~900kgくらいの中型恐竜で、皮骨板がトゲ状やプレート状に発達している。

 移動は鈍く、最高でも時速6、7kmくらいだったろうとされる。
後肢が前肢に比べて長く、このバランスの悪さが歩きにくさに直結したと考えられているからだ。

 また、歯の形状から、あまり効率的な咀嚼は出来なかったろうと考えられている。

 脳のサイズが体重の0.001%ほどと、非常に小さかったようである。
あまりに小さいので、大した根拠もなく、体内に第二の脳があるのだと考えられる事があるほどだ。 

 背のプレートは雄と雌で、また成体と幼体で数が違っていたという説もある。
 また防御はもちろん、体温調節や性的ディスプレイなどの役割があったと考える者もいる。

 有名なステゴサウルスや、それに近縁なケントロサウルスという種は、複数個体の化石が同じ地域で発見されており、群れで行動していた可能性がある。
 

ステゴサウルス(Stegosaurus)

 ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけて、(armatusとmjosiの二種が生息する)北米と(homeheniという種が生息する)中国に分布。
体長7mほど。

 ステゴとは「屋根に覆われた」の意。
発見された当時は、亀の甲羅のようなものを備えていたと考えられていた為にそう名付けられた。

 皮骨質はプレート状で、互い違いに立ち並んでいる。
プレートに血管跡らしき痕跡が発見されていて、体温調節に使っていた可能性がけっこう支持されている。
というかプレートは脆く、実は防御用としては使えなかった説もある。
 一応とりあえず尾の先についた4本の長いスパイクはしっかり武器として使われたようである。

 また、脳のサイズはクルミ程度だったらしい。

ケントロサウルス (Kentrosaurus)

 ジュラ紀後期のアフリカに生息。
体長3.5mほど。
 ステゴサウルスに近縁とされているが、こちらの方がかなり小型。
 皮骨板プレートが、腰の辺りから細いトゲ状に変化している。

曲竜類

 曲竜類は、首から尾にかけて、全身骨質のプレートで覆われていた恐竜である。
隣り合うプレートの隙間は全然なく、多くの種が、頬や瞼まで覆われていたという。
 どころか鎧に慢心せず、尾の先が硬く膨れ、棍棒状の武器になっている種などもいた。

 中型恐竜で、全長は5m以下が多くを占めるが、有名なアンキロサウルスは9mに達したようである。
 丸っぽい体つきで、高い防御力を持つゆえか、恐竜の中でも、移動速度が最も遅かったと考えられている。
 鼻腔内の道が複雑に入り組んでいたらしい事が、CTスキャンにより明らかにされている。
なので、この種にとって嗅覚が重要だった可能性は高い。
 歯に植物をすり潰していた痕跡が見つかっており、剣竜類よりは、咀嚼していたのが確実である。

 また、剣竜類同様に脳が非常に小さかったらしい。

アンキロサウルス (Ankylosaurus)

 白亜紀後期の北米に生息。
体長は8mほど。

 アンキロの意味は「連結した」。

 戦車に例えられる、楕円形の骨板で構成された装甲と、先端が大きな骨の塊になった尾が特徴。
 尾は、水平方向に柔軟性で、左右にハンマーのように振り回したと考えられている。

 実は曲竜類としては、装甲の厚さか控えめで、どちらかという、尾による攻撃が、メインの盾だった事が示唆されている。

周飾頭類(Marginocephalia)

 堅頭竜類(Pachycephalosauria)、角竜類(Ceratopsia)に大別される、頭部に特徴的な形質を備えた鳥盤類恐竜のグループ。

 周飾頭類は、共通の特徴として、頭骨の後面が伸びて張り出している。
なので頭骨全体を上から見た時に、頭骨後部の一部が隠されて見えない。

堅頭竜類

 頭蓋骨の天面が肥大化していた、2m以下が大半の小型恐竜。
その頭頂は、アジアでは平べったく発達している種が多く、北米ではドーム状になっている種がよく見つかっている。

 前肢が小さいので、完全に二足歩行だったと思われる。

 アジアの種は砂漠に生きていて、北米の種は山に生きていたようで、生活模式も大きく異なっていた可能性がある。

 口の先端に、餌をつかみとる為のものと見られている釘状の歯がある。
また、口の奥には三角形状の歯が並んでいて、植物を切るのに便利だった。
 それに、腹部が広がり気味で、胃が大きかったと思われる事から、植物食だったと思われる。

 脳のサイズが、鳥盤類恐竜としては、見事に平均的だと言われる。

 用途はともかく、頭突きをしていたかどうかはよく議論される。
特にパキケファロサウルスの頭部はかなり厚く、説得力がある。
 ただし、スティギモロクという種の頭頂には、血管がぎっしり巡っていた痕跡があり、あまり強い頭突きは危険だった可能性が示唆されている。

パキケファロサウルス(Pachycephalosaurus)

 白亜紀後期の北米に生息。
体長5mほど。

 パキケファロの意味は「分厚い頭」
 最大級の堅頭竜類。
前方の歯が湾曲し牙のようになっている。
鼻上には小さな骨質のコブがある。
後頭部にも骨質の小さなトゲがいくつか並ぶ。
 頭頂部がかなり厚い。

 スリムな体つきから、早く走れたろうと推測されている。

スティギモロク(Stygimoloch)

 白亜紀末期のアメリカに生息。
体長2.5mほど。

 堅頭竜類としては比較的、大型。
 頭頂はやや平らで梨型をしている。
 頭の後方に、大きな1対のトゲと、いくつかの小さなトゲを持つ。

角竜類

 頭部の角とフリル状になっている後頭部が特徴的な四足歩行の鳥盤類恐竜。
また鳥盤類共通のプレデンタリーに加え、角竜類は吻部上部の骨も発達し、嘴が歪曲している。
 実は、プシッタコサウルスなどの原始的な種には、二足歩行かつ角を備えていない者もいるが、歪曲した嘴だけは全種で共通の特徴とされている。

 化石記録が最も豊富であり、かなりよく知られた恐竜のグループである。

 歯並びや、筋肉質の頬があった形跡などから、咀嚼していた事は確実だと考えられている。

 後肢が完全に直立していたのは間違いないとされているが、前肢も直立していたか、あるいは這うようになっていたかは、議論が続いている。

 現生の角を持つ哺乳類の研究を参考として、角は捕食者から身を守る為ではなく、仲間内で、優劣をつける為のディスプレイだった説が有力である。
 トリケラトプスやセントロサウルスなどは、同じ種の角につけられたと見られる傷跡がある化石も発見されており、仲間同士で争っていたと考えられている。

 また脳は、装盾類よりはマシだが、小さめだったと考えられている。

プシッタコサウルス(Psittacosaurus)

 白亜紀中期のアジアに生息。
体長1.5mほど。

 かなり原始的な角竜類と考えられていて、二足歩行であり、角もフリルも持たない。
 鳥類とは繋がらない種であるはずだが、羽毛の生えた化石が発見されている。

トリケラトプス (Triceratops)

 白亜紀後期の北米に生息。
体長9メートルほど。

 トリケラトプスと「3本角の頭」の意味である。
学名の由来である、1本の鼻角と、目の上にある2本の角が印象的なこの恐竜は、同時期同地域のティラノサウルスと共に、もっとも有名な恐竜といえる。
 ティラノサウルスからは補食対象として見られていたようだが、時にはその角で反撃した可能性もある。

セントロサウルス(Centrosaurus)

 白亜紀後期の北米に生息。
体長は6メートルほど。

 角竜類の中でもよく知られている恐竜。
 カナダで、大量の化石が産出しているので、群れを形成していたのはほぼ間違いない。
 鼻先に1本の角を持つ。この角は曲がってたり、真っ直ぐ伸びてたり個体差が激しい。
短めのフリルの後部にある控えめな角は歪曲している。

鳥脚類(Ornithopoda)

 恐竜全体の中で、最も多種多様かつ、長期間を生きていた考えられている鳥盤類恐竜のグループ。

 たいてい鳥脚類は、二足歩行と四足歩行を使い分けていたようである。

 種によって大きさの幅が大きく、小型種は基本的に二足歩行ですばやく走れたとされている。
 一方で大型は、急ぎの時以外は四足歩行だったと考えられている。

 通常、尾が長く、筋肉や骨化した腱により補強されていた。
後肢が長く力強く、完全四足歩行の種でも、腰つきが二足歩行生物的であり、初期種は二足歩行だった可能性が高い。

 鳥脚類のいずれの種も、食物を摘み取る為の嘴に加え、食物を切るのに適していたようである歯に、筋肉質の頬と、咀嚼を得意としていらしい。
しかも、顎を形成する骨の結合が緩く、鳥脚類恐竜は、前後左右の動きを同時に行うような噛み方で、咀嚼をさらに効率的にしていたとも考えられている。

 脳サイズが恐竜類としてはかなり大きく、現世の主竜類よりも賢かったと考える研究者もいる。

 パラサウロロフスやコリトサウルスなど、独特のとさかを持っていた種もいて、それらがディスプレイだったのか、あるいは共鳴装置のような役割を果たす機能的なものだったのかは、議論が絶えない。

 また、大型の種の手の中央の指にはヒヅメ状の爪がある。
ギデオン・マンテルにより、最初に名前をつけられた恐竜として有名なイグアノドンの手などはかなり個性的である。

パラサウロロフス (Parasaurolophus)

 白亜紀後期の北米に生息。
体長12mほど。

 頭頂から後方に、棒みたいなトサカが伸びている。
 このトサカの内部は鼻腔から繋がる、空気の通り道のようになっている。
鼻腔内部の表面積を増やす事で、嗅覚を強化。
あるいは、内部で声を反響させて、大きくする為と考えられている。

コリトサウルス(Corythosaurus)

 白亜紀後期の北米に生息。
体長12mほど。

 パラサウロロフスなどと同様に、頭骨に空洞のトサカを持つ。
トサカの形は半円で、雄の方が大きかったらしく、性的ディスプレイに使われた可能性が示唆されている。
 声を反響させ、汽笛のような音を出せたという説もある。

イグアノドン(Iguanodon)

 白亜紀前期にアジア、ヨーロッパ、北米などに広く分布。
体長9メートルほど。

 歯の形がイグアナに似てるからイグアノドンと名付けられたが、もちろんイグアナとは全く違う生物であり、似てもない。
マンテルの医療器具 「ギデオン・マンテル」恐竜の発見者。イグアノドンの背に乗って
 前肢の親指のが、長さ15センチメートルくらいの円錐状のトゲであり、発見者のマンテルは最初、これを角だと勘違いしたという。
生きていた個体には、このトゲにさらに爪がかぶっていたとされる。
 トゲは身を守る武器だったという説があるが、武器としては貧弱すぎるのではないか、という指摘もある。

 また前肢の第5指(小指)がそれにりに柔軟だったようで、親指トゲとの組み合わせで、葉を切り取るのに使用したのかもしれない。

竜盤類

最大級スケールの恐竜が属するグループ

 ある意味で恐竜らしい恐竜と言えば竜盤類である。
史上最大の陸生肉食動物も草食動物も、この竜盤類に属する恐竜とされている。

 また、現在まで生き延びている鳥類は、実はこの竜盤類の恐竜である。
鳥類はおそらく空を飛んだ唯一の恐竜でもある。

 竜盤類が竜盤類たる解剖学的特徴には以下のようなものがある。
 外鼻腔の前方やや下に孔が開いている。
 脊椎を構成する椎骨の、一番頭に近い環椎(第一椎骨)の軸椎(第二椎骨)側に、小さな凹状の関節面が見られる事。
 手の第一指が、他の指と比べて内側を向く事など。

 ただ言ってしまえば、恐竜類のほとんどは鳥盤類か竜盤類なので、つまり鳥盤類の特徴を持ってない恐竜が竜盤類である。
(もちろん竜盤類の特徴を持ってない恐竜は鳥盤類である)

 竜盤類はかなり初期の段階で、2大グループである獣脚類と竜脚形類(Sauropodomorpha)に分岐したようである。
獣脚類は主に肉食、竜脚形類は主に草食恐竜として、個別に繁栄の道を歩み、白亜紀末に、鳥類を除き絶滅した。

竜脚形類

 非常にダイナミックなイメージが強い竜脚類(Sauropoda)と、より原始的だとされている原竜脚類(Prosauropoda)をまとめたグループである。

 初期の竜脚形類は二足歩行で、肉食もしたろうと考えられている。

 竜脚形類は、進化の過程で、顔を小さく、首を長くしていった。
また、前肢と後肢の長さを揃えて、二足歩行から四足歩行へと移行。
 平行して、食生も植物食へと切り替えていったようである。
 後は、まるで陸生動物の限界に挑戦するかのように、体を巨大化していった。

 竜脚形類の繁栄の裏側には、裸子植物の繁栄があるとされる。
 主要陸上植物となった裸子植物の中には、丈の高い植物が次々誕生し、竜脚形類は、その高い植物に真っ先に手(というゆり口)を伸ばした訳である。

 また、原竜脚類、竜脚類のいずれも、体に対し、脳はあまり大きくならなかったため、相対的に脳サイズが非常に小さい種が多かったようだ。

原竜脚類

 原始的だとされる竜盤類恐竜のグループ。
小さい頭部に、長い首と尾など、後の竜脚類に続く特徴を、既に備えてはいたが、前肢は後肢よりは小さかったと見られる。

 頭骨の形状から、原竜脚類が咀嚼を行わなかったのはかなり確実である。
しかしたいてい基本は植物食で、時には肉も食うというスタイルの食生だったと考えられている。
 ただ、初期の種は肉食だった可能性も高い。
 また、化石の痕跡から、食物の消化をスムーズにするために胃石を利用していた事が示唆されている。

 現在では、原竜脚類は原始的な竜脚類ではなく、共通の先祖から分岐した、別系統だという説が有力である。

 しかしメラノロサウルスやリオハサウルスなど、比較的大型の原竜脚類は、完全な四足歩行で、かなり竜脚類に似かよっていたと考えられている。

メラノロサウルス(Melanorosaurus)

 三畳紀後期のアフリカに生息。
体長8mほど。

 原竜脚類とされるが、初期の竜脚類だとする説もある。
吻部がやや尖っていて、頭骨が上から見ると、三角形ぽいと言われる。

リオハサウルス(Riojasaurus)

 三畳紀後期の南米に生息。
体長9mほど。

 最大級の原竜脚類であり、メラノロサウルスに近縁だった可能性、共に実は初期竜脚類である可能性を唱える研究者も多い。

竜脚類

 最大の恐竜であり、史上最大の陸生動物であったとされるアルゼンチノサウルスが属するグループ。

 竜脚類恐竜は種によって歯の形状が多様で、中には咀嚼を会得した種もいたらしい。
 また、顎の先端にしか歯を生やさない種が多かったようである。

 体と比較してかなり小さな頭骨には、大きな穴が多数空き、華奢な作りとなっていた。
 進化の過程で外鼻腔は、口の上よりさらに上に移動していき、その内に、頭頂に鼻を備える種も現れた。

 四足歩行で、とにかく巨大な種が多いが、脊椎に空洞があった痕跡があり、見た目のイメージより軽かった可能性もある。
 このような骨の空洞化による軽量化は鳥類と共通する特徴だが、鳥類に繋がるのは獣脚類のはずなので、これは多分収斂である。

 足跡化石などから、前肢が指行性、つまり基本的につま先立ちだった事。
歩く際に、尾は持ち上げられていて、引きずられる事がほとんどなかった事が明らかとされている。
 またディプロドクスなどは、群れで移動していたようである。

 また、竜脚類の体に対する脳サイズは、装盾類を越えて、恐竜類最大の小ささだったようである。

 かつては、キリンのように、高い位置にある草木目指して首を長くしたと考えられていた竜脚類恐竜。
しかし現在では、多くの種が、体に対し首は水平に伸び、高く持ち上げる事は出来なかったと考えられている。
 ただし、ブラキオサウルスなど、例外もある。

アルゼンチノサウルス(Argentinosaurus)

 白亜紀前期の南米に生息。
体長45mほど

 化石記録が乏しすぎて、最大級の恐竜だというのが、希望的観測にすぎない可能性はある。
 だが、もしもこの恐竜が推定されているサイズ通りなら、陸生のシロナガスクジラみたいなものであり、バケモンである。

ディプロドクス(Diplodocus)

 ジュラ紀後期の北米に生息。
体長30mほど。

 竜脚類としては華奢な体つきで、体重も比較的軽かったと見られる。
ただし尾は強靭で、緊急時には、素早くふるって自衛したとされる。

ブラキオサウルス(Brachiosaurus)

 ジュラ紀後期の北米やアフリカに生息。
体長25mほど。

 ブラキオとは「腕」の意味である。

 かつては80t以上の重さとも言われていたが、脊椎などを空洞にするという仕組みにより、現在では、50tには達しなかったろうとされる。
 前肢が後肢よりも長く、肩が傾いている為、首を上に伸ばせたと考えられている。
ただし、どの程度の持ち上げが可能だったかについては意見が割れている。

獣脚類

 肉を噛みちぎるのに適したギザギザな歯に、三日月型の鋭い鉤爪を持つ獣脚類は、肉食に特化した、完全二足歩行の竜盤類恐竜である。

 三畳紀後期に誕生し、その末裔(鳥類)は現在まで生き延びている。
 肉食で二足歩行というのは、恐竜以前の鳥頸類から引き継いだ特徴であり、ある意味、正当な血統の恐竜と言えるのかもしれない。

 二足歩行かつ、指行性であったらしく、特に軽量な小型種はかなりの速度で走れたろうとされている。
ティラノサウルスをはじめとする大型は、実際問題、どれくらいの速度で走れたのか、議論が絶えない。

 少なくとも獣脚類の一部は水を泳いだ痕跡が見つかっている。
 また、泳いだかどうかはともかく、バリオニクスのように、魚を補食対象としていたらしい種もいる。

 現生鳥類のように、足で物を掴む事も可能だったようである。
鳥類に進化しただけあってヴェロキラプトルなど、羽毛恐竜も多く属している。

 優れた補食動物らしく、獣脚類は、脳サイズ大きめで、よく発達していた。
特にトロオドンなどは、現生の鳥類に匹敵するほどに賢かったとされている。

ティラノサウルス(Tyrannosaurus)

 白亜紀末期の北米に生息。
体長13mほど。
ティラノとは「暴君」の意味である。

 史上最大級の肉食恐竜の一種であり、補食対象としていたトリケラトプスと共に、おそらく最も有名な恐竜
 最大で20cmほどの鋭い歯と、強靭な顎により、噛む力が恐ろしく強いとされる。
 おそらく狩りにおいて、出血死を狙ったりするよりも、普通に肉も骨も噛み砕いて、獲物は瞬殺だったろう。

 かなり獰猛で、共食いしていた痕跡が見つかっている。
一方で高い社会性があり、怪我した仲間の個体を長期間に渡り世話した痕跡も見つかっている。

 また、幼体には羽毛があったとする研究者は多い。

 主に死骸を狙う腐肉食者だったという説があるが、根拠に乏しく、ほとんど言いがかりレベルである。
 何より酷い根拠は、「歯の形質が、ハイエナに似てるから」というものかと思われる。
おそらくこの根拠を唱えた人は、ハイエナが優れたハンターである事も知らないほど、現生動物学に疎い方なのだろう。
ティラノサウルス 「ティラノサウルス」最強の理由。暴君恐竜の生態、能力

バリオニクス (Baryonyx)

 白亜紀前期のイギリスに生息。
体長9mほど。

 前肢の指一本についた30センチメートルくらいの巨大な爪が特徴。
 消化器系があったとされる場所から魚の鱗らしき化石が発見されている為、魚食性だったとされている。
 ただし消化器系には他にも、イグアノドンの物らしき化石も見つかっていて、普通に陸の獲物も食べたろうとされる。

ヴェロキラプトル(Velociraptor)

 白亜紀後期のアジアに生息。
体長2mほど。

 後肢の指に大きな鉤爪を備えていた。
鉤爪はまず間違いなく狩りに用いられた武器だったとされている。
 羽毛恐竜だったと考えられている。

トロオドン(Troodon)

 白亜紀後期の北米に生息。
体長1.5メートルほど。

 脳容量が最大級に大きかったと思われる恐竜であり、かなり賢かったと推測されている。
 また、ほぼ確実に羽毛恐竜だったと考えられている。

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