座敷童子、一つ目小僧、童子と呼ばれる鬼「子供の妖怪」

こどもの妖怪

座敷童子。幸福をもたらす効果持ち

 座敷童子ざしきわらしは、特に東北地方の家の中に、よく出現するという。
子供の姿をしていて、この妖怪が居着いた家は栄えるというが、しかしこいつがいなくなると、その家は瞬く間に没落すると言われる。

 大人には見えなくても、子供には見える場合も多い。
たまに小学校にも現れ、生徒と遊んだりするという。
無人教室でひとり遊びする事もあるようだ。
姿が見えない大人からしてみたら、ポルターガイスト現象にしか見えないであろう。
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雨降り小僧。狐の嫁入りと天気雨

 雨をふらせる神様のことを雨師うしという。
雨降り小僧は、この雨師に仕える子供妖怪である。
妖怪とよりも、見習いの神様なのかもしれない。
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 雨降り小僧は、雨の日に現れるとも、雨を降らす能力を持つとも言われる。
外見は、柄のない傘を帽子のように被り、提灯を持った小僧らしい。
また魚が好きで、「魚をあげるかわりに雨を降らせておくれ」と頼んだら、雨を降らせてくれるという話もある。
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 また、『狐の嫁入り』とは、真夜中に行列を作る怪火の事であるが、天気雨(晴天時の雨)のこともさす。
昔の人が、どう考えても晴れた天気なのに、雨が降ったりするのを、まるで何かに化かされてるようだというふうに解釈して、生まれた迷信らしい。

 雨降り小僧は、雨を降らす時に、怪火行列の方の、狐の嫁入り現象を起こすともされる。
しかし小僧とキツネの関係は不明である。
キツネを呼んで雨を降らせてもらうのか。
もしくはキツネを使って雨を降らすのか。
あるいは、雨が降ると察知してキツネが現れるのか。
それはわかっていない。

岸涯小僧。カッパの仲間?

 岸涯小僧がんぎこぞうという名前だが、雁木小僧とも書く。
岸辺にいて魚をとる、まるでサメか何かのようなギザギザの鋭い歯を持つ子供妖怪。
捕らえた魚はまるごと頭から、バリバリと大きな音をたてて食べるという。
雁木とは、ギザギザの歯車らしく、この妖怪が口を開くと、そういうふうに見えるらしい。

 魚屋さんなどが狙われることもあるらしいが、一番安い魚を囮にすることで、その場から逃げることも多かったという。
猫やカワウソも、普通に大きな音を立てて魚を食べることがあるらしいので、真っ暗闇の中、音だけ聴いたというような話は、かなり怪しい。

 こいつは、カッパの仲間とされることもある。
あちらのイメージとは違い、こっちは全身毛だらけともされるが、少なくとも、見た目はカッパに似てるという。
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海小僧。釣り人の悪夢

 釣りをしていると時折、目も隠れるほどに長い毛で、よく笑う小僧が、水上に現れることがあるという。
それは海小僧という妖怪である。

 こいつは、魚のような奴で、釣りに引っかかってしまっているのか。
それとも、釣り人を驚かそうと、釣り糸を手繰って現れるのかは、わからない。
現れた海小僧は、ニヤリと笑うらしいので、後者かもしれない。

かぶきり小僧。正体はタヌキ

 着物を着たおかっぱ頭の小僧。
人気ない山道や夜道に出現し、道行く人に「水飲め、茶飲め」などと声をかける。

 かぶきり小僧と呼ばれるが、別に木を切ったりするわけではない。
かぶきりというのは、おかっぱ頭を指す古い呼び名。

 ムジナ(化けダヌキ)が化けたものともされる。
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昔はよく子供たちに混じって遊んでいたという。
しかし、ひとり正体不明の子供がいるのに誰かが気づいたり、 袖で隠れた腕が毛むくじゃらだと気づかれると、慌ててタヌキの正体を現して逃げたらしい。

袖引き小僧。わりと無害な妖怪

 夕暮れ時に道を歩いてると、後ろから着物の袖を誰かが引いてくる。
しかし振り返ってみても誰もいない。
気のせいだろうとまた歩き出すと、また誰かに袖を引かれる。
しかしやはり誰もいない。
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 そういういたずらを仕掛ける妖怪こそが、袖引き小僧である。
ただ、こいつの行動は基本的にそれだけらしい。
別に害はない。
ただ変な感じがするだけである。

 妖怪などでなく、単に悪戯好きな霊なだけという感じする。

提灯小僧。出現場所は現場か

 特に大した理由なく、人が殺されてしまった場所などに出現するという子供妖怪。
提灯を持った真っ赤な顔の小僧で、小雨の日に現れるという。

 ただ通りがかる人を追い越したり、じっと見たりというのを、ひたすら繰り返すだけという。
いたずらとか、そういう類のものでもなく、なんか普通に好奇心で観察してるだけのような感じがする

豆腐小僧。雨の日に豆腐

 雨の日に突然、竹やぶから現れる、大きな笠をかぶった子供妖怪。
豆腐を乗せた皿を持ち、それはいかにも美味しそうだとされる。
しかしもし、差し出されたその豆腐を食べてしまうと、体にカビが生えてしまうという。

 鹿児島県の方では昔、路上にポツンと豆腐だけが置かれているという事件があったらしい。
イタズラだったのか、豆腐小僧の仕業だったのかは不明。
 

浪小僧。義理堅い妖怪

 雨が降る際に、決まったパターンの波を起こすことで、それを知らせてくれる妖怪。
なんでも昔、この波小僧なみこぞうという妖怪は、水生であるのに、間違って陸に出てしまったところを、ひとりの少年に助けられた。
そして、陥没に苦しむ少年の村に恩返しするために、このようなことを始めたのだという。

 雨が降るタイミングがわかるのは、どうもこいつの父が雨乞いの名人だかららしい。
こいつ自体は、親指ほどの大きさの小さな子供の姿だと言う。
父親が何者なのかは不明。
しかし雨は降らす存在となると龍とかではないだろうか
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一つ目小僧。一つ目たちの世界

 一つ目妖怪というのはたくさんいるらしい。
だがおそらく、最もよく目撃証言が多いのは、この一つ目小僧である。

 どうも一つ目の者ばかりが住む、一つ目族の世界が存在しているらしく、一つ目小僧はこちらの世界に迷い込んできた者らしい。
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逆にあちらの世界では、二つ目がある我々が気持ち悪いという説もある。

 まるで妖精の国である。
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同じような類なのかもしれない

油赤子。油をなめる妖怪

 火のようなものが飛んできたと思ったら、赤子の姿となり、油をペロペロと舐めて、満足したら、また火となって飛び去っていく。
油赤子あぶらあかごとは、そのような妖怪である。

 東北地方では、江戸時代に、油なめ赤子と呼ばれた、謎の子供と女が現れたと伝えられている。
ある時、赤子をだいた女が、道に迷ったので泊まらせてくれないかと、とある家に頼んだ。
家の主人は了承し、女を座敷に通した。
女は赤子を布団の中に寝かせたが、夜遅く、この赤子は布団から出てきて、行灯(照明器具)用の脂を、ペロペロ舐め始めた。
やがて赤子は、それを全て舐め尽くして、翌朝、女と共に去っていった。
道の途中、女は赤子を手放し、一休みしたという。
手放された赤子は、まるでカエルかのように、楽しそうにそこら中を飛び跳ねたという。

 盗んだ油の商売人が死ぬと、この妖怪になるとも言われる。

川赤子。山赤子。誰もいないのに鳴き声がする時

 沼と池とかで、赤ん坊が泣き叫ぶような声が聞こえたと思い、そこに向かうと、また別のところから赤子の泣き声。
しかし声ばかりして、どこにも赤子の姿は一向にない
このような場合、鳴き声の正体は川赤子であると思われる。

 川赤子の正体はカッパの類とされることもあるが、沼の主とか、池の主といった、霊的な存在ではないかという説もある。
赤子というが、実際に赤子の姿を見たことがある者はいない。
ただ、赤ちゃんが泣き叫ぶような声というだけである。
どういうわけだか、鳴り響く声に慌てて、足を踏み外すなどし、水場に落ち、ずぶ濡れになると、声は止むという。

 一方、山でも、このような謎の鳴き声が響く時がある。 
こちらは山赤子だが、こちらの場合はちゃんと姿が確認できるらしい。
というか山赤子は、落ち葉などに埋もれていて、踏んでしまった場合などに鳴き声をあげるようである。
そして踏んでしまった者が、下を見て赤子に気づくと、ニヤリと笑って、「痛いぞ」と文句を言うのだという。

天子。別に偉くはない

天子てんじだなんて大層な名前だが、別に偉かったりするわけではないらしい。
伊豆諸島の八丈島に古くから住んでるという妖怪小僧。
遊び相手として子供をかっさらうが、 数日くらいしたら返してくれたりするという。

 人里に来て、イタズラをすることもあるが、遭難した人などに食べ物を持ってきてやることもあるらしい。

木の子。山の子供か、山の神か

 山に出没する、木の葉の服をまとった幼子たち。
よく食べ物を盗んだりするという。

 また この木の子が泣いている時は、猟などが上手くいかない。
そこで、理由を聞いてやるなどして、その涙を止めれば、また獲物がとれるのだとされる。

 性質的には、まるで出来損ないの神みたいだが、神でないのはもちろん、獣でも人間でもないという話もある。
ただ、どういう存在にせよ、山を支配、あるいは大きな影響を与えれる存在ではあるらしい。

童子と呼ばれる鬼。そもそも鬼と妖怪との違いは何か

 なんたら童子という名前の鬼はやたら多い。
これは文字通り、子供が変身などした鬼を指す名称である事もある。
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 しかし鬼が妖怪かどうかはよくわからない部分もある。
あるいは妖怪は自然から生じたもの。
自然の怪異なのかもしれない。

 鬼はたいてい人間から生じたものだ。
そこに違いがあるのかもしれない。

 鬼は通常、不安定な人の心から生じるとされる。
不安定な心を持つ者。
それは子供とされたから、だから昔っから、子供が鬼になったという話が多いのであろう。

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