「ヒッグス粒子とは何か」質量を与える素粒子。その発見は何をもたらしたか

ヒッグス粒子

全てのもの。原子。質量

 この宇宙。
少なくとも、銀河とか惑星とか人間とかみたいな、塊を構成しているのは原子であり、原子を構成する素粒子である。
素粒子が原子を構成するのには、強い力などが働いている。
中間子 「中間子理論とクォークの発見」素粒子物理学への道
 そしてその原子がくっつきあって、色々なもの、例えば惑星とかを構成している原理は、一般相対性理論。
つまり重力である。
時空の歪み 「特殊相対性理論と一般相対性理論」違いあう感覚で成り立つ宇宙
 では、重力は何から生まれるか。
質量によりそれは生じる。
じゃ、その質量はどこから生まれるか。
その答えのごく一部が『ヒッグス粒子』である。

 より正確には、どう生成されるのか分からなかった、1%ほどの質量がヒッグス粒子由来。

4つの力と標準理論

相対性理論。量子論。陽子、中性子、電子

 20世紀は、物理学が最も発展した、偉大な100年だったとされる。
最初に大きな衝撃があって、その大きな謎が徐々に解かれていった。
そして解かれるたびに、新たな謎が増えていった。
そういう時代であった。

 最初にあった衝撃の一つが相対性理論である。
ふたつの相対性理論は、それまではただ、存在するだけのようなものと思われていた、時間とか空間が歪んでしまったり、伸び縮みしたりするという妙な世界観を我々に提供した。
ブラックホールなどという怪物を生み出し、ビッグバン理論という宇宙の始まりのシナリオまでも、相対性理論は示してみせた。
ブラックホール 「ブラックホール」時間と空間の限界。最も観測不可能な天体の謎 ビッグバン 「ビッグバン宇宙論」根拠。問題点。宇宙の始まりの概要
 そして、相対性理論に並ぶ、もうひとつ重要な発見が、量子論である。
原子は、最小の物質ではなかった。
原子というのは、さらに小さな陽子、中性子、電子という粒子群から構成されていたのだ。
量子 「量子論」波動で揺らぐ現実。プランクからシュレーディンガーへ 素粒子論 「物質構成の素粒子論」エネルギーと場、宇宙空間の簡単なイメージ
さらに、陽子と中性子はクォークという、もっと小さな粒子で構成されていることも判明した。

クォーク。レプトン。ボソン。素粒子の種類

 陽子や中性子にすら内部構造があるとわかって以降、全く予想外に次々と新しい粒子が発見され、混乱が極まりつつある中で、『標準理論』は提唱された。
1970年代のことである。

 標準理論は、物質というものには、24の基本構成単位、素粒子があると説く。

 アップ・クォーク、ダウン・クォーク、トップ・クォーク、ボトム・クォーク、チャーム・クォーク、ストレンジ・クォークの6つのクォーク。
これらのクォークは、『色荷(color charge)』と呼ばれる性質を持ち、 その性質によって、三つの異なる、世代と呼ばれるグループを形成する。
色荷と呼ばれるが、文字通り色ということではないことには注意。
単に異なる色荷が引き合うという性質である。

 クォークの他に、レプトンと呼ばれる基本粒子もある。
電子やニュートリノという粒子がそれで、レプトンで安定して我々と反応するようなものは電子だけである。
なので、実質的にこの宇宙で、我々という世界は、電子とクォークだけで構成されている。

 また、標準理論において、物質の構成するフェルミオンと呼ばれる粒子とは違う、ボソンという粒子がある。
ボソンは、自然界に存在するという、4つの力を伝えるための粒子。
電磁気力を伝える光子。
雷 「電磁気学」最初の場の理論。電気と磁気の関係
原子核内でクォークを結びつけ、バリオン、ハドロンと呼ばれる、陽子や中性子の状態を保つ為の、強い力を伝えるグルーオン。
原子の崩壊を促す、弱い力を伝えるWボソンとZボソン。

 ところで重力を伝えるグラビトンは見つかっていない。
しかし重力の力はあまりにも弱いので、標準理論における素粒子の扱いを考える際には、そんなに気にしなくてもよいとされている。

 そしてもうひとつ、素粒子に質量をもたらすヒッグス粒子。

ピーター・ヒッグスとヒッグス粒子探索の始まり

なぜ質量は存在するか

 1966年3月。
イギリスのエディンバラ大学の物理学者であるピーター・ヒッグスは、プリンストンという町に研究所に招かれた。
サバティカル休暇中の彼の研究が、ある科学者の興味を引いたのである。

 始まりは、1965年の11月に、ヒッグスが書き終えた論文だった。
彼はビッグバン直後、つまりこの宇宙ができた時、まだ素粒子は、つまり物質は質量を持っていなかったと考えた。

 これは一体どういうことであろうか。
物質が質量を持っていなかった頃が存在するなど、荒唐無稽な話だろうか。
だがよくよく考えてみれば、なぜ素粒子が質量をもつのか、ということを説明できた人は、それまでの歴史上に存在しないのだ。

エネルギーと質量の関係。ほぼ全ての質量の謎

 質量とは、物質というものが持つ、最も基本的な要素、というのが当たり前の話であった。
だがアインシュタインが、相対性理論の帰結として、実は質量というのはエネルギーなのだということを示した。
これは見事な予言となった。

 中性子や陽子は、3つのクォークで構成されていると考えられている。
しかし、これらを崩壊させた場合、現れる3つのクォークの質量の合計は、陽子や中性子の1/100程度にしか満たないのである。
残りの99%は、クォークが持っていた運動エネルギーや、クォークを結びつけていた強力な核力(強い力)だったのである。

 しかし、宇宙という機構をつき動かしているエネルギーが、質量だと考えても、素粒子そのものが持っている質量に関しては、説明ができない。
素粒子というものには内部構造がない。
内部構造がないものが、いかにして質量を得ているのか。

 また我々のマクロな世界で、原子と原子を結びつけているのは電磁気力である。
なので、普通に我々が物質の重さを測る時、原子の総重量に加え、電磁気力の強さ(エネルギー)も考慮しなければならない。
しかし強い力に比べて、電磁気力はあまりに弱いので、相当精密な測定でないと、そういうものがあるかもと感づく事は出来ない。
だから昔の人は、エネルギーと質量の関連性に一切疑いすら抱けなかったのかもしれない。

ヒッグス場の真空

 ビッグバンによって急速に広がったこの宇宙には、『ヒッグス場』という場が広がっていた。
宇宙全体がこの場の影響下にある。
そして、ある瞬間に、まるで神がスイッチでも入れたかのように、この場は機能し始め、その場の中にあるいくらかの素粒子に質量を与えたのである。
「宇宙プログラム説」量子コンピュータのシミュレーションの可能性
 ヒッグス粒子はヒッグス場にて、質量を振り分けた後に残った、場の一部とも言うべき素粒子である。

 そういうものがあるだろうと、ヒッグスは示唆したわけである。

プリンストンのフリーマン・ダイソン

 ヒックスに、セミナーを行ってほしいと、プリンストンに呼んだのは、フリーマン・ダイソンという数学者であった。

 ヒッグスの講演は、午後に予定されていたという。
その日、最初に講演をしたのはダイソンその人であった。
彼の主な話題は、物質の安定性に関する話。
あらゆる物質は、数え切れないほどの素粒子が、絶妙なバランスでくっつきあってい構成されている。
だが、その微妙なバランスは、どのように成り立っているのか。
なぜ我々は安定していられるのか。
というようなことを話した。

 このプリンストンの週に一度のセミナーは、ショットガンセミナーと呼ばれ、とにかく質問の段になって、手をあげるものが後を絶たないことで有名であった。
ダイソンの話にも、当然矢継ぎ早に質問がかけられたという。
ダイソンは、質問が途切れたタイミングで、休憩を宣言し、次の講演者が、自分が招待したピーター・ヒックスだと告げた。

 その瞬間まで、参加者の誰ひとりとして、講演者がヒッグスである事を知る者はいなかった。
ちなみにヒッグス自身も、ダイソンが自分の前に講演するという事を、会場に来て初めて知ったという。
このサプライズ主義も、プリンストンの週一セミナーの伝統であった。

 ヒッグスは自らの理論と、その方程式の正しさに、自信を持って講演にのぞみ、そして彼の理論に、明確な否定意見を述べれる者はいなかった。

ハーバードのシドニー・コールマン

 プリンストンの他に、ヒッグスはハーバード大学にも呼ばれていた。
ハーバードから、ヒッグスを呼んだのは、シドニー・コールマンという物理学者。
陽気な彼は、学生たちに告げていたという。
「とんでもない大馬鹿者が来るぞ。ぞんぶんにこき下ろそうではないか」

 だがここでも、ヒッグスの理論に、明確な否定根拠を見つけられた者はいなかった。

 ヒッグスが、プリンストンにハーバードにと旅行した期間は一週間ほど。
そしてこの一週間以降、多くの物理学者が、彼の理論を理解しようとし始めた。
すなわち『ヒッグス機構』、ヒッグス場を。
さらに、それらを証明する最高の根拠になりうるヒッグス粒子を探し始めたのである。

わかりやすい世界。ありえないような世界

宇宙のほぼすべての答えは、強い力

 電子の質量も、電磁気力のエネルギーも、原子全体に比べれば、相当少ない。
億分の一とか、そういうレベルである。
よって、原子の重量は、ほとんど原子核の重量という事になる。
そして原子核、すなわち陽子と中性子の質量のほぼ全ては、強い力のエネルギーである。

 そういうことなので、実はこの宇宙の全質量の99%ほどは強い力のエネルギーだと考えられている。
ヒッグス粒子が説明するのは、残り1%。
強い力などで結びつく、素粒子そのものが持つ質量である。

場とは何か。物理学におけるもっとも基本の概念

 しかしヒッグス場とは言うが、場とは何なのか。
ヒッグス粒子とは、そこに溢れたものなのか?

 場というのは、エウクレイデスが、幅のないものと表現したような点を、文字通り点として、空間中に置いたと想像したらいい。
幾何学 なぜ数学を学ぶのか?「エウクレイデスと原論の謎」
 場というのは、ある力や、力でなくとも、何らかの影響が及ぶ領域である。
例えば自分から、電気が放出されたとしよう。
それで自分の周囲には、電場というものができると表現される。
例えば電気の強さが空間のある点で10だとして、 また別のある点は5、また別のある点は7、というふうに、とにかく空間の点全てに、強さの数字が割り当てれるようなものが場である。
「ベクトル空間」基底、次元の定義。線形結合、従属、独立。n次元の写像

量子とは何か。最小のエネルギー

 だがなぜヒッグス粒子なのか。
場というものは変化する。
その時に変化しているのはエネルギーである。
そしてエネルギーの変化とは、不連続的なものなのである。
エネルギーを伝え運ぶものも、量子という粒子なのである。
量子こそが最小のエネルギーなのだ。

 例えば光は連続的な波のように扱えるが、実質的には光子という粒子の集まりなのである。
光子は、電磁場における最小エネルギー。
我々が電磁波(光)と呼ぶ現象は、エネルギーの流れとも解釈できる。
その時、流れてるのが光子なのである。

 このような性質は、マクロなスケールでは、そんなに気にしなくていいことだが、ミクロなスケールにおいては、その不連続性は重要となってくる。
だからミクロの世界では、ヒッグス機構にもヒッグス粒子という量子が現れる可能性は高い。

フェルミオンとボソンの違い

 素粒子はよく、フェルミオンとボソンの二つに分けられると言われる。
物質を構成する素粒子がフェルミオンで、力を伝えるための素粒子がボソンである。
ここで重要なのが、フェルミオンとボソンの二つの性質の違いである。

 フェルミオンは「ある一つの状態に、一つの粒子しか存在できない」という特徴を持つ。
これは当たり前の事のようだが、ボソンは同じ状態に複数個存在できるという特徴を持つのだ。
ボソンのこの性質のために、どれだけ狭い範囲内でも、伝わるエネルギーを大きくしていくことができるのである。
あれはわずかな範囲に、膨大なエネルギーを詰め込むことができるのである。

クォーク。色荷を持つ素粒子

 クォークには、アップクォーク、ダウンクォークの2種類あり、例えば陽子は、アップクォーク2つとダウンクォーク1つ、中性子はアップクォーク1つとダウンクォーク2つからできている。
他にデルタバリオンという、アップクォーク3つ、あるいはダウンクォーク3つで構成されたバリオンも存在する。

 ちなみに、中間子と呼ばれるものは、クォーク2つで構成されている。

 とにかくこのようなクォークの構成粒子モデルを、『クォーク模型』と言う。

 その後、デルタバリオンが成り立つためには、クォーク3つが同じ状態で存在してなければならない事が示されてしまう。
だがクォークはフェルミオンなので、同じ状態に存在しているはずがない。

 そこで、クォークにも実は三つの種類があるのではないか、という説が唱えられた。
その3種類を分けるために考え出された概念こそ、色荷である。
色荷には、赤、青、緑の3種類があるが、もちろん文字通りの意味ではない。
とにかく3種類にわけられるものなら何でもよかったのだ。

グルーオン。強い力の素粒子

 我々のスケールで、電磁場がその力を光子の投げ合いでやり取りしてるように、 クォークの領域では、強い力はグルーオンの投げあいでやり取りされる。

 やがて、この強い力の面白い性質が示されることになった。
それは、遠くなれば遠くなるほど強くなっていくという、我々の常識とはかけ離れた性質。
この性質のために、クォークやグルーオンは、陽子や中性子の内部の狭い領域では、自由に動き回っているということが、実験によっても明らかになっているという。

 クォークからグルーオンが放出される時、そのクォークの色荷は変わる。
そしてグルーオンを受け取ったクォークはまた、色荷を変えるのだという。
そう考えると計算のつじつまが合うらしい。

クォークの世代とはどういう事か

 色荷というのは、質量などとは全然関係ないものである。
しかしクォークの種類の違い。
アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトム。
これらはそもそも、質量などが違うから、別の種類だと認識されているわけである。
これらの種類は普通、世代として分けられる。
アップ、ダウンが第1世代。
チャーム、ストレンジが第2世代。
トップ、ボトムが第3世代である。

 弱い力のやり取りの際に、陽子や中性子、つまりクォークが、WボゾンやZボソンを放出したり受け取ったりする時、色荷は変わらないが、 世代内での種類が変わるとされる。
例えば、ダウンクォークがWボソンを放出して、 アップクォークになったりする。

 弱い力は、ニュートリノと電子を入れ替えることもある。
面白いのが、クォークと同じように、電子とニュートリノにも、各々3つずつの種類がある。
そして、これらもまた世代と言われる。
電子、ミュー粒子、タウ粒子。
そのそれぞれに対応しているのが、電子型ニュートリノ、ミュー型ニュートリノ、タウ型ニュートリノである。

 電子やニュートリノに色荷はない。
つまりこれらには、強い力が働かないとされている。

弱い力はパリティ対称性を破るか

 弱い力は粒子の崩壊を招く力。
だがこの力もあまり遠くまでは機能していない。
一方で電磁気力はかなり遠くまで、言ってしまうなら、宇宙の果てまでだって作用するとされている。
これは電磁気を伝える粒子である光粒子の質量がゼロだからである 。
質量がある粒子は、計算上、空間を伝わる際に、その距離が長くなれば長くなるほど、指数関数的に力が下がっていってしまうのである。
これでは一定以上の距離がある場合に、機能しないのは当たり前である。

 問題は、弱い力の崩壊が、パリティ対称性を破っているかのように思える時があること。
反物質 「反物質」CP対称性の破れ。ビッグバンの瞬間からこれまでに何があったのか?
 後に、実際にパリティ対称性は破れる事があると証明されたが、そうなると、なぜ弱い力はパリティ対称性を破れるのか、という事の方が問題になってくる。
そもそもそれが破れること自体が、常識的におかしいのである。

粒子のスピンの向き

 粒子はスピンという性質を持つ。
このスピンというのは、実際にはどうあれ、角運動量として定義される。
そしてその向きは、粒子の進行方向に向かって時計回りだったり、反時計回りだったりする。

 ある時、ファインマンをはじめとする何人かの物理学者は、弱い力が時計回りのスピンの素粒子だけに働くとしたらどうか、というアイデアを思いついた。
そうだとすると、理論上、パリティ対称性は破れるのだ。

 しかしここで問題があった。
ファインマンらの理論通りだとすると、WボソンやZボソンを放出したり、受け取ったりできるのは、進行方向に対して時計回りのスピンを持つ粒子だけということになる。
では、進行方向に向かって、時計回りのスピンを持つ粒子があったとして、仮にそれを、それ以上の速度で追い越した人が振り返って見たとする。
するとそれは、追い越した人の視点からは、反時計回りのスピンの粒子となってしまう。
だが、追いかけっこして追いこしてしまったら、性質が変わるという事など、ありえるはずはない。

 ここで一つ、問題を解決するために、またわけのわからないアイデアを導入しなければならない。
それはつまり、粒子に質量というものがないということ。
原理的に質量がないならば、光子がまさにそうであるように、常に光速で動くしかない。
だが、相対性理論によると光より速いものは存在しないから、追い越すことなどは決してできない。
つまり追いかけっこで追いこしてしまった場合のことなど、想定する必要がなくなる。

 だが明らかに、クォークや電子には、質量が存在している。

スティーブン・ワインバーグの登場。対称性の自発的破れ。真空の相転移

 実はヒッグスが提唱したヒッグス場の概念は、当時まだよくわかってなかった強い力について説明するためのものだった。
だがそれは間違っている。
強い力ではなく、弱い力と電磁気力にこそ、この理論を使うべきと考えたのが、スティーブン・ワインバーグだった。

 彼は後に述べる。
「私たちは正しい答えを持っていたが、間違った質問に答えようとしていた」

 彼によると電磁気力はもともと、弱い力と同じものだった。
それが真空の対称性の自発的破れ、真空の相転移によって、ふたつの力に別れたのだという。
インフレーション 「インフレーション理論」ビッグバンをわかりやすくした宇宙論
 空間の相転移時に、ヒッグス場は、弱い力を伝えるボソンに質量を与えた。
それで、同じく宇宙全体に伝わるはずだったふたつの力は、片方だけが遠くに伝わる力となった。

光子はなぜ質量0か

 しかしヒッグス場は、どのように素粒子に質量を与えるのか。
ヒッグス場にあるものは、力ではなく質量を与えられると考える。

 例えば、電磁場の影響を受けるのは、電荷を持つもののみ。
同じくヒッグス荷とういうものを持つ素粒子だけが、ヒッグス場の影響を受ける。
光子は、このヒッグス荷を持たないから、質量がないのだ。

 素粒子の質量は、ヒッグス荷×ヒッグス場の強さの値に等しい。
そこで、ヒッグス荷や、ヒックス場の数値を逆算することすら可能とされる。

標準理論はヒッグス粒子発見で証明されたか

 ヒッグス粒子は見つかったとされている。
2012年頃のことだ。
粒子加速器によって、それらしき粒子が観測された。

 では、標準理論というのは正しいのだろうか。
おそらく今の段階であっても、ひも理論と同程度ぐらいの可能性というのが正しいと思われる。
11次元理論 「超ひも理論、超弦理論」11次元宇宙の謎。実証実験はなぜ難しいか。
 まずもって、謎は多すぎる。
素粒子の質量、そしてそれらをつなぎとめる全エネルギー。
これらは我々が存在しているこの宇宙の中で、たった5%程度のものとされている。
残りの95%は謎のエネルギー、謎の物質なのだ。
ダークな世界 「ダークマターとダークエネルギー」宇宙の運命を決めるモノ
 ブラックホール情報パラドックスのような問題も、おそらく標準理論の世界観の中では解けない。
「ホログラフィック原理」わかりやすく奇妙な宇宙理論
 標準理論というのがここまで有名なのは、いくつかのこと。
例えばヒッグス粒子がまさにそうだが、そういう発見を予言していたからにすぎない。
ただ、それまであった矛盾のほとんどを解決したと言うには、解けてない謎はあまりに多すぎる。

 よくこの宇宙は、作られているかのように、どの要素の数値も絶妙な数だと言われる。
だがそれは……。

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