ロック鳥。実在した飛べない鳥との関係
エピオルニスの卵
1848年のこと。
アフリカ南部の東沖に横たわる、マダガスカル島(Madagascar Island)に向けて出航した、フランスの軍艦の船医ジョリフ(Joliff)は、日記にこう書いた。
「友人の商人デュマレル(Dumarel)から聞いた話。
少し前、島の北西部にあるレバン港近くのジャングルで、とても大きな卵の殻を発見したという。
卵は、ワインのボトルが13本ほども入るほどの大きさ。
こういう巨大な卵は稀にしか見つからない。
そしてその卵を産む巨大な鳥に関しては、さらに珍しいらしい」
時期を考えると、デュマレルが発見したという卵は、おそらくは1800年代に絶滅したとされている、巨大な鳥エピオルニス(Aepyornis。Elephant bird)のもの。
エピオルニスは、ダチョウ(駝鳥)に似た飛べない鳥で、最大のものは高さ3.5mにもなったとされる。
その卵も、直径35cmほどと、かなり大きかった。
「鳥類」絶滅しなかった恐竜の進化、大空への適応
アラビアンナイト的幻獣
マダガスカル島の巨大な鳥、ロック鳥(Roc)の話は、ヨーロッパよりも先に、アラビアの方に伝わった。
ロック鳥は、途方もなく大きく、力の強い鳥で、もちろん普通に空も飛べる。
それどころか、ゾウ(象)を掴みながらでも、簡単に飛べるとされる。
「象」草原のアフリカゾウ、森のアジアゾウ。最大級の動物
翼を広げると昼でも暗くなるとか、巨大な木に巣を作るとか、怒るとウシ(牛)をもひと蹴りで殺すなどと伝えられている。
昔、この島にやってきた、アラビアの探検家たちが見たものは、おそらくエピオルニスだった。
この巨大な鳥の話の話が、人づてに伝わっていくうちに、巨大なロック鳥の伝説が生まれたのだろうと考えられている。
羽はバショウの葉か
13世紀頃。
ヨーロッパに、ロック鳥の話を広めたのは、マルコ・ポーロ(Marco Polo。1254~1324)とされる。
1294年。
彼が立ち寄った島は、「マガスタル島」だったという話もあるが、記録にどう書かれてようと、彼が立ち寄った島はマダガスカル島だったと思われる。
もちろん彼は、巨大な鳥を自分の目で見たわけではない。
住民から、そういうふうな鳥の話を聞いただけである。
ただし彼は、その鳥のものらしい1メートル以上のサイズの羽を入手している。
しかし後に、それは乾燥させた、バショウ(芭蕉)という植物の葉ということが判明した。
マダガスカル島の動物でない象
ロック鳥がマダガスカルの鳥だとすると、明らかにおかしな事のひとつとして、マダガスカル島には象が生息していない事が挙げられよう。
そもそも、このような空飛ぶ巨大な鳥が、ひとつの島のみを生息域としているというのも、なんだか妙な話に思えなくもない。
これに関してはこういう話もある。
ロック鳥は、自身の住んでいる島のみでは、餌をまかないきれないので、インドやアフリカまで飛んできて、大型動物をさらうのだという。
ちなみにロック鳥は、巨大動物を掴んで、空高く舞い上がり、落とすことで、その動物を殺すのだとされる。
蹴るのは、怒った時だけなのだろうか?
サンダーバード。ビッグバード。新世界の巨鳥
巨大な猛禽類か、翼竜か
北米にも古くから先住民たちに、巨大な鳥サンダーバードの伝説が伝承されてきた。
また、そのサンダーバードと同一なのか、もしくは似たような種なのか、あるいはサンダーバードをも含む大きな分類なのかは、よくわからないが、ビッグバードというのも伝えられている。
「精霊の一覧」アメリカ先住民の宗教世界の住人たち
ビッグバードは、翼開長が3〜10メートルほどの巨大な鳥で、アラスカ州、アリゾナ州、ニュージャージー州などに生息している、という噂がある。
外見は、猛禽類のようだと言われる事もあれば、翼竜のようだとされたりもする。
「猛禽類」最大の鳥たちの種類、生態、人間文化との関わり
翼竜は、恐竜と共に絶滅したはずの、空飛ぶ爬虫類である。
「恐竜」中生代の大爬虫類の種類、定義の説明。陸上最強、最大の生物。 「翼竜」種類、飛行能力、進化史。恐竜との違いはどのくらいか
アルゲンタヴィスとサンダーバード伝説
サンダーバードは雷を引き起こすという巨大な鳥。
1つの説として、アメリカ大陸には古くから様々な巨大鳥が存在し、それらの話が長い時間かけて、語りつがれる間に統合され、ひとつの怪鳥を生み出したというものがある。
絶滅したという、巨大コンドルのアルゲンタヴィス(Argentavis)や、テアトルニスコンドル(Teratornis Condor)などが、現在も生き残っているという説もある。
ビッグバードの目撃証言いくつか
1865年。
アリゾナ州トゥームストーンで、10mくらいのビッグバードが、撃ち落とされたという。
しかし伝えられるその外見は、鳥というよりも翼竜に近かったと言われる事もある。
1977年。
イリノイ州ローンディールで、10歳の少年が3mほどのビッグバードに掴まれて、さらわれそうになった。
2002年10月には、アラスカ州南西部で、4mほどのビッグバードが出現。
数週間にわたり、数箇所で目撃されたという。
その外見は猛禽類のようだったという。
鵬。魚が変身した巨鳥
西遊記や封神演義にも登場
鵬という巨大な鳥は、あまりにも巨大なために、翼を広げると、太陽の光を遮ってしまうと伝えられる。
この鳥は遥か古代から存在していたらしく、かなり神的な性質を帯びているとされる。
鵬は、伝説によると、北方の海に生息する、鯤という魚の変身した姿らしい。
「魚類」進化合戦を勝ち抜いた脊椎動物の始祖様
天を覆うほどに、とてつもなく大きいという。
西遊記や封神演義でも記述が見られ、特に西遊記では、鵬の魔王は、1回羽ばたけば、9万里(1200キロメートル?)飛ぶことができるとしている。
「封神演義」神仙たちの殷周革命。いくつかの翻訳、バージョンの比較
巨大すぎる糞と羽
鵬は、その空飛ぶ巨体から落とされる、糞や羽が、家や人をつぶしてしまう事もあり、大変危険だという。
1702年の春のこと。
広東省、海南島の海近くのとある村で、突然、鵬が上空に現れたとされる。
まさに夜のようになり、人々は逃げ惑い、大雨が降った。
そして翌日、人々が避難先から村に帰ると、家という家が、巨大な糞や羽によって破壊されていた。
糞から漂ってきたのか、非常に魚臭かったそうである。
また、羽の色は黒かったという
それと古くは、日食は鵬のせいにされていたらしい。
鳳凰。鳥の王
鵬との違い
鵬と関係あるのか、いまいちよくわからないのが鳳凰であろう。
昔、鳥類は360種と考えられていて、その360種の長たる神鳥と伝えられている。
鳳凰というのは一羽の鳥のことではなく、鳳というオス鳥、凰というメス鳥をセットとした呼び名らしい。
もともとは単に鳳だったらしい。
鵬も鳳凰も、伝説上の存在ということに変わりはないだろうが 、どちらかというと、鳳凰の方が神とかに近いイメージである。
朱雀との関係
中国にて、四つの方角などを象徴する四神動物のひとつとして、白虎、青龍、玄武と共に数えられていた時期もあるようである。
しかし、やがて鳳凰は抜けて、朱雀が代わりになった。
この朱雀という鳥もわりと謎で、鳳凰と同一種だという説もあれば、単に神格のある鳥をこう呼ぶという説もある。
いずれにせよ鳳凰は、古くは風の神として祀られていたようだが、時代が下ると、どういうわけだか、火の精と考えられるようになっていったらしい。
もしかすると朱雀は、火を司る存在としての鳳凰の呼び名なのかもしれない。
美しい歌声。水と竹の実だけの暮らし
よく歌う鳥で、その声自体も楽器の音色のように美しかったらしい。
雌雄で互いに違う音を出し、調和させ、素晴らしい音楽を生んだと言われる。
外見については、頭がニワトリ、顎がツバメ、首がヘビ、背中がカメ、尾が魚、そして翼は5色に輝いていたという話もある。
神聖な文字が模様として浮きでていたとも伝えられる。
いずれにしても、その大きさはせいぜい2〜3メートル前後くらいで、この点に関しては、鵬に比べて圧倒的に小さい。
鳳凰はまた、冷たい泉の水しか飲まず、竹の実しか食べないとされる。
めでたいことがあると現れるとされ、立派な王が誕生した時に目撃されるとも言われる。
コンガマト。翼竜の生き残りともされるコンゴの怪鳥
コンゴや北ローデシアには、空飛ぶ怪物、コンガマト(Kongamato)の噂があるが、これは太古の昔に絶滅したはずの空飛ぶ爬虫類、翼竜に似ているともされる。
そもそもこの生物をヨーロッパに紹介したという旅行家、フランク・メーランド(Frank Hulme Melland。1879~1939)はすでに、図鑑に載っている翼竜の一種プテロダクティルス(Pterodactylus)こそ、まさしくこの生物そのままだという、原住民の証言を得ている。
地域により、アイラリ、バジグイ、ガコウラなどの別名も持つというこの生物には、体毛がなく、長い嘴には鋭い歯を持っていて、翼を広げた大きさは2メートル以上で、カヌーをひっくり返せるほどの力を有するという。
1932年。
動物学者のイワン・サンダーソン(Ivan Terence Sanderson。1911~1973)が、カメルーンのアスンポ山中で、この生物に襲われたのだが、水中に飛び込んで難を逃れたらしい。
翼を広げたその大きさはおそらく3.5メートルほどだったという。
コンガマトかと思いきや、 その場を目撃した原住民たちによると、オリアチウという種らしい。
ちなみにサンダーソンは、UFO現象など超常現象の研究家として名を馳せることになる人物である。
この生物に関して、翼に毛がないか、確認しにくいところはコウモリ(蝙蝠)を思わせるともされるが、通常コウモリに嘴はないし、体にはしっかり毛がある。
ただ嘴の歯という特徴は、(歯ではないが)嘴の縁に刃のような突起が並ぶオオサイチョウ類の鳥類のそれでないかという推測もあるという。
「コウモリ」唯一空を飛んだ哺乳類。鳥も飛べない夜空を飛ぶ
この種はアフリカに分布していて、興奮すると、結構激しい羽音や、獣のような声を響かせることがあるらしい。
またその大きさも、最大の種では、2メートル近くに達する場合もあるという。
ローペン。魚を引きつける光
パプアニューギニアのウンボイ島で、時に目撃されるというローペン(Ropen)もまた、翼竜の生き残りと噂される怪物である。
翼開長は、2~7メートルほど。
毛がない滑らかな皮膚に、コウモリに似ている翼、細くてワニに似た歯がある嘴、後頭部にトサカのようなものと、まさしく翼竜のイメージではある。
特に興味深いのが、エサとなる魚を引きつけるために、自らを発光させる能力を持つという噂であろう。
その名前は現地において、「飛行悪魔」の意味だという。
この名はまた、飛ぶ際に短時間光る夜行性飛行生物を指すともされる。
元の民間伝承では、コウモリのような生物という説が有力。
一般的には、1935年の、イブリン・チーズマン(Evelyn Cheesman)の目撃が、ちゃんと記録に残る最初のものとされている。
彼は、進化論者で、有名だった昆虫学者である。
ただし彼は、それを翼竜のような生物でなく、地元で噂されている謎の発光体というふうに述べているという。
サリマノク。幸運を運ぶ、虹色の精霊鳥
フィリピンは、ミンダナオ島の、マラナオ人(Maranao)が語り継ぐ、伝説的な鳥、サリマノク(Sarimanok)。
その名前は、「多色なニワトリ」というような意味とされる。
マラナオ芸術において、くちばしや爪で魚を持った、カラフルな羽毛の鳥として、よく描かれている。
この鳥は、幸運の象徴でもあるようだ。
あるいは、その螺旋的に描かれる頭の飾りが、幸運を呼ぶのだという。
サリマノクは、マラナオの精霊鳥イトトロ(Itotoro)に由来するという説がある。
イトトロは、双子の精霊鳥であり、そちらは実態としては現れないイニカドワ(Inikadowa)の、精霊世界の媒体ともされる。
つまり、こちら(イトトロ)は、イニカドワの物質世界の媒体ということなのだと思われる。
サリマノクの数多くの伝説の中でも、その美しさと優しさから、多くの人に愛された、スルタン(イスラム国家の特定地域権力者)の娘サリーの話は、起源として特に興味深いとされている。
彼女の18歳の誕生日に行われたパーティーの席で、ニワトリの肉が突然、王子さまへと変身した。
王子は自分が、サリーが生まれた時から見守ってきた者であり、旅立ちの時がきたので現れた、と語った。
そして彼は再びニワトリとなって、サリーを太陽の国へと連れ去ってしまう。
愛する娘を失ったスルタンは悲しみ、せめて彼女がそこにいた証にと、彼女と彼女を連れ去るニワトリを芸術家に描かせたものが、サリマノクなのだという。
ワクワク。吸血鬼か魔女か
フィリピンの民間伝承に登場するという、ワクワク(Waqwaq)は、吸血鬼か魔女ともされる、鳥らしき生物。
「吸血鬼」能力、弱点、退治方法。生ける死者、闇の貴族の起源 「黒魔術と魔女」悪魔と交わる人達の魔法。なぜほうきで空を飛べるのか
フィリピンという国にはそもそも、 コウモリと関連付けられる吸血鬼の噂が多くあるが、ワクワクはその中でも鳥のイメージが強い方らしい。
ただし、この鳥(?)も、翼はコウモリによく似ているとされる。
ワクワクというのは、この生物が翼を羽ばたく時に響き渡る音の表現ともされる。
グリフィン、あるいはグリフォンの記録
鷲の上半身に、ライオンの下半身を持つとされる、基本的には巨鳥とされるキメラのグリフォンは、アリマスポイ族の伝説に登場するグリフィンと同じという説。
あるいはまったく違う生物という説の両方がわりとポピュラー。
「謎の人間たち」旅行者、哲学者たちの噂話。神話、民間伝承の奇形
マンデヴィル(Sir John Mandeville。~1372)は、バカリア(Bacharia)という地方に、グリフォンが多く生息しているとした。
それらはよく語られるように、しっかりとワシとライオンの合成生物だが、そのどちらよりも大きく強いらしい。
ウマに乗った人を、ウマごと掴んで飛んでいったりすることもあるという。
オラウス・マグヌス(Olaus Magnus。1490~1558)は、東洋の巨鳥グリフォンは、アリビアンナイトのロックに似ているとする。
マルコ・ポーロも、 マダガスカル(マガスタル)の方にある、潮の流れが強いためになかなか船ではいけない島々に、グリフォンは実在しているが、それはあくまでも、巨大なワシとしている。
というか、それがロックらしい。
木から生まれるフジツボガン
フジツボガンは、基本的には11~17世紀ぐらいにかけて、結構広く信じられていたとされている、木から生じ、水中に落下するという奇妙な鳥である。
ジラルドゥス・カンブレンシス(Giraldus Cambrensis。1146~1223)は、1187年に、フジツボガンについて書いているという。
それによると、沼地のガンに似たベルナカ(Bernacæ)と呼ばれる不思議な鳥は、海に投げ捨てられたモミ材などから発生する。
最初の内は、モミの木にとまったガンのようにも見え、やがてその嘴で、モミの木に海草のようにぶら下がり、その身を貝殻に包む。
そして貝殻の中で、木や、海の湿気なとから栄養を摂取し、十分に成長すると、そこから出て、水中へと落ちたり、空へと飛び去って行ったりするのである。
そもそもその発生段階の状況からかなり明らかなことではあるが、どうもこの生物に関して、卵(?)がどのように生まれるのかは謎らしい。
おそらくは通常の生物のように、オスとメスの交わり(受精)によるものではないという。
フジツボガンはアイルランドの海岸地帯の木において、生じる現象という説もある。
同じように、スコットランドでは木からカモが生まれるという伝承があるともされる。
ゼバスティアン・ミュンスター(Sebastian Münster。1488~1552)などは、「スコットランドには、葉が集まって実をつけるという木があり、その実は十分に熟すと、海中に落下して鳥となるという。その鳥を人々はガンと呼ぶ」というように語っているらしい。
実のところ、フジツボガンの伝説は、単に生態が詳しくわかっていなかった、カオジロガン(Branta leucopsis)なる鳥に関して持たれた勝手なイメージとされる。
地下で冬眠するヤマシギ
ヤマシギ(Scolopax rusticola)も現実の鳥だが、古くは妙な噂があったという。
とても寒い地域に生息するこの鳥は、ほぼ真っ黒だが、短い尾の先端と翼の先に、いくらか白い羽毛が見られるとされた。
ただ、独特なのが、その冬の過ごし方。
この鳥は、雪が地表を覆い始めた頃に、カンバ(樺)の実を、喉が体よりも大きく膨れるくらいに大量に貯めていく。
そして、それぞれが雪の中に潜り、暴風と共に長期間振り続ける雪ばかりの1~3月くらいにかけて、 喉の食べ物を少しずつ飲み込んで、雪の季節の終わりまで生き延びるそうだ。
目が覚めるのは早いようで、この鳥を雪の中から掘り出した漁師には、かなりの素早さが求められる。
急いでこの鳥を捕まえなければ、さっさと飛び去ってしまうのだ。
そして、まだ雪が降り続ける中で目覚めた場合は、この鳥は再び十分な食料だけ確保して、雪の中で眠りにつくという。
この鳥はしっかり目覚めている時期に、山の中で卵を産むと言うが、生まれた雛の世話は、オスとメスが交代で行う。
基本的に大群で飛び、木の上のものばっかり食べるために、繁殖と冬眠の時以外に地上に降りてくることはほぼないという。
繁殖の時期も冬で、雪が積もってきた原っぱの上を、低空で飛びながら交尾すると伝えられた。
この世界でたった1羽だけのフェニックス
フェニックス(不死鳥。Phoenix)は通常、世界に1羽しかいないとされていることが多い。
ヘロドトスがギリシャに紹介したともされるこの生物の原型は、エジプト神話に登場するという、謎の鳥ベンヌ(Bennu)らしい。
ベンヌは太陽神ラーの従者鳥で、毎晩神殿にて、炎で焼かれ、翌朝に復活するという不死鳥らしい。
また、学識ある、ローマの元老院議員マニリウス(Manilius)は、以下のように伝えているという。
「誰も、その鳥が何か物を食べるところを見たことがない。 その鳥はアラビアにおいては太陽に身を捧げる鳥とされ、500年もの寿命を生きる。そしてついにその最後の時が来ると、木の皮や、芳香性の小枝で巣を作り、そこをいろいろな香料で満たした後に、死んでしまう、すると、その骨の髄から小さな虫が飛び出てきて、それはまたやがて鳥へと変わる。その新たな鳥が、前のフェニックスの遺体を、巣ごと、パンカイアの太陽市へと運び、その祭壇へと置く」