ポルターガイスト現象は意図しない超能力か
例えばポルターガイスト現象は、思春期の子供。
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そうでなくても、20歳以下の子供の周辺でばかり起こるようである。
そこで、精神的に不安定な者が、無意識の内に秘めたる超能力を発動してしまっているのではないか、という解釈がある。
意図しない超能力の暴走が原因で、 ポルターガイストのような現象が起きている考え方は『超ESP仮説(Super-ESP Hypothesis)』、あるいは『超PSI仮説』とか呼ばれる。
サイキックとサイ圏
超能力のことを、『サイ(PSI)』と言い、超能力者は『サイキック(Psychic)』と呼ばれる。
和製英語のようだが、サイキッカー(超能力者)という言葉もある。
これら自体は、「心」や「魂」を意味するギリシア語「psyche」由来である。
一般的に超心理学者が、サイというものについて科学的に扱おうとする場合、『サイ圏(PSI field)』というものが定義されることも多い。
これはようするに、電磁気を考える時の電磁場のような、場の概念である。
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サイキック、あるいは誰しもがその場にいる時、その周囲にはサイ圏が発生し、そのサイ圏内で超能力現象は起こりうるとされる。
例え超能力というのが、かつてニュートンが想定したような、宇宙の端から端まで一瞬で伝わるような引力であるのだとしても、サイ園の考え方は有効である。
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単にこの宇宙全体が、その誰かのサイ圏というだけの話だ。
サイ圏の共有、妨害
サイ圏が個々の人がそれぞれに持つのか、サイキック間で共有するものかはわからない。
ただ、例えばポルターガイスト現象を超能力のせいだとしよう。
ポルターガイストは、たいていの場合、特定の人物の周囲だけで起こる。
これはある人のサイ圏という考え方に説得力を持たせる。
また、ポルターガイストは、事件の当事者や、その周囲の人たち以外の、外部の人間(例えば調査しに来た超心理学者)が関わってきたとたんに、現象がなくなるということが多い。
これに関して、外部の人間が当事者の、サイ圏に何らかの影響を与えているという可能性はある。
サイキック能力に限界はあるか
サイ圏を定義する場合、 その性質に関して従来の物理法則が通用するものなのかどうか、というのも意見がわかれるところであろう。
ただもしも、従来の物理法則が通用しない。
全く未知の何かが働いているというのなら、今のところ、それがどういうものなのか全く見当もつけようがない。
決まった法則がないという可能性すらある。
もしも決まった法則がないというのなら、それはもう科学的に考えることもできない。
完全にファンタジーである。
一方で、従来の物理法則が当てはまると考える場合、サイ圏で超能力がどのように働くのかを、ある程度は推測することができる。
例えばサイで、エネルギー保存の法則を破ることができないのなら、サイ園内で及ぼす影響には、どうしても限界があることになる。
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二つの分類。ESPとPK
サイは、主に二つのタイプに分類できるとされている。
『超感覚的知覚(Extrasensory Perception)』、あるいは『感覚外知覚(Extra Sensory Perception)』、『ESP』と呼ばれるもの。
それと『念力(Psychokinesis)』、『PK』である。
ESP。超感覚的知覚。
一般に感覚外知覚(ESP)は、『テレパシー』、『プレコグニション(予知視)』、『クレアボヤンス(千里眼)』などの、精神作用的な超能力のことである。
テレパシーは、音や視覚情報、直接的なふれあいなしで、思考を相手に伝えたり、逆に相手の思考を読み取ったりするという能力。
予知視は、 今後起こる出来事を、 それが起こる前に把握する能力。
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千里眼は、障害物に隔てられた先にあるものや、普通の知覚では得られないほど遠く離れた地点の情報などを、(おそらくは)視覚情報として得ることができる能力。
PK。念力
念力(PK)は、直接的に力を加えることなく、物体を動かしたり変形させたりする超能力。
サイコキネシス(PK)とほぼ同じような言葉に、『テレキネシス(TK)』というのがある。
これらの区別は曖昧であるが、直接触れているものに影響を与える念力をサイコキネシス、離れたところにある物質を対象とした念力がテレキネシスと、区別されることも多い。
ポルターガイスト現象は、念力の暴走とされることもある。
そういう、意図しなく発動する念力を、『反復性偶発性念力(recurrent spontaneous psychokinesis。RSPK)』とも言う。
また、PKで『マインドコントロール(精神操作)』、つまり人の心を操れるかどうかという点に関しては、諸説ある。
PKによる精神操作は、暗示や思い込みなどを利用する催眠術のようなのとは違って、まさしく心を、意のままに操るもの。
それと、空間内のある地点からある地点へと、瞬時に物質を移動させる『テレポート(瞬間移動)』も、普通はサイコキネシスの一種とされる。
超能力の種類の紹介と考察
テレパシー。情報はどのように伝わるのか
テレパシーは思考を伝え、あるいは読み取る能力だが、思考とはそもそも何か。
これは意識の問題に関わってくるように思う。
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心の声を読み取るとなると、かなり想像しにくい。
しかし、例えばある人物の感覚情報全てを擬似的に再現し、全く同じ情報を知覚したりできるならどうか。
あるいは神経回路の伝達パターンとかも真似できるなら、考え方すらも、まったく似せることができる可能性もある。
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この世界のどこにどの情報が保存されているか。
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必要な時に、その情報を得ることができるなら、実質的にテレパシー能力を実現することは可能かもしれない。
プレコグニション、予知視。悪い結果を避けれるのか
予知は難しいが、予測ならごく簡単であろう。
例えば人工衛星から地球を見て、雲の位置を確かめて次の日どこの地域の雨なのかどうかというのを、予測したりすることができる。
予知能力者が予知をしているというとき、いったい何を知っているのか。
何かを見たのか、それとも何かを聞いたのか。
一つ確かなことは、何かを見たにせよ、何かを聞いたにせよ、何かを感覚的に理解したにせよ、とにかく、それが未来の情報であるということを、予知能力者は理解しているということである。
例えばあなたが夢で、 次の日に隕石が降ってくるとか、そういう本当の未来を見たとしよう。
実際に隕石が降ってくるまで、それが未来なのかどうか、普通は確信できないのではなかろうか。
また仮に、実際に隕石が降ってきたとしても、それが単なる偶然なのかどうかはわからないはず。
何度もそういうことがあって、自分の予知能力を自覚したというのだとしても、いったい自分が何かを見たときに、それが予知なのかどうかわかるものなのだろうか。
常に予知を見ているとか言うのなら、今の人にそれを警告することも難しくなるのではなかろうか。
おそらく予知能力なんてものが本当にあるのだとしても、自分でそれを予知能力だと確信するまでには、長い時間を要するだろうと思われる。
また予知した未来は決定している未来なのだろうか。
予知した情報を外部に漏らすことで、その未来が変わってしまったりということはないのだろうか。
そうなると、それは果たして予知と言えるだろうか。
何かが起きた時に、「それは予知されていた」というような話はよく聞くが、しかしそれが悪い結果ならば、それを変えようとしなかったのはなぜだろうか。
変えられない結果なのかもしれないが、もしそうならば、予知していたとか、私は予知能力者だとか、自称するのは、単に目立ちたいからなのだろうか。
いずれにせよ、 絶対に当たる予知能力というのは、悪い結果を避けるという意味では、役に立たない能力なのかもしれない。
クレアボヤンス、千里眼。見るというのはそもそもどういう事か
千里眼は、テレパシーと同じ原理で、かつテレパシーより簡単に実現できそうではある。
単に、世界中のどこの情報でも読み取ることができるのならば、実質的にその能力は千里眼ということになろう。
もしも千里眼が、文字通りの視覚能力だというのなら、種類はともかく、なんらかの光を利用しているはずである。
だから、光の全くない空間においてや、光を放たない物質に関しては、それで見ることはできないだろう。
単純に、壁を一枚隔てた向こうの人を千里眼で見る、ということを想像してみよう。
たとえば壁の向こうの人が、赤と青の服を着ているとする。
光は基本的には光子と呼ばれる粒子の塊であるが、それらの波長が短ければ、壁を構成する原子の隙間などを、すり抜けることが可能となる。
そのすりぬけた光のみを利用して、壁に阻まれた向こうの人の形を判別することは、確かに可能かもしれない(実際、レントゲンという技術がある)。
問題は、物体の色の情報というのは、光の波長に関係しているということである。
だから波長の短い光のみを利用して、我々が共通認識している色を、正確に識別するというのは、難しそうである。
我々がイメージするような、そのまま見るというような感覚で見る千里眼は、実のところ、我々が見るためのものとは、まったく別の機構で行われている可能性が高い。
サイコキネシス。本当に物質は動かされてるのか
サイコキネシスという能力において、物質を動かしているのは、どのような力なのであろうか。
まず二つのパターンが考えられる。
一つが、サイキックから放たれる何らかの力が、物質へと向かい、そして物質に働きかけるというパターン。
もう一つが、力というよりも何らかの因果関係が、物質とサイキックとの間に生じ、直接的に認識できるようなつながりを持たずとも、物質の操作を実現している、というパターン。
例えば音は、楽器が揺れたりして、空気に振動を与え、その振動が空気の中を伝わってきて、最終的に人の耳に届いたりしている。
同じような感じで、サイキックが空間上に放った力が、空間内を伝わり、物質にたどり着いて、それに働く。
もしそういうことならば、何かを動かそうと思って、その物質に対し力を放った後、それが届く前にその物質を動かしたりすれば、操作を無効化することもできるかもしれない。
しかし一般的なサイコキネシスのイメージといえばやはり、何らかの認識できない繋がりによるコントロールだろう。
ただ、その認識できない繋がりというのが、かなり考えづらい。
なぜ繋がることができるのに、それを繋がっていると知ることができないのか。
マインドコントロール、精神操作。心を操るなどほんとに可能か
心を意のままに操るとは、どういうことを指すのだろうか。
脳や神経に影響を与えて、思考回路をコントロールするということか。
直接的に脳や神経回路に傷をつけたり、変形させたりするのではないと思われる。
それならば、おそらく人格が壊れる。
そうなったら、精神操作というより、精神崩壊である。
あくまでも、その者を傷つけずに、心だけを操るというのならば、考えられるとするなら、擬似的か実在的にかはともかくとして、新しく用意した神経回路などを、ターゲットのものと繋げることによって、元の神経回路を傷つけることなく、その思考パターンのみを、変形させたりか。
変換器的な発想である。
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テレポート、瞬間移動。それが可能な世界観
サイコキネシスで、物質ではなく空間に影響を与えた場合に、空間がねじ曲がったりというようなことが、よくSFで描かれたりする。
そうなった時に、そのねじ曲がった空間を進んで、離れた距離を一瞬で移動することも可能かもしれないが、それはいわゆる瞬間移動、テレポートとは違うとされる。
物理法則をあまり破綻させずにテレポートなんてもの実現させるとするなら、おそらくは世界情報の書き換え以外にはありえない。
例えば目の前の箱を10メートル離れた場所にテレポートさせたいとすると、そのターゲットの箱を構成する全て粒子の、空間上の位置情報を書き換えることができれば、テレポートはおそらく実現する。
現実の世界でそんなことができるのか、と疑問を抱きたくもなるが、よくよく考えれば、この宇宙はそもそもシュミレーションみたいなものの可能性だってあるし。
「宇宙プログラム説」量子コンピュータのシミュレーションの可能性
その他の超能力。サイコメトリー、念写、アポーツなど
上記で紹介した以外にも、様々な種類の超能力があるが、基本的には上記の能力のいずれかの応用(でなくとも上記の能力でまず実現できるもの)です。
原理的な考察はともかくとして、一応そこそこ有名なのを紹介しておきます。
『サイコメトリー』
おそらく、テレパシーの一種。
触れたりした物体に関する知識を、知ることができる能力。
「サイコメトリー」実在性と仕組み。人智学と神智学の機構
『ポストコグニション(過去視)』
得る情報が過去のものというだけで、基本的には予知視と同様な技と思われる。
『レビテーション(空中浮遊)』
おそらくは自分をサイコキネシスで動かす技。
『ソートグラフィー(念写)』
どこかの情報や情景などを、紙などに画像として発生させる能力。
クレアボヤンスと、テレパシーかサイコキネシスの合わせ技と思われる。
『アポーツ』
テレポートと同じ原理と思う。
遠くにある物を自分の近くに瞬時に引き寄せたり、いきなり出現させたりする技。
『アスポーツ』
アポーツの逆、近くの物体を遠くに瞬時に移動させたりする。