目次
- 雪女。猛吹雪の夜の美女
- 口裂け女。一時のブームだった都市伝説妖怪
- 二口女。謝れ謝れ
- 影女。月に照らされた謎の影
- 濡れ女。女でなく化け物
- 雨女。雨の神の堕落した後
- 磯女。海岸の吸血鬼か
- 倩兮女。ケラケラ笑う
- 高女。美女を装った醜女
- 七尋女。長面妖女
- つらら女。おそらく雪女よりもおしとやか
- 針女。金縛り能力を持つ妖怪
- 夜行遊女。かなり意味がわからない話
- 山女。山姥とは全然違う
- 小豆婆。小豆洗いの仲間か
- 山婆。姥捨て山とは関係あったか
- 砂かけ婆。鳥の落とした砂か
- 泣き婆。本当にいた葬式の泣き女
- 白粉婆。脂粉仙娘に使える老婆妖怪
- 鍛冶婆。白い毛の狼妖怪
- 小池婆。狼を従える(?)巨大化け猫
- 隠れ婆。かくれんぼの恐怖
- 古庫裏婆。山寺に潜む妖怪的異常者
- 蛇骨婆。蛇塚とは何か
- 手長婆。水の底のばあさん。山のばあさん
- 納戸婆。古い家の、部屋の怖い話
- 吹き消し婆。火を消すだけの妖怪
- 疱瘡婆。天然痘の感染経路(?)
- 箕借り婆。一つ目小僧と一緒に
- 柳婆。柳の木の不気味な伝説
- 川姫。魂を吸い取る
- 清姫。蛇となった女
- 橋姫。女の嫉妬の恐怖
- 海女房。人魚の仲間か。河童の仲間か
- 青女房。古びた屋敷の待ち人妖怪
- 絡新婦。女郎蜘蛛か
- 山男。山の巨人妖怪
- 桂男。月に暮らす妖怪
- 川男。怖い話もしてる?
- ろくろ首。申公豹は妖怪?
- ペロリ太郎。食いしん坊の妖怪
- 敷次郎。炭鉱夫の亡霊
- 山爺。山の鬼の恐怖
- 百々爺。逃げても逃げても追いかけてくる夢
- 姥火。おばあさんの鬼火
- 老人火。火を操る妖怪天狗か
雪女。猛吹雪の夜の美女
雪女郎とも呼ばれる。
雪女は、猛吹雪の夜に現れる妖怪。
真っ白な肌の、真っ白な着物を着た女だというのが、典型的な容姿だが着ている着物は、赤い縞模様という証言もある。
遭難した人を、その美しい容姿で、誘惑するという話もある。
ただ単に、猛吹雪の夜を、顔を隠して歩いているだけという話もある。
その場合、決してその女に声をかけたりしてはならないとされる。
もし万が一、声をかけてしまったら、雪女はいきなりその本性を現し、襲ってくるのだという。
猛吹雪の中、遭難した人などは、よく幻を見たりするというから、信頼しにくい。
「イエティ」ヒマラヤの猿人伝説。隠れ潜む雪男 「視覚システム」脳の機能が生成する仕組みの謎。意識はどの段階なのか
口裂け女。一時のブームだった都市伝説妖怪
1979年頃に突如、日本中で目撃され始めた口裂け女は、しかし一時のブームだったのか、どこかへ行ったのか、あっという間に日本中から消えてしまったようである。
典型的な目撃証言が、マスクをした謎の女がいきなり話しかけてきて、自分は綺麗か、と問うのだという。
もしも、「綺麗です」と答えると、マスクを外して、その恐ろしい裂けた口を見せて、「これでも?」と聞いてくるのだとされる。
目撃証言の中には、ただ笑ってただけとか、通行人を食べたとか、人がどこかに連れ去られてしまった、というようなものもある。
二口女。謝れ謝れ
自分と血が繋がっていない子供を、ひどく扱い死なせてしまった母が、この二口女という妖怪になってしまうのだという。
あるいは、そのようなことをした女から、二口女が生まれるのだという。
母に出来る場合、頭にできてしまった口なのだが、この口はこの口で意思がある。
というか、どうも妖怪は、この後ろの口の方らしく、謝れ謝れとひたすらに言い続けるらしい。
一方生まれた場合の二口女も、口が前と後ろにある女で、やはりそれぞれに意思があるような感じ。
少なくとも、空腹感はそれぞれにあるようである。
「意識とは何か」科学と哲学、無意識と世界の狭間で
後ろの口が食事をする時は、髪の毛が蛇になり、箸の役割をするのだとされる。
影女。月に照らされた謎の影
男が一人暮らししている家に住み着くという女妖怪。
月に照らされた影としてしか姿を見せない。
小豆洗い、塗壁、うしろ神「見えない存在、実体なき妖怪」
窓に映ったり、鏡に映ったり、とにかく影の姿を映しまくり、しかし害はあまりないらしい。
それどころか、家主と普通に、友人関係を築くような例もあるようである。
まだ影女が現れる家には、化け物が集まるともされる。
ガゴゼ、土蜘蛛、一本ダタラ「化け物、モンスター妖怪」
本当に害がないのか、ちょっと怪しいかもしれない。
濡れ女。女でなく化け物
川や海に住む化け物妖怪。
ウミヘビの化身とする説もある。
蛇の化身というだけあって、真の姿は、蛇の体に女の頭というような姿ともされる。
「ヘビ」大嫌いとされる哀れな爬虫類の進化と生態
しかし普段は水場の近くで、その長い髪をひたすらに洗ったりしているらしい。
もしも近づくものに気づいた時は、急に襲いかかったりする。
その体、あるいはしっぽは、一つの町ぐらいの長さがあるとされ、万が一、見つかってしまった場合、逃げるのはかなり難しいという。
雨女。雨の神の堕落した後
何か予定を立てたら、その日その時に大雨になってしまうという哀れな人のことを、雨女とか雨男とかいう。
たがこの妖怪は、そのような話とは関係ない。
この雨女は、普通に雨を降らす妖怪である。
「雲と雨の仕組み」それはどこから来てるのか?
神の類とされることもある。
あるいは元々は雨神だったが、堕落してしまって妖怪に成り果てた存在という説もある
雨の日に、子供を失った女が、この妖怪になるのだという話もある
磯女。海岸の吸血鬼か
胴から上が女で、その下はなんだか、不定形なのだという海岸などによく現れる妖怪。
絶世の美女であるという話もある。
いずれにしても停泊している船を襲って、全員の生き血を吸うらしい。
そして血を吸われてしまった者は、後で死んでしまうという。
吸血鬼の類なのだろうか?
「吸血鬼」能力、弱点、退治方法。生ける死者、闇の貴族の起源
万が一出現しても、なんとか船をを出してしまえば、もう手出しはされないという話もある。
他に、髪の毛を3本着物の上に乗せてたらいいとか、瓦を3枚持ってたらいいとかいう防御法が伝わっている。
倩兮女。ケラケラ笑う
倩兮女という名前どおり、ケラケラ笑うという、でかい女妖怪。
巨人かのように巨大だというのに、その姿は一人だけにしか見えないという。
だから、倩兮女が現れたなどと、友人とかに言うと、また笑われてしまう。
多くのパターンが、人気のない道を歩いている時、後ろから急に笑い声が聞こえ、振り返ると倩兮女がいたというもの。
高女。美女を装った醜女
嫉妬深く、かつ男には相手にされないような醜女が、 高女になるのだとされる。
鬼の1種という説もある。
「鬼」種類、伝説、史実。伝えられる、日本の闇に潜む何者か
正体は醜女であるが、雷鳴の夜に井戸に飛び込み、美女に変身するのだという。
体を自在に伸び縮みさせる能力を持つ。
その長くなった状態の姿から、高女と呼ばれるのだ。
七尋女。長面妖女
七尋女房とも呼ばれる、首あるいは顔が長い女。
突然現れ、石を投げてきたりするという。
提灯持って夜の道を行く顔が妙に長い女、という長面妖女なる妖怪もいるが、七尋女と同一視される場合もある。
つらら女。おそらく雪女よりもおしとやか
雪女と同じように、吹雪の夜に現れるという色白の女。
ただしこいつは、雪の中を彷徨う者の前に現れる雪女とは違い、家を訪ねてくるという。
別に実害もなく、ただ泊めてほしいと頼み込んでくるらしい。
この女を泊めてあげた場合の話では、たいてい、最終的に風呂を勧められ、それに入った女は、熱さで溶けてしまうというオチを迎えることが多い。
針女。金縛り能力を持つ妖怪
ヌレオナゴ、または笑い女とも呼ばれる。
針女という名前だが、針というのは、その女が鋭く尖らせた状態の髪の毛の事。
一人で夜道を歩く男に笑いかけ、美しい美貌に目を奪われた男が笑い返してしまうと、急に態度を豹変させ、髪の毛を針のように尖らせて襲ってくるのだという。
そしてその髪の毛で、絞め殺したりしてくるのだとされている。
おそらくは金縛り能力を持つ。
その針状態の髪の毛を鉤爪のように引っ掛けてくるらしいが、引っ掛けられた者は、動けなくなってしまうというのである。
夜行遊女。かなり意味がわからない話
難産で死んでしまった女の幽霊ともされる、夜行遊女は、 常に赤子を抱いた女の妖怪である。
突然に現れ、赤子を差し出してきて、「この赤子を抱いてください」とお願いしてくるのだという。
そして、そのお願い通りに赤子をだいてやると、今度は急に怒り出し「その赤子返してください」などと言い出すと伝えられている。
ちょっとよく意味がわからない
山女。山姥とは全然違う
山姥の若い頃であろうか?
とにかく山に潜むという女妖怪。
木の皮などで作った服を着ていて、かなり大きな体をしているとされる。
また、美しい容姿だが、目つきは鋭いという証言もある。
人に会うと笑うとか、毒気を放ってくる、という話もある。
小豆婆。小豆洗いの仲間か
川で不気味に響く、小豆を洗う音。
というようなイメージがあまりにも有名な、小豆洗いと同系統の妖怪であると思われる。
小豆婆は、小さな祠に住んでいて、夜中になると姿を見せる。
小豆洗い系統の妖怪らしく、川で小豆を洗うのだが、人が通りかかると、化かしたり、襲いかかって食ってしまったりするのだという。
小豆でなく、米を洗う、米とぎ婆さまという妖怪もいるようだが、こちらも、洗い物の音が微妙に違うぐらいで、後はほとんど同じような妖怪だとされる。
山婆。姥捨て山とは関係あったか
山に現れるおばあさん妖怪。
たいてい、腰くらいまで髪を伸ばしているとされる。
かつて日本には、一緒に過ごせなくなってしまったご老人を、山に追いやる、姥捨て山という風習があったとされる。
姥捨て山に関しては、通い制で、単に老人ホームのようなものだったという説もある。
だが、山婆が、姥捨て山の婆さんとは限らない。
山姥というのは、山に棲む鬼の類だという説もある。
むしろ伝えられる能力的には、ただの人間とは思えない。
何せ、その大きさは2mから2.5mぐらいで、 風のような速さで動けるのだという。
また、かつては山姥が刀で斬られるという事もあったようだが、その血は黄色だと伝えられている。
西洋の魔女と似たような伝説なのかもしれない。
「魔女狩りとは何だったのか」ヨーロッパの闇の歴史。意味はあったか
砂かけ婆。鳥の落とした砂か
神社の近くなどの森などに潜んでいて、通りかかる人々に砂をかけまくるという。
だが姿はあまり見られない。
袖引き小僧と同じく、基本的に姿が見れない妖怪なのに、なぜ砂かけ婆などと、外見が名前に反映されてるのかが、よくわからない。
座敷童子、一つ目小僧、童子と呼ばれる鬼「子供の妖怪」
木の上の狸とか、鳥が砂を落としたのが、かかったのではないかと、言われることも多い。
羽つくろいに、砂を使う種もいるようなので、鳥はかなりありえる。
「鳥類」絶滅しなかった恐竜の進化、大空への適応
泣き婆。本当にいた葬式の泣き女
家の門口の前に現れ、とにかく泣きまくるおばあさん妖怪。
彼女が現れてしまった家は必ず不幸に見舞われると言う。
この泣き婆というのは、地域によっては、昔は職業としてあったらしい。
この職業は泣き女とも言われる。
葬式でとりあえず泣いて、周囲の者の涙を誘う、というのが仕事。
変な話だが、葬式の盛り上げ役である。
親しい者のために泣くというのは、常識のようなものであッた。
もしも葬式の時に、その死者と血縁の深い人が涙を見せなければ、馬鹿にさえされたとも言われる。
白粉婆。脂粉仙娘に使える老婆妖怪
雪原を、大きな笠に雪を積もらせながら、進んでくおばあさん妖怪。
真っ白な衣に、曲がった腰で杖をつきながら歩く。
また酒を持っているという。
その、しわだらけの顔が、まるで白い粉をかけまくったように真っ白なものだから、白粉婆と呼ばれるのだ。
元々顔が白いのではなく、まさしく白粉をお化粧として分厚く塗っている、という話もある。
脂粉仙娘という、粉の女神に仕えている者だという説もある。
鍛冶婆。白い毛の狼妖怪
鍛冶屋のばあさん。
狼に乗り移った女性の霊だとされるが、鍛冶婆と呼ばれるのは、高知県の方に伝えられる、ある話のためである。
昔。
ある鍛冶屋の妻が、夜に刀の代金の徴収の為に出かけた際に、道に迷ってしまった。
そして狼に囲まれて食い殺されてしまった。
「日本狼とオオカミ」犬に進化しなかった獣、あるいは神
それから、その妻の霊は、狼に乗り移り、道行く旅人を次々と食い殺すようになってしまったという。
ある時に サムライが白い毛の狼を殺したら、被害はなくなった。
その白い毛の狼こそ 鍛冶婆だったというわけである。
鍛冶屋の妻は年老いていた人だったのだろうか?
また名前のわりに、やはり鍛冶はあまり関係ないといえよう。
小池婆。狼を従える(?)巨大化け猫
小池婆なんて名前だが、猫の妖怪。
あるいは猫になった老婆の妖怪とされる。
こういう話がある。
昔、島根県の方で、武士の家に仕えていた一人の男が、1日の暇をもらい、実家へと帰っていった。
だが道中の山で、狼の群れに追いかけられ、男は木の上に登った。
狼は肩車で乗り積み重なり、男に迫るが、もう少しで届かない。
そこで上の狼が「小池婆を呼んでこい」と叫んだ。
それからしばらくして、1匹の大きな猫が現れ、積み重なった狼の一番上に登ってきた。
しかし男は、腰の刀をタイミングよく斬りつけて、その大猫に怪我をさせる。
すると、狼も猫も散り散りに逃げていった。
男は、一応夜が明けるまで待ってから、木から降りた。
男が主人の家に帰ると、昨夜、主人の母が、額に大怪我をしたということで、大騒動になっていた。
主人は男から話を聞き、眠る母の元へと向かった。
布団から聞こえてくる声は、人間らしくなく、妙にかん高い。
そこで、これは妖怪に違いないと、主人は布団ごしに刀を刺した。
するとそこから出てきた死骸は、一匹の大きな猫であった。
しかしこの猫、はたして狼を率いていたのか。
それとも狼に仕えていたのか。
隠れ婆。かくれんぼの恐怖
子供が隠れそうな場所に潜み、夜にかくれんぼをする子供をさらうという、おばあさん妖怪。
さらわれた子から油を取り、焼くらしい。
大きな袋を持っているという話もある
島根県では「ことりぞ」。
東北の方では「脂とり」。
長野県では、「袋かつぎ」と呼ばれることもあるらしい。
古くは、なかなか遊びをやめない子供を、そんないつまでも遊んでると、隠れ婆に連れてかれるぞ、などと脅したりしたという。
古庫裏婆。山寺に潜む妖怪的異常者
この古庫裏婆というのは、妖怪というよりも 単なる異常者のような感じもする。
実際、元々は人間だったかのような話も伝わっている。
昔、山の寺の倉庫の裏に隠れ潜み、米などを盗みながら生きていた老婆。
時には、墓に埋められた屍を掘り起こして、その毛や皮を使い、着物などを作り、その屍の肉までも貪ったと伝えられている。
ある時、道に迷った僧が、謎の寺にて老婆に出会った。
老婆は「私は罪深い女で、成仏ができないのです」と言った。
僧は「自分を罪深いと思えるならば成仏はできよう。私に罪を語ってみなさい」と述べた。
老婆は「私は寺へ行っては墓を掘り起こし、死骸を食べているのだ。あの味が忘れられないのだ」と答えた。
僧は驚いた。
「お前が噂の古庫裏婆か?」
老婆は「そうだ」と答え、僧を殺してしまった。
そして彼女は、実際に成仏できない身となってしまったのだという。
「仏教の教え」宗派の違い。各国ごとの特色。釈迦は何を悟ったのか
蛇骨婆。蛇塚とは何か
日本各地に蛇塚というものがあると言うが、この蛇塚というのが いったい何なのかについては諸説ある。
例えば、単純に蛇の墓とか。
蛇が住み着いた墓とか。
墓でなくて、たくさんの穴が空いた壁から、次々と蛇が這い出てくるような場所とか、色々ある。
ただ少なくとも、そのうちの一つは、蛇五右衛門という、恐ろしい妖怪蛇を封じたものであるらしい。
そしてその、蛇五右衛門の女房とされているのが、蛇骨婆である。
右手に青い蛇、左手に赤い蛇を持つとされている。
そして、夫が封印された塚を守っているのだという。
手長婆。水の底のばあさん。山のばあさん
川などから伸びてくる長い手だけ、という姿でのみ知られている妖怪だが、なぜか水の底に住む、白髪のおばあさんと考えられている。
恐ろしい存在とされているが、あまり実際に人を襲う事は少なく、池の近くなど、危険な場所で遊ぶ子供に対し、「水の中に引き込んでしまうぞ」と脅かしたりして遠ざける。
親切心でやっているのかどうかは不明。
単に水中に棲む妖精みたいな存在かもしれない。
「妖精」実在しているか。天使との関係。由来、種類。ある幻想動物の系譜
地域によっては山で暮らしているという説も伝わっている。
山に住んでいる手長婆は、その長い手を海までのばして、大好きな貝などをとって食べるのだとされる。
山なのに、なぜか海の幸が転がってたりすると、それは手長婆の食べ残しなのかもしれない。
納戸婆。古い家の、部屋の怖い話
納戸とは、普段は使わない家具などをしまっておくための部屋である。
この納戸に住み着くという妖怪が納戸婆である。
あまり人が出入りせず、古い家具ばかりの納戸は、蜘蛛の巣や埃ばかりなことも多い。
大きな隙間ができていて、猫の溜まり場のようになっている場合もある。
そういうところにこのおばあさんは住み着く。
「クモ」糸を出す仕組みと理由、8本足の捕食者の生物学
その正体は、妖怪でなく神の類ではないかという説もある。
古い空間というのは、もともと霊的な、あるいは神的なものが見つけやすく、生じやすい。
納戸が掃除される時に 床下に逃げ込むと言われる。また、箒に弱いとされる。
納戸のというより、埃の妖怪なのか?
吹き消し婆。火を消すだけの妖怪
ろうそくや行灯などの火を、音も風もなく消し去ってしまう妖怪。
それが吹き消し婆である。
このおばあさんがすることといえば、火を消すことだけらしいが 、現在と違い電気がなかった頃は、それだけでも相当に迷惑なことだったろうと思われる。
この妖怪は、典型的な人里の妖怪である。
だが火を消すだけというのは妙にも思える。
もし名前の通り、吹く事で消しているのだとしたら、別に火を消す以外の能力もあるのかもしれない。
つまり単に、風を起こしたりすることも出来るのかもしれない。
そうでないとするなら、例えば超低温の中で、この妖怪は全く活動できないということになろう。
エントロピーとは何か。永久機関が不可能な理由。「熱力学三法則」
疱瘡婆。天然痘の感染経路(?)
天然痘、あるいは疱瘡というのは、かつて猛威を振るったというウイルス性の病気のこと。
疱瘡婆は、疱瘡で死んでしまった人の墓を暴き、その屍を食べてしまう妖怪のことらしい。
「ウイルスとは何か」どこから生まれるのか、生物との違い、自然での役割
疱瘡で死んだ人の肉が好みなのか。
あるいは、殺すために疱瘡を使っているのか。
いずれにしても、こいつはそのウイルスを流行らせようと、ばらまいた存在のようである。
恐ろしい怪力を有し、素早く動くことができる。
またおばあさんというか、3mぐらいの怪物だという話もある。
怪物の髪は白く、顔は赤く、目は輝いていたという。
箕借り婆。一つ目小僧と一緒に
蓑とはイネ科の植物を材料として作る、防水機能の高い服のこと。
突然家に現れ、扉を叩き、「箕を貸してくれ」などというのが、この箕借り婆である。
一つ目小僧などと一緒にいることも多いというが、一つ目族なのかもしれない。
地域によって、現れる時期がある程度決まっているようだが、とりあえずは、基本、冬に現れる。
箕借り婆は、なぜか籠や団子に弱いらしく、それらを門前に置いておくと、あっさり帰ってしまうのだという
柳婆。柳の木の不気味な伝説
柳の木は、その枝が風に揺れる様子が、幽霊の動作のように見えると言われる。
さらに、焼いたら屍の匂いがするとも言われる。
そして暗い夜に、提灯などの明かりを下から当ててみた柳の古木は、それこそまさに恐ろしい幽霊の親方のようだと昔から考えられていて、この木を不吉なもの(あるいはめでたいもの)とする地域が結構多い。
柳婆は、その柳の木に住み着く妖怪である。
住み着いているというか、柳の精であると考える向きもある。
よく老婆の姿で現れるが、別に人の姿で現れる時は老婆でなくてもよいという説もある。
老婆でない場合は、男の姿で現れることが多いようだ。
また、柳の木全てに精が宿っているかどうかも、意見は割れる。
川姫。魂を吸い取る
水車の近くなどによく現れるという女妖怪。
とても美しい容姿をしていて、その美貌に目を奪われた男の魂を吸い取ってしまうという。
万が一、川姫らしき誰かを見かけたら、見てしまう限り、その美貌に魅かれてしまうだろうので、下を見て、とにかくその場から離れることが推奨される。
一方で、川が氾濫しそうな時などに、警告してくれたりすることもあるという。
清姫。蛇となった女
昔、片思いの男に恋するあまり、蛇となり、どこまでも追いかけていった女がいたという。
それが清姫である。
どうも清姫というのは普通に本名らしい節がある。
人はなぜ恋をするのか?「恋愛の心理学」
ところで、こいつは妖怪と言えるのだろうか。
変身能力を持つ、魔女のような存在だったのではないだろうか?
「黒魔術と魔女」悪魔と交わる人達の魔法。なぜほうきで空を飛べるのか
橋姫。女の嫉妬の恐怖
橋の側に現れるという女の妖怪。
どうも嫉妬に狂った女がこれになるらしい。
浮気された女が、嫉妬に狂って死んでしまい、これになったとか。
浮気した相手を呪い殺そうとしたあまり、 自らを殺してしまい妖魔になったのだとか、いろいろ言われる。
とにかく美しい女が嫌いらしい。
可愛い子はずるいのか?「我々はなぜ美しいものが好きか」
ただ、単に男と別れ、悲しみに沈む女が、これになるという話もある。
海女房。人魚の仲間か。河童の仲間か
海婦人とも呼ばれる海女房は、普段は海に住むが、陸でも数日ぐらいは生きれるという。
手足には水かきがついていて、子を連れていることもあるらしい。
陸に上がって、人里にやって来た場合、保管してある魚などを盗み食べる。
ただ、飲食物を与えても食わないという話もある。
言葉を喋ることもできないらしい。
海上を歩く姿が目撃されることもある。
また、人魚の一種だとする説があるが、外見的にはカッパの方が近いと思われる。
「河童」UMAとしてのカッパは実在の生物か、妖怪としての伝承。その正体
青女房。古びた屋敷の待ち人妖怪
まだ女房として未熟な女を、青女房と言っていた時代があったらしい。
それと関係があるのかはわからない。
ただ、顔色の青い女が、古びた屋敷などで、ひたすら人が来るのを待っている。
そういう妖怪が、青女房などだという。
やってきた人は殺され、その骨は床下に埋められるという話である。
絡新婦。女郎蜘蛛か
昼間は美しい女の姿をしているが、その本性は蜘蛛の妖怪なのだという。
絡新婦という名前は、実際の蜘蛛の女郎蜘蛛からきているらしい。
「クモ」糸を出す仕組みと理由、8本足の捕食者の生物学
夜になるとその本当の姿を現し、青い煙を吐いて人間に取り憑いたりする。
蜘蛛だが、蚊のように血を吸ったりするとか、人を食い殺してしまうとも言われる
「蚊」人間同士を、生態系を血と病気で繋ぐ小さな怪物
山男。山の巨人妖怪
山というのは、古くはとても神聖な領域であった。
それだからか、山姥、山爺、山女と、とにかく山なんたらという妖怪は多い。
ここまでくると山男もいるかと言うと、いる。
山女と同じで、巨大な体をしてるらしいが、服は着ていないとされる。
言葉は話せないらしいが、身振り手振りでコミュニケーションを取ることはできるらしい。
また、酒が好きで、やると喜ぶと言われる。
特に襲ってきたりということはない。
ただ、突然現れ、何か物をねだったりして、また突然にどこかに去ってくのだという。
桂男。月に暮らす妖怪
月に住むという大男の妖怪。
月を見てると、この桂男は動き出し、月を長く見る者の命を縮めてしまうのだという。
だが、それをどうやって行うのかわからない。
どうも手招きしているらしいが、月が天国ということなのか。
それとも、何らかの比喩であるのかも謎。
また、桂男の術という忍術がある
「忍術の一覧」万川集海に書かれた、忍者たちの秘技の数々
川男。怖い話もしてる?
川女とも言うべき川姫に比べれば、この川男という妖怪は、特に危険などなく、大人しい存在らしい。
カッパと似たような存在だが、カッパよりもずっと普通の人間に近い見た目とされる。
特に、特徴のない顔、という特徴がある。
よく、二人の川男がセットで、目立たないところなどに座ったりして、互いに物語を語り合ったりしてるらしい。
そんな目撃談しかない。
ろくろ首。申公豹は妖怪?
一見普通の人間だが、夜になると、首をかなり長く伸ばす有名な妖怪。
たいていは女とされるが、男のろくろ首もいる。
女のろくろ首は、一説には寝ている男の気を吸うという。
おそらく男のろくろ首は、女の気を吸うのだろう。
馬の気を吸い取ったという話もあるから、何でもいいのかもしれない。
また、ろくろ首には、首を切り離し、自在に飛ばすタイプもいるという。
これはひょっとすると、一種の術なのかもしれない。
封神演義では、申公豹が得意とする術がまさしくこれである。
「封神演義」神仙たちの殷周革命。いくつかの翻訳、バージョンの比較
ペロリ太郎。食いしん坊の妖怪
とにかく体のサイズのわりにめちゃくちゃ食べまくる男らしい。
こいつは、元々人間だったが、あまりに食いしん坊のために家を追い出されたのだという。
ペロリ太郎というのは、その頃のあだ名のようなものだったとされる。
彼は、ひたすら道行く人に、食べ物をねだり、しかし食べても食べても満たされず、ついには人間までも食べれば良いと考え、襲い始めるようになった。
そうこうしてる間に、いつの間にやら妖怪となっていたらしい。
敷次郎。炭鉱夫の亡霊
炭鉱に住み着く妖怪だという、この敷次郎は、見かけは炭鉱夫と同じような格好の人だが、肌は蒼白で、言葉は一切通じないという。
足音は人間と同じような感じだが、体から鉱石を採掘するような音や、水を汲むような音がするという話もある。
敷次郎は、炭鉱夫がいると近づいてきて、食物をねだる。
そして食物を与えないと、噛み付いてきたりするのだという。
敷次郎に噛まれてしまった場合、それによってできた傷はかなり治しにくいらしい。
鉱山で死んだ者達の亡霊ではないかという説もある。
山爺。山の鬼の恐怖
山姥のおじいさんバージョン。
あるいは、山に住む鬼のことらしい。
蓑をまとった、目一つ足一つの老人。
全身に短い毛があって、目はかなり大きく光っている、と言う人もいる。
確かに、見かけ的には完全に鬼である。
歯が異常に強いようで、猿をまるで野菜を食べるかのようにかじるらしい。
また狼が、かなり恐れているという話もある。
他に、姿を見せたと思ったら、すぐ消えたりもするという。
まるで忍術である。
かつて漁師や木こりは、山爺を避けるために、動物の骨を身の周りに置いたらしい。
だがなぜ、動物の骨が、山爺対策になるのかは謎である。
百々爺。逃げても逃げても追いかけてくる夢
まるで夢にでも出てきそうなこのおじいさん妖怪は、普段は山奥に住んでいて、夜に人里へとやってくる。
この百々爺を見て慌てて逃げた人は、逃げた先に、またこの百々爺がいるので、驚くという。
逃げても逃げても百々爺はいて、逃げるのはかなり困難である。
分身の術でも使ってるのか、幻を見せているのか、あるいは単にたくさんいるのかはわからない。
「忍法の一覧」火遁、水遁とは何か。分身は本当に可能だったか
しかし、爺と名前にあるが、普通に獣のような存在だとされる事もある。
これに関しても、百々爺が獣に変身しているのか、あるいは獣がおじいさんになっているのか。
あるいはあまり関係ないのか、よくわからない。
姥火。おばあさんの鬼火
昔、とあるおばあさんが死んで、死後に火の亡霊となった存在だという。
雨の降る夜に現れる、30cmぐらいの火の玉らしい。
当たっても燃えないようで、この姥火は、道行く人にぶつかり、倒してしまうと伝えられる。
実はよくよく正体を見れば、鶏に似た鳥だという話もある。
だがそれは、少なくとも近くにいる時で、遠く離れたなら、やはりそれは火の玉にしか見えないという。
「怪火とは何か」セントエルモの火と幽霊船。古い記録のUFO。原理と謎
老人火。火を操る妖怪天狗か
山の気とか、怪鳥の息とか、天狗のいたずらとか、いろいろ言われることもある。
山道に突然現れ、人の脇を通り抜けて飛んでいく。
そして驚いた人につきまとい、どこまでもついて行くのだという。
どうも老人と火のセットのようで、消そうと思って水をかけても効果はない。
だが獣の皮で叩くと、老人共々消しされるようである。
しかし老人と火の関係性は不明。
火に宿る老人か、老人が火を操ってるのか。