「八十八星座の一覧」ギリシア神話。プトレマイオス。天文学者の星図

天空の神々

目次

星座の概念の確立

星座の誕生

 時計もカレンダーもコンパスもなかった時代。
夜空の星々は、現在時刻や、方角を知るための重要な指標であった。
 どの星がどこにあったら、いつぐらいの時間なのか。
それに方角を知るためには欠かせない、不動の『北極星(Polaris)』などの知識を、文字がなかった時代の人達は、口伝で伝承した。

 そのうちに、大人達は、子供に星の知識を伝授するのに、親しみやすい物語などに例えたら良いのではないか、ということに気づいた。
それで、夜空の星に、神話の神々などをかたどった、『星座(constellation)』があてがわれたという訳である。

黄道十二宮とは何か

 星座の知識は、判明している範囲では、古代エジプトで生まれ、それがバビロニア、ギリシアに伝わっていったとされる。

 バビロニアやギリシアでは、高度な数学も確立され、星々の位置がより明確となり、太陽の位置を起点とした、『黄道十二宮(Zodiac signs)』という思想も生まれた。
夜空の三角正弦定理、余弦定理の求め方、三角形いろいろ「三角比の応用」 これは太陽の描く円軌道を正確に30°ずつ12等分し、それぞれのエリアに、伝承されてきた12の星座を想定し、名前を付けたものである。

占星術。哲学。プトレマイオスの星図

 占星術のようなオカルトにおいては、重要な星座とされるのは、黄道十二宮の十二星座に限られることも多い。
占星術「占星術」ホロスコープは何を映しているか? それ以外にも星座はあったが、あくまでも特定の民族などに、崇められてたりするだけのものであった。

 天の地図、『星図(Star map)』を作り、空間の座標などを示す目印として、より多くの星座を利用し始めたのは、ギリシアで発展した哲学という分野においてであった。

 紀元前2世紀にヒッパルコスが作った星の地図を、後の、紀元2世紀ぐらいに発展させ、1022の天体からなる、新たな星図を製作し、民間伝承として伝えられてきた様々な星座を、それに取り入れたのは、プトレマイオスだった。
プトレマイオスが認定した星座は、黄道十二宮の十二星座を含む四十八星座であったとされる。
 そしてこのプトレマイオスの四十八星座が、ずいぶん長い間、天文学者達の間で使われ続けた。

大航海時代。南半球の新たな星座

 プトレマイオスの時代よりも1000年以上も後。
エンリケ航海王子が始めた大航海時代。
エンリケの羅針盤「エンリケ航海王子」世界史における、大航海時代を始めたポルトガルの王子 新世界求め旅立った西洋の船乗り達は、北半球では見ることのできない、南半球の星々も夜空に見るようになった。

 そして1595年。
希望岬を回って、ジャワへと航海した船に乗っていた、オランダ人のピエテル・ディルクス・カイザーが、南半球で出会った動物や、神話の生物を使い、新たに十二の新星座を作った。
 これをきっかけとして、天文学者達はまた、競いあうように、星座を次々と作り始めた。

八十八星座の決定

 南半球の新しい星々に加え、プトレマイオスの星座に使われていない北半球の星。
あるいは、プトレマイオスの四十八星座を分解し、独自の星座を使った星図を作る者もいた。

 混乱の時代が続いた。
しかし、1920年に国際天文学連合が結成されて、星座の整理や統合がしっかりと成される事になる。
そして、1930年の総会で、プトレマイオスの四十八星座を中心とし、八十八の星座が、正式な星座として認められることになった。

天の赤道。春分点。秋分点

 宇宙は丸く、地球はその中心と考えられていた。
そのような、地球を中心とした天動説において、星は天の世界を動くものとし、その天の世界を、『天球(Celestial sphere)』と言う。

 黄道というのは、天動説を想定した場合に、 天球上で太陽が巡る経路である。
 もうひとつ、天文学において重要とされていたのが『天の赤道(Heavenly equator)』である。
これは地球上の赤道を、さらに天球上に延長したもの。
地球上の赤道に関しては、以下の記事にもある程度書いてある。
渦巻く風「風が吹く仕組み」台風はなぜ発生するのか?コリオリ力と気圧差  黄道と天の赤道が交わるふたつの点のうち、 太陽が南から北へ横切るときの点を『春分点(vernal equinox)』。
太陽が北から南へ横切るときの点を『秋分点(autumnal equinox)』と言う。

黄道十二宮の十二星座

期間ごとの十二星座

おひつじ座。3月21日~4月19日。白羊宮
おうし座。4月20日~5月20日。金牛宮
ふたご座。5月21日~6月21日。双児宮
かに座。6月22日~7月22日。巨蟹宮
しし座。7月23日~8月22日。獅子宮
おとめ座。8月23日~9月22日。処女宮
てんびん座。9月23日~10月23日。天秤宮
さそり座。10月24日~11月22日。天蝎宮
いて座。11月23日~12月21日。人馬宮
やぎ座。12月22日~1月19日。磨羯宮
みずがめ座。1月20日~2月18日。宝瓶宮
うお座。2月19日~3月20日。双魚宮

牡羊座。アリエス。白羊宮。雲の精と金毛の羊

 12月下旬によく見える星座で、黄道十二宮星座の第一座にあたる。
やや小さめの星座だが、かつては春分点がこの星座の中にあったため、重要視されていたとされる。

 かつてギリシア中部のボイオーティア地方を統治していた、アタマース王は、イーノーという女性を後妻に迎えた。
しかしやがて、イーノーに子が出来ると、彼女は、王の前妻である雲の精でネペレーの子である、 プリクソスとヘレーを邪魔に思うようになった。
イーノーは、二人の義理の子を殺そうと決意。

 イーノーは狡猾にも、畑に細工して、小麦を実らないようにした。
そして、不作を嘆くアタマースは解決策を求め、デルフォイのアポローン神殿へと使者を送った。
イーノーはさらに、この使者を篭絡し、「プリクソスとヘレーをゼウスへの生贄として差し出すなら、凶作は止むだろう」という偽の神託を王に伝えさせた。
 こうして、プリクソスとヘレーは、イーノーの計画通りに、無残な最期を遂げるはずだったが、祭壇にて彼らが殺されようとした時、二人の体は突如、霧に包まれ、消え去った。
実は二人のの危機を知った、実の母親のネペレーは、ゼウスに嘆願し、伝令神ヘルメスを通して、天駆ける金毛の羊を受け取っていたのだ。

 ネペレーは、自らの力で子供達を雲に隠し、天へ引き上げて、金毛の羊に乗せた。
そして羊はそのまま北方にある、コルキスの地へと逃げ去ったのだった。
だがこの時、妹のヘレーは、下に見えた大海原に目眩を起こし、羊の背から落下してしまった。
以降、ヘレーが落ちた海域は、ヘレスポントスと呼ばれるようになったという。

 その後、プリクソスは、自分を助けてくれた金毛の羊に感謝して、それをゼウスの祭壇に捧げた。
また、その金色の皮をコルキスの王アイエーテースに献上した。
 ゼウスは捧げられた羊を、その功績から、天に仲間入りさせてやった。
こうして牡羊座が誕生したのである。

牡牛座。タウルス。金牛宮。変身したゼウス

 牡牛座は、 1月下旬によく見える星座で、黄道十二宮星座の第二座。
この星座は、珍しい事に、日本でもスバルとして有名なプレアデス星団と、ヒアデス星団の、ふたつの星団を含んでいる。

 4000年ほど前には、春分点はこの牡牛座であったために、古代バビロニアなどでは、かなり神聖視されていたという。

 フェニキアの王アゲーノールには、3人の息子とひとり娘のエウローペがいた。
オリンポス山の頂上から下界を見下ろしていたところ、美しい彼女の姿を見たゼウスは、たちまちのうちに虜となった。

 それから、妻へーラーの目を誤魔化すために、1頭の牡牛に姿を変えたゼウスは、フェニキアへと降り立った。
この白い体に、透き通った角を持つ牛を、初めは警戒していたエウローペだったが、その優しい目にだんだんと心ほぐされ、そのうちに彼女は、牛の背にまたがってしまう。
 すると、牛は急に海に向かって走りだし、そのまま海を渡ってクレタ島へとたどり着いた。
この時の、ゼウスの変身した牛の姿が星となって、牡牛座が誕生したのだとされる。

双子座。ゲミニ。双子宮。神と人間の兄弟

 3月上旬によく見える双子座は、黄道十二宮星座の第三座。
左側に一等星のポルックス、右側にニ等星のカストルが並び、まるでふたりの人間が、仲良く肩を組んでるように見えるという。

 ペロポネソス半島の都市国家 スパルタの王妃レダは、ある時、白鳥の姿をしたゼウスに騙され、子を成してしまう。
彼女はふたつの卵を産み落としたという。
卵のひとつからは、兄カストルと姉クリュタイムネストラ。
もうひとつからは、弟ポルックスと妹ヘレネーが生まれた。
 四人の兄弟姉妹のうち、カストルとクリュタイムネストラは、スパルタ王を父とする人間であったが、ポルックスとヘレネーは、ゼウスの血をひいていて、不死身であった。

 カストルとポルックスは仲がよく、カストルは乗馬と軍事、ポルックスは拳闘に優れた才を示した。
ふたりは共にスパルタの戦士として、数多くの戦いを切り抜けたが、ある時、ついに人間であるカストルは戦死してしまう。

 兄の死を嘆くポルックスを、哀れに思ったゼウスは、彼を神として天に迎えてやろうとする。
だがポルックスは「兄と一緒じゃなくては嫌だ」と、譲らなかったために、ゼウスは仕方なく、カストルにポルックスの不死性を半分分け与え、1日おきに、天上界と人間界で暮らさせることにした。
 そして、やがてふたりは双子座となった。

蟹座。カンケル。巨蟹宮。へーラーの大蟹

 蟹座は3月下旬によく見える、黄道十二星座の第四座。

 目立たないと言われ、黄道十二星座の中でも最も暗い星座ともされている。
蟹座の中央の、甲羅とされる部分には、プレーセペ星団があるが、これはガリレオが望遠鏡で、星団であると確かめるまでは、雲か、あるいは霊魂が通る通路だとされていた。

 英雄ヘラクレスは、ゼウスとミュケーナイの王女、アルクメネーとの間にできた子。
彼はある時、レルネの大蛇ヒドラを退治することになったが、9本の首を持ち、いくら切ろうとしても再生するこの怪物に、さすがのヘラクレスもかなり苦戦した。
 ここで、夫と愛人の子である彼を憎むへーラーが、ヒドラの助っ人して送ってきたのが巨大な蟹だった。
あるいは、この蟹はヒドラの友人で、駆けつけてきたのだという。

 しかし結局ヒドラも 巨大ガニもヘラクレスと、彼の甥イオラオスによって退治された。
へーラーは、倒された二体の怪物を哀れに思い、天に招いて、蟹座と、海蛇座にしてやった。

獅子座。レオ。獅子宮殿。不死身のライオン

 4月下旬によく見える、黄道十二星座の第五座。
寝そべった獅子の姿とされるこの星座を構成する星は、一等星レグルスをはじめ、多くが明るいという。

 ある時、ヘラクレスは、弓と棍棒を持って、ネメアの森へ出かけた。
この森に住むという大獅子を退治するためだ。
 だがこの獅子は、怪物エキドナとテュフォンの子であり、不死身であった。
結局ヘラクレスは、獅子を洞窟へと閉じ込めたという。
そしてその皮を剥ぎ、獅子を倒した証拠とした。

 後にヘラクレスが死んだ時に、この獅子も、共に天に昇って、獅子座になったのだという。

乙女座。ビルゴ。処女宮。正義の女神

 乙女座は、6月上旬によく見える、黄道十二星座の第六座。
全天で2番目に明るい星だとして、重要視されてきた。
一等星のスピカは、白銀の輝きを放ち、乙女らしい純情な印象を与えるという。

 この乙女は、ゼウスと法の女神テミスの娘である、正義の女神アストライアとされる。

 かつて人々の心が荒んだ、鉄の時代と呼ばれる、ひどい時代があった。
世の中には暴力と欺瞞があふれ、争いばかり。
神々も次々と天上界へと去ってしまったが、正義の女神アストライアと、その妹である慈悲の女神アイドスだけは、地上に残り、人々に正義を解き続けた。
しかしやがては、彼女らも人間を見限って、天上界へと去ってしまい、アストライアは乙女座となった。
大地が浮かび上がる様子「ギリシア神話の世界観」人々、海と大陸と天空、創造、ゼウスとタイタン

天秤座。リブラ。天秤宮。正邪を量るもの

 7月上旬によく見える、黄道十二星座の第七座。
乙女座と蠍座に挟まれた位置にあるこの星座は、乙女座である正義の女神アストライアの持つ、正邪を量る天秤とされる。
 紀元前一世紀ぐらいまでは、天秤座としては独立しておらず、蠍座のハサミと考えられていたようである。

 アストライアはその手に、正邪を量るための天秤を持っていたという。
争いが起こった時、彼女はその当事者達を天秤にのせるのである。
もし、正しき人を乗せた場合、皿は持ち上がる。
邪なる人を乗せた場合は、皿は下がる。
そうして、アストライアは、極めて公平なに裁判を行ったという。
ゼウスの技「ギリシア神話のアイテム一覧」武器、防具、道具。神々の品

蠍座。スコルピウス。天蠍宮。地母神の大サソリ

 7月下旬によく見える蠍座は、黄道十二星座の第八座。
中央には、真紅に輝く一等星、アンタレスがあり、夏の夜空で赤く輝く。
大きな頭と、鍵爪のように曲がった尻尾を持った、サソリの形。

 狩人オリオンは、海神ポセイドンと、ミノス王の娘エウリュアレーとの間にできた子。
彼はいつからか、月の女神アルテミスと出会い、共に狩りをして過ごすようになった。
そんなある時、彼は、「俺は、この地上のどんな獣も、ことごとく射止めることができる」など言った。
この不用意な発言を聞いて地母神ガイア(あるいはへーラー)は怒り、一匹の大蠍をオリオンのもとによこして、彼をその毒で殺させた。
このオリオン殺しの功績を讃えられた大蠍が、蠍座となったのだった。

射手座。サギッタリウス。人馬宮。賢者ケイローン

 射手座は9月上旬によく見える、黄道十二星座の第九座。

 射手座は半身半馬のケンタウロス族の賢者ケイローンである。
ティーターン神族のクロノスの血をひくケイローンは、不死の体に卓越した頭脳を持っていて、弓の扱いにも秀でている。
 西の空に向かって弓を引き絞る姿で描かれたこの射手座は、ゼウスの命を受け、隣の蠍座が暴れないように、その矢を、大サソリの心臓である、一等星アンタレスに向けているのだとされる。

 ケンタウロスは、医学の神アスクレピオスに、様々な学問を教えてやったり、トロイア戦争で活躍した英雄アキレウスの教育係を務めるなど、ギリシア神話において、師匠的な役割を担う事が多い。

 また、彼を殺したのはヘラクレスとされる。
ある時ヘラクレスが酒を飲んでいると、その匂いにつられてやってきたケンタウロス族達と戦うことになった。
しかしヘラクレスは強く、形成不利とみたケンタウロス達は、ケイローンの棲む洞窟へと逃げた。
追いかけてきたヘラクレスは、洞窟までやってきて、あまり深く考えることなく、その矢を洞窟に向かって打ち込んだ。
 矢はケイローンの膝に当たり、矢に塗られていたヒドラの毒により、彼は苦しんだ。
しかし彼自身は不死であるために、その苦しみは永遠になってしまう。
 そこでついに苦しみに耐えかね、ケイローンは神々の一柱であるプロメーテウスに、不死性を譲って、彼は自ら命を絶った。
 そしてその死後、多くの英雄を育てたという功績により、彼は射手座になった。

山羊座。カプリコヌルス。磨羯宮。パーンの失敗

 9月中旬によく見える、黄道十二星座の第十座。 
この星座を最初に山羊と呼んだ人達は、天文学発祥の地とされるカルデア地方(ユーフラテス川付近)の民だとされ、極めて古くから尊重されてきたという。
ただの山羊でなく、下半身が魚という姿で描かれることが多い。

 牧神パーンは、伝令神ヘルメスの息子。
彼は、山羊の角と足を持ち、いつも陽気に笑って、シュリンクス(葦笛)を吹いては、山野を駆け巡っていた。
 一方で彼は、熱情、狂気を司る神でもあり、人々に恐慌(パニック)を与える力を持っていた。

 ある時、神々がナイル川のほとりで宴会をしていた時、突然、怪物ティフォンが現れ、神々は散り散りに逃げ出した。
美の女神アプロディーテと、その息子エロースは、川へ飛び込んで姿を魚に変えて逃げた。
それに習い、パーンも、川へ飛び込んだが、かなり焦っていたために、上半身は山羊、下半身は魚という滑稽な姿になってしまった。
そして、そんな姿で泳ぐ姿が、あまりにもおかしく面白かったので、ゼウスが記念に、その姿を天に残したのだ。
それが山羊座である。

水瓶座。アクアリウス。宝瓶宮。美女より美しい少年

 10月下旬によく見える、黄道十二星座の第十一座
水瓶座は、普通、単に水瓶でなく、水瓶を捧げ持つ少年の姿で描かれることが多い。

 古代バビロニアでは、太陽がこの星座の位置する場所を通る頃に、雨期を迎えたため、星座としては、かなり重要視された。
水瓶座の付近には、海豚座、鯨座、魚座などの水や海に関係する星座が多く集まっているため、このエリアは天の海とされることもある

 水瓶を持っているのは、美少年ガニュメーデスとされる。
彼はトロイア国の生まれで、どんな美女よりも美しいと評判の美少年だった。
そんな彼の噂を耳にしたゼウスは、鷲の姿になって地上へと来て、実際にその少年を目にして、その美しさに感服。
そのまま彼を、天上界まで連れ去って、永遠の若さと命を与えたのだという。

魚座。ピスキス。双魚宮

 11月下旬によく見える、黄道十二宮の十二にして、最後の星座。
星座としては大きい方だが、あまり明るい星がないため、見つけるのは難しい方だとされる。
一本の紐に繋がれた二匹の魚の姿として、よく描かれる。
「魚類」進化合戦を勝ち抜いた脊椎動物の始祖様 古代バビロニアでは、繋がれた一方が、人魚の場合もあったようだ。

 パーンが中途半端な山羊魚となって笑いものとなった時、同じく怪物テュフォンから逃れるために、普通に魚となったアプロディーテとエロースの母子は、お互いが離れないように、互いに紐で繋がりあったとされる。
そしてこの繋がりあった二匹の魚が、そのまま天に昇り、うお座になったのだという。

その他のプトレマイオス星座(トレミー星座)

メガレ・シンタクシス。アルマゲスト

 プトレマイオスの四十八の星座は、彼の『メガレ・シンタクシス(天文学体系)』という本に記されている。
メガレ・シンタクシスは、全13巻からなる古代天文学の集大成ともいえる本で、実際には、49の星座が掲載されているという。
だが、そのうち一つは現存していない。

 メガレ・シンタクシスは、おそらくはエウクレイデスの原論の次くらいに、長く愛されてきた科学書である。
幾何学なぜ数学を学ぶのか?「エウクレイデスと原論の謎」  この本は9世紀にアラビア語に翻訳され、『アルマゲスト』という名称が新たに与えられた。
後にこのアルマゲストが、ヨーロッパと逆輸入され広まったために、こちらの名前でもよく知られている。

蛇遣座。オフィウクス。黄道十三番目の星座

 蛇遣座は、星占いなどでしばしば、黄道十三番目のものとして扱われる星座。
ヘビ使いとは言うが、この星座は、蛇を操る者でなく、再生の力を持つとされた、蛇の力を持つ医神アスクレピオスの事であるとされる。
ヘビと餅「ヘビ」大嫌いとされる哀れな爬虫類の進化と生態  基本的には、蛇を掴んだ男の姿として描かれる。
かつては掴まれた蛇も、蛇遣座の一部だったのだが、プトレマイオスは、その蛇もまた、独立した星座とした。

大熊座。小熊座。牛飼座

 いわゆる北斗七星は、大熊座の背中から尻尾に当たる部分である。
 大熊座も、やはりギリシア由来だが、どういう訳だか、北斗七星とクマを関連付けていた文明は多いという。
インド人やネイティブアメリカン達も、この星座をクマと考えていたようだし、アイヌにも、殺されたクマが北斗七星になった、という伝説があるらしい。
 一方、古代バビロニアや、北欧、中国、イギリスなどでは、北斗七星は車とされていたようだ。
 また、ギリシアの詩人ホメロスは北斗七星を、車とも呼ばれるクマと、記録しているという。
 ギリシア神話においては、大熊座は、月の女神アルテミスの侍女カリストーの、変化した姿とされている。

 北斗七星の星、ドゥーベとメラクを結んだ線を、そのまま5倍すると、北極星にたどりつく。
小熊座はこの北極星を含む。
 小熊座は、北斗七星をそっくりそのまま小さくしたような形で、古代バビロニアでは、北斗七星をマルギッダ・サンプ(大きい車)というのに対し、こちらをマルギッダ・アンナ(小さい車)と呼んだ。
 小熊座は、カリストーとゼウスの息子アルカスの、変化した姿とされる。

 牛飼座は、どうも巨人らしいが、古くから知られていることもあり、元となった人物が誰なのか全然わかってない。
かなり明るい一等星、アルクトゥールスが「クマを追う者」という意味であり、大熊座の隣にあることから。牛飼座は、クマを追う狩人である、という説もある。

竜座。海蛇座

 竜座は、北極星の近くに見えるという、S字型にうねるヘビ型の竜の形をした星座。
この星座は、世界の西の果て、ヘスペリデースの園にある、金のリンゴの木を守る、100の頭を持つドラゴンだという。
のだが、実際には、この金のリンゴの木の話に、こんなドラゴン登場しないともされる。

 海蛇座は、蟹座とともに星座となったヒドラである。
非常に長く、星座の中で最も長いとも言われる。
ヒドラは9本の頭を持つとされるが、この星座にそんなのはない。
その辺は、100の頭を持つはずなのに、そんなものは確認できない、竜座と同じである。

コップ座。烏座

 コップ座は、海蛇座と獅子座と乙女座の中間あたりにある、小さな星座。
星座を構成する星も暗いものばかりで あまり目立たないとされる このコップの持ち主の候補はかなりいるという。
何にせよ、神か英雄の持ち物とされるのが普通なようだ。

 烏座は、あまりカラスっぽい見た目ではないとされる。
カラス「カラス」都会に紛れ込む生態系。ガーガーカーカー鳴く黒い鳥  大型帆船の後部にある縦帆の事を、スパンカーと言うが、イギリスでは、乙女座の一等星スピカに対して、この星座を、「スピカのスパンカー」と呼んだとされる。
 まだ日本の石川県でも、この星座を帆かけ星というところがあるという。
 神話においては、カラスはイルカと並び、太陽神アポローンの主要な使いとされているという。
クジラとイルカ「クジラとイルカ」海を支配した哺乳類。史上最大級の動物 しかし、早とちりしやすい性格で、ある日アポローンに誤って、アポロンの妻コローニスが浮気していると、嘘の報告をし、結果アポローンはコローニスを殺してしまった。
罰として、カラスは体を黒くされ、ガーガーとしか鳴けなくなり、そしてすぐ目の前にコップ座があるにもかかわらず、水を飲めない、という苦渋を背負わされるべく、星座になったのだという。

北冠座。南冠座

 北冠座は、日本では、単に冠座とも呼ばれる、牛飼座のそばに見られる小さな星座。
この冠はクレタ島の王女アリアドネの冠とされていてそのためコロナ・アリアドナエ(アリアドネの冠)と呼ばれる場合もある。
 7個の星が半円を描くように並び、その中央のアルフェッカは、ニ等星で、特にひときわ明るく輝いている。
まるで宝石のついた冠をイメージさせるという。

 南冠座は、射手座の南に見える星座であり、形も大きさも冠座によく似ている。
これは位置的にシンプルに、射手座である賢者ケイローンの冠とされる。

ヘラクレス座。蛇座

 ヘラクレス座は、星図において、片手に棍棒。
もう片方の手に二匹の蛇か、リンゴの枝を持っているのだが、しばしば、他の星座との位置関係的に、上下逆さまに描かれる。
 ヘラクレスとは当然のごとく、ギリシア神話で最も有名とも言えよう、英雄ヘラクレスのことである。
ギリシア神話において、数々の武功を成した彼だから、死後に星座になるのも当然であろう。

 蛇座は、蛇遣座であるアスクレピオスが掴んでいるヘビ。
そういう訳で、星をいくつか蛇遣座と共有している。
この蛇は、医術のシンボルであり、英知、慎重さ、回復力など、医療に関係する様々な能力の象徴とされる。
また、アスクレピオスの使いであるという説もある。

琴座。鷲座

 琴座は、ギリシア最大の歌人とも言われるオルフェウスのハープとされる。
 ハープという楽器の形は、現在ではU字型が普通だが、古代エジプトにおいては、L字型が一般的だったとされている。
そのためか、この星座の形は。小さな逆L字型。
 日本では、七夕の織姫として有名なベガは、この星座に含まれている。

 また、七夕伝説の彦星であるアルタイルを中心に、 翼を広げ下降する鷲の姿として描かれるのが、鷲座。
猛禽類「猛禽類」最大の鳥たちの種類、生態、人間文化との関わり  この鷲は、ゼウスが美しい美少年ガニュメーデスをさらった時の、変身した姿だという。
そのため水瓶座であるガニュメーデスを、掴んだ姿で描かれることもある。

白鳥座。エリダヌス座

 ギリシアでは南に渡って飛ぶ白鳥であるこの星座は、 アラビア世界においては巨鳥ロックと考えられたようである。
サンダーバードロック鳥。ビッグバード。鳳凰「巨鳥。怪鳥の未確認動物」  形がちょうど十字なので、南十字星に対して、北十字星と呼ばれたり、キリストの十字架と関連付けて考えられることもある。
十字架「キリスト教」聖書に加えられた新たな福音、新たな約束  ギリシア神話においては、太陽神アポローンの息子パエトーンが、太陽をひく馬車から、エリダヌス川に落ちた時、その亡骸を探し続けた親友、あるいは兄弟のキュグナスが、白鳥に変化した姿とされている。

 エリダヌス座は、ギリシア神話の川の神。
星座の形はうねる川ともされる。
エリダヌスは、北イタリアのパドゥス川(ポー川)とされているが、エジプトではナイル川、バビロニアではユーフラテス川とされていたようだ。

海豚座。鯨座

 ギリシャは地中海に面していたためか、イルカに関する神話や伝説は多いという。
それに、かなり古くから、その賢さと愛らしさは人気だったようだ。
その形は、天の川で飛び跳ねるイルカの姿をしているという。
 このイルカは、歌人アリオンが、その素晴らしい歌でひきつけ、操ったというイルカ達が星座になったものともされる。

 鯨座は、クジラというか、鉤爪を備えたアザラシのような姿の海の怪物とされる。

ケンタウルス座。狼座

 右手に槍を構えた、ケンタウロスの姿で描かれることが普通。
その左手は、隣の狼を掴み、今にも槍で貫こうとしているとされる。
この狼は、かつてケンタウロスが神々に捧げる供物であるとされ、ケンタウロス座の一部と考えられていた。
 例えば賢者ケイローンのように、特定のケンタウロスではないともされる。

 ケンタウロスに襲われている狼である狼座。
オオカミの影「日本狼とオオカミ」犬に進化しなかった獣、あるいは神  これが狼であるということ自体は、古くから認識されていたようだが、ケンタウロス座の一部として見られることも多かった。
そのため、この星座は、かつてはホスティア(犠牲)などという名でも呼ばれていた。
 アルカディアの王リュカオーンとする説がある。

矢座。祭壇座

 矢座は、そのまま矢の姿をしてるとされる小さな星座。
古くから、多くの文明において知られていたようだが、そのどれにおいても、ほぼ確実に矢として捉えられている。
 矢という武器は、ギリシア神話においては、剣や槍よりも頻繁に登場する武器であり、これはおそらく戦いなど以外に、狩りなどにも使えるからである。
 一説によると、この矢はヘラクレスが放ったものだと

 祭壇座は、供物を燃やす祭壇として描かれる。
地味だが、ギリシアでは古くから知られていたようである。
この祭壇は、 ケンタウロスが、狼を生贄に捧げるための祭壇ともされるが、バベルの塔の頂上に立つ神殿の祭壇ともされる。

南魚座。ペルセウス座

 名前は、黄道十二星座の魚座に対して、南よりの空にあることから。
あまり大きな星座ではないが、中心の一等星フォーマルハウトが明るく、かつ星座周囲に明るい星があまりないことから、目立つとされている。
 魚座を変身したエロースとして、 こちらはアプロディーテとする説がある。

 ペルセウス座は、メデューサの首を掲げる剣を振り上げた姿で描かれる。
彼はまあ、ギリシア神話の有名な英雄の一人である。

ペガサス座。小馬座

 ペガサス座は、星座の一部を、隣のアンドロメダ座と共有している。
 ギリシア神話において、ペガサスは、妖怪メデューサの血から生まれた、翼を持つ天馬である。
あるいは、海神ポセイドンとメデューサが交わったことによって、生まれた生物ともされる。

 小馬座は、ペガサス座の頭部とイルカ座の間にある、かなり小さい星座。
普通、馬の頭部だけが描かれるが、胴体はペガサスの体で隠れていて、まるで向こう側にもう1頭の馬がいるように見えるという。
そこでこの馬は、ペガサスの弟であるケレリスとされる。

アンドロメダ座。カシオペア座。ケフェウス座

 ペガサス座と一部の星を共有するアンドロメダ座は、その中にアンドロメダ星雲(M31星雲)があることがよく知られている。
アンドロメダは、エチオピアの姫とされる。

 カシオペア座は、アンドロメダの母、カシオペア王妃とされることも多いが、実はカシオペアが座る椅子なのだという話もある。

 ケフェウス座は、アンドロメダの父、つまり王である。

三角座。馭者座。オリオン座。兎座

 三角座は、名前の通り、3つの三等星で作られた、二等辺三角形の形。
中世には、キリスト教に、三位一体のシンボルとして取り入れられたりしたという。

 馭者とは、馬を扱う人の事である。
馭者座の一等星カペラは、古代バビロニアではディルガン、あるいはイクと呼ばれ、最高神マルドゥークの星として崇拝されていたとされる。
 
 オリオン座は、ギリシア神話における優れた狩人オリオンであるが、この星座は、古くから様々な文明で、英雄や勇者と考えられてきたという。

 兎座は、オリオン座の足元に位置している。
ウサギはオリオンが最も好んだ動物なのだという。
ウサギ「ウサギ」生態系ピラミッドを狩られまくって支える、かわいい哺乳類

大犬座。小犬座

 大犬座は、太陽を除けば、最も明るいとされる、恒星シリウスを含むことで有名。
形はかなり犬とされる。
犬と犬小屋「犬」人間の友達(?)。もっとも我々と近しく、愛された動物  中国ではシリウスを、天狼星と呼び、オオカミの目を連想していたとされる。

 小犬座は、犬と呼ばれているが、構成する星が一等星プロキオンと三等星ゴメイサの二つしかないともされ、おそらく最も無理がある。

 プロキオンとシリウス、それにオリオン座の一等星ベテルギウスを結ぶと、有名な「冬の大三角」となる。

アルゴ号座。船尾座。竜骨座。帆座。羅針盤座

 アルゴ号座は、もともと巨大な一つの星座なのだが、18世紀に、フランスの天文学者ラカーィユが、船尾座、竜骨座、帆座、羅針盤座に分割したのだという。

 船尾は、船の後部。
 竜骨は、船の底の中心を、船首から船尾まで、通したもの。
 帆は、風を受けさせ、船の推進力とする為の布。
 羅針盤は、方角などを知るための装置。

 現在でも、四つの星座をまとめた名称として、アルゴ号座いう名も、使われもするが、八十八星座に数えられるのは、分割された四つの星座である。
 ただしプトレマイオスの四十八星座においては、この星座は、一つのアルゴ号座である。

 アルゴ号とは、ギリシア神話において、アルゴスという船大工が作ったという、優れた船。

バイアー星座。南半球の天空

ヨハン・バイヤー。ウラノメトリアの衝撃

 ドイツ、バイエルン生まれのヨハン・バイヤーは、プトレマイオス以降の時代において、新しい星座を正式に決めた、最初の天文学者とされる。
ドイツ「ドイツについて」グリム童話と魔女とベートーベンの国  彼の出版した「ウラノメトリア」という本には、南半球の空のものも含め、1709個の恒星が紹介されている。
そして、プトレマイオスの四十八星座に、オリジナルの星座12を加えた。
 バイヤー自身は、南半球に行ったことがなく、オランダ人の探検家ペトルス・テオドルスの報告を、そのまま星図として記述したのだとされている。

 ウラノメトリアは画期的な書物だったようである。
 まず、この本で描かれた星図は、かなりビジュアル的に優れたもので、天文学書は、無味乾燥な数字の羅列が基本であった当時、このような構成は、一般大衆の心を捉えたのだという。
 また、バイヤーは、恒星を光度等級ごとに、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)と、ギリシャ文字のアルファベットで分類した。
これは『バイヤー符号』と呼ばれ、現在でも使われている。

 バイヤーの十二の星座は、若干いくらかマイナーチェンジされてはいるが、全て八十八星座として採用されている。

カメレオン座。蝿座。水蛇座。鳳凰座

 カメレオン座は、細長いレモンのような形をしていて、カメレオンの体型に似ているとも言われる。
近くの蝿座を狙っているともされる。

 蝿座は、バイアーは最初、 ミツバチ座としていたようである。
それから、なぜだか、ミツバチかハエというふうに言われることが多くなり、18世紀に、フランスの天文学者ラカーィユが、正式に蝿座とした。

 水蛇座は、エリダヌス座の南にあるという。
海蛇座がはっきりと、ヒドラとされていることに対し、この水蛇という生き物が、何のことなのかは、わかっていない。
シーサーペントかもしれない。
海の怪物シーサーペントの目撃談。正体。クラーケンの能力『海の二大怪物』

 鳳凰座は、不死鳥の星座である。
鳳凰は、中国の伝説の鳥で、不死鳥というより、鳥族の王。
本来のニュアンス的には、灰から蘇るという、火の鳥フェニックスのことと思われる。
 

風鳥座。孔雀座。鶴座。巨嘴鳥座

 風鳥座は、ニューギニアなどに生息する、鮮やかな色彩の羽を持つ鳥とされる。
ヨーロッパへの輸出用に、原住民に乱獲されたのだが、なぜか輸出される際に、足を切られていたようで、ヨーロッパ人はこの鳥に関して、止まることなくいつも飛んでる鳥、と勘違いしていたという。

 孔雀座は、やはり、風鳥と同じく、鮮やかな色彩の羽からヨーロッパで重宝された孔雀。

 鶴座は、翼を広げた鶴として描かれるのが普通。
しかし、15世紀のスペイン人探検家達は、この星座をフラミンゴとしていたようである。

 巨嘴鳥座は、巨大な嘴を持つ鳥の星座で、中南米のジャングルに生息する、キツツキ目の鳥と考えられている。

南三角座。インディアン座。鳳凰座。飛魚座

 南三角座は、やはり、三つの星が小さな二等辺三角形を描く。

 インディアン座は、矢を持ったネイティブアメリカン。
誤訳、と言うべきかちょっと微妙だが、かつてはインド人座と訳されることもあったという。

 飛魚座は、アルゴ号座近くで飛び跳ねるトビウオである。

 旗魚座は、これまたアルゴ号近くのカジキ。
ただし、英語圏、ドイツ、イタリア、中国などでは、普通、この星座は、金魚とされているのだという。
風鈴の金魚「金魚の文化」夏の風物詩の生態

ヘヴェリウス星座

ヨハネス・ヘヴェリウス。天文学の先駆者

 17世紀に活躍したとされる天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスは、 ドイツとポーランドが交代で領有していたという都市、グダニスクの生まれとされている。

 彼は1687年に1564個の恒星含む星のカタログ「ステラルム・フィクサルム」を発表し、ヒッパルコス、プトレマイオスの星々との違いに関しても言及しているという。

 ヘヴェリウスの死後に、「プロドロムス・アストロノミー(天文学の先駆者)」と「フィルマメンツム・ソビエシアニウム(ソビエスキーの天空)」が出版された。
この2冊には10個の新星座が紹介され、その内7つの星座が、八十八星座として採用されている。

山猫座。蜥蜴座。小獅子座。小狐座

 かなり目立たない星座とされ、この星座を設定したヘヴェリウス自身が、「この星座を見るには、山猫のように鋭い目がいるだろう」 と述べている。
ヘヴェリウスは、虎のような、ネコ科の大型動物を想定していたようである。

 蜥蜴座は、トカゲの星座だが、ヘヴェリウスは、他の爬虫類にしようかどうかも検討したとされている。
砂漠のトカゲ「爬虫類」両生類からの進化、鳥類への進化。真ん中の大生物

 小獅子座は、あまり獅子という形ではないのだが、古くは、現在のものにいくつかの星を加え、それっぽい形になっていたようである。

 小狐座は、四等星以下の暗い星ばかりで構成される、かなり暗い星座。

六分儀座。盾座。猟犬座

 六分儀座は、ギリシア神話に登場する、詩神ムーサイの一柱、ウラニアの六分儀とされる。
六分儀とは、6等分した円状の、天体観測や測量に使う道具。

 盾座は、ヘヴェリウスの庇護者であったポーランドの将軍(後、国王)、ソビエスキーへの敬意を込めて、かつては「ソビエスキーの盾座」と呼ばれていた。
このような天文学者を支援した貴族の名を冠した星座は、以前はかなりあったようだが、国際天文学連盟が88の星座を決める時に、この人名がとられた盾座を除き、それらは全て廃止されたのだという。

 猟犬座は、牛飼座が引き連れた猟犬だとされている。

その他の星座

麒麟座。一角獣座。髪毛座。鳩座。南十字座

 麒麟座は、小熊座と馭者座の間に見られる星座。
中国の伝説上の麒麟のことではなく、普通に動物のキリンのことらしい。

 一角獣座は、イッカクとかではなく、普通にユニコーンのようである。
「ユニコーン」伝説の生物である一角獣。実在するイッカク

 髪毛座は、 エジプト、マケドニア王朝の王妃であった、ベレニケー二世が女神アプロディーテに捧げた、美しい髪の毛とされる。

 鳩座は、珍しく、旧約聖書由来の星座。
ノアの洪水が起きた時、もう陸地が存在しているのかどうかを確かめるために、ノアが放ったハトとされる。
ユダヤの寺院「ユダヤ教」旧約聖書とは何か?神とは何か?

 キリスト教徒にとってシンボルにもなる、十字架の星座。

ポンプ座。望遠鏡座。顕微鏡座。レチクル座

 ポンプ座の、ポンプとは、17世紀くらいに、オットー・フォン・ゲーリケが考案したそれのような、真空を作り出すための実験装置の事。
実験室「原子の発見の歴史」見えないものを研究した人達

 望遠鏡座は、ポンプ座に並んで、まさに新時代の星座だと言えるものであろう。
特に望遠鏡は。天文学の進歩に大きな影響を及ぼした、立役者ともいえる道具である。

 顕微鏡座は、小さいものを見るための道具だが。現在のものとは、随分形が異なっているという。
微生物学などの進歩は、ある意味で、我々の宇宙観を広くしたので、天文学の発展に大きく貢献している道具と、言えなくもないか。
理科室「微生物の発見の歴史」顕微鏡で初めて見えた生態系

 レチクル座の、レチクルとは、光学望遠鏡の接眼レンズ に見られる、十字に交差する線のこと。
言ってしまえば、照準のことである。

コンパス座。定規座。彫刻室座。彫刻具座。画架座

 コンパス座は、方位磁石のコンパスではなく、筆記用具のコンパスである。

 定規座は、 「水準器と定規」とする場合がある。
コンパス座と隣同士。

 彫刻室座は、 彫刻室というより、「彫刻台とそれを使う男」というようなイメージのようである。

 彫刻具座は、 二つのノミとされる。

 画架座は、 絵のキャンバスと、それを乗せるためのイーゼルとされる。

時計座。八分儀座。炉座。テーブル山座

 時計座は、振り子時計の星座であり、元々のラテン語名は、普通に「horologium Oscilatorium(振り子時計)」と言うようである。

 八分儀座は、六分儀同様に、 天体観測や測量に使われる道具。

 炉座は、生活に使われる暖炉のことではなく、熱の実験などで使用された装置のことらしい。

 テーブル山座は、アフリカの町ケープタウンの南側にそびえる山の事。
実在の地名の名前という、他に類を見ない、珍しい星座。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA