二足歩行と四足歩行。家畜を襲う謎の吸血生物
チュパカブラ(Chupacabra)。
この奇妙な生物は、1995年の3月くらいに、カリブ海は大アンティル諸島のプエルトリコで、最初に目撃されたとされている。
以降は、メキシコやチリ、アメリカ合衆国など、 アメリカ大陸のあちこちで出没している。
「メキシコ」文化、明るい音楽と舞踊、要塞化した教会
この生物の正体が何かはともかくとして、 それが1種類だけの生物でないのはほぼ確実と思われる。
チュパカブラを目撃したという話はいくつもあるが、同じ生物とは思えない目撃証言がかなり多いから。
とりあえずチュパカブラと呼ばれている生物には、二足歩行のやつと四足歩行のやつがいるらしい。
以下に、両者の特徴をいくつか書くが、資料によってはこれらの情報が入り乱れていて、はっきりどちらの特徴と区別しにくい面もある。
二足歩行チュパカブラは一般的に、1メートル前後くらいの爬虫類のような生物と説明される。
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緑がかった灰色のうろこ状皮膚(ただし毛があるらしいから哺乳類?)。
「哺乳類」分類や定義、それに簡単な考察の為の基礎知識
背中に並ぶ、鋭い棘か、羽みたいな突起。
結構なジャンプ力を有するようだが、その飛び跳ねる様はまるでカンガルーのようだという(最高5メートルくらい跳べるとも)。
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四足歩行チュパカブラは、むしろ普通に、奇妙な変異を果たしたイヌと説明される場合もあるほど、イヌに似ているようである。
「犬」人間の友達(?)。もっとも我々と近しく、愛された動物
無毛か、毛がかなり薄く、脊髄(背骨)が盛り上がってるような感じ。
目が大きく、わりと鋭い牙と爪を持つ。
二足歩行と四足歩行、どちらのタイプにも共通している特徴とされるのは、何よりまず家畜を襲うということ。
チュパカブラはまた、襲った動物の血を吸うとされる。
そして、後に残される被害動物の遺体には、2つか3つくらい針で刺したような、いわゆる穿刺痕だけが傷痕として残り、血液は全てなくなっているというのが典型的。
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鋭い針のような舌を持っていて、それで獲物の首などに穴を開け、そこから血を吸うという説がある。
また吸血時に、臓器が排出されるとかいう話もある。
1995年に目撃され始めたのは二足歩行の方である
しかし2000年前後ぐらいに、四足歩行タイプの目撃証言が増え始め、逆に二足歩行タイプの目撃談はめっきり減ったという。
ヤギの血を吸うもの
チュパカブラという名前はスペイン語のchupar(吸う)とcabra(ヤギ)を合わせたもので、一般的には「ヤギの血を吸うもの」と訳されたりする。
英語での名前はGoatsuckerだが、これは直訳で、基本的に同じニュアンスである。
このチュパカブラという名前は、もともとアメリカ大陸(というかスペイン語園?)の広い範囲に語り継がれていた都市伝説的な夜行性吸血動物(あるいは家畜を補食する生物)の呼び名らしい。
現在、チュパカブラと呼ばれている何者かに、その名を適用させた最初の人物は、音楽家でコメディアンのシルベリオ・ペレス(Silverio Pérez)とされている。
どうも彼は、ラジオ番組で、家畜を襲う謎の吸血動物の話題になった際に、便宜的にチュパカブラという名前を与えたそうだ(言うまでもないだろうが、これは1995年の話である)。
アカゲザルとコヨーテ
二足歩行のはアカゲザル(Macaca mulatta)。
四足歩行のはコヨーテ(Canis latrans)ではないかと、よく言われる。
アカゲザルはニホンザルに似ているサルで、実験動物として利用されることもある。
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そこで初期の目撃談に関しては、実験施設から逃げ出したサルなのではないかという説は古くからある。
コヨーテは、小型のオオカミというような感じの野生イヌである。
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特に皮膚の病気を患った個体が、チュパカブラの正体ではないかという説はよく知られる。
特に、雑食性だが基本的には果実などを主食としているアカゲザルに比べて、コヨーテは、病気で弱っているなら、狙いやすい家畜を狙うというのは、わりと納得しやすい。
また、四足歩行チュパカブラは、それの死体とされるものが何度も報告されているが、しっかり遺伝学的に調査されたものに関しては、病気で気を失ったコヨーテやアライグマだと判明している。
とりあえずサルにせよイヌにせよアライグマにせよ、既存動物説においては、吸血は誇張された話だと考えられるのが普通。
言わばヒステリー(精神的に混乱して、物事を大げさに解釈してしまったりすること)である。
ヒゼンダニが引き起こす疥癬
「疥癬(Scabies)」という皮膚病がある。
これは、ヒゼンダニ(疥癬虫。Sarcoptes scabiei)とかいうダニが、皮膚に寄生することで起こる。
ヒゼンダニは、目に見えないくらいの小ささだが、雌雄があり、卵を産んだりもする、節足動物である(つまり昆虫とかクモの仲間)。
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このダニは世界のいたるところで見られ、様々な生物に寄生し、その皮膚に穴を掘って、卵を植え付けていったりする。
特に、調節された温度が心地よいのか、哺乳類につきやすく、ターゲットにはイヌやサルも含まれるわけである。
哺乳類の分類だいたい一覧リスト
コヨーテのような食肉目(イヌ、ネコ)の疥癬は「マンジ(mange)」とも呼ばれる。
マンジに感染した犬は、皮膚のかゆみに苦しむ。
さらに、多くの体毛が失われ、最終的には、皮膚が厚く。
そうして、典型的な四足歩行チュパカブラみたいな姿となる。
ダニはおそらく人間との付き合いがかなり長く、イヌやネコへは、比較的後に寄生するように適応したと考えられている。
そういうわけだから、人間に比べて被害が深刻になりやすいのだという。
「ダーウィン進化論」自然淘汰と生物多様性の謎。創造論との矛盾はあるか
傷跡は本当に、既知の生物で説明できないか
襲われ、ごっそりと血を抜かれた家畜に関してはどうだろうか。
なるほど、 皮膚病で怪物的な外見になったコヨーテとかが家畜を襲う事とかはあるかもしれないが、吸血鬼のように血を吸うだけ吸って、あとはどこかへ行くようなことあるだろうか。
とりあえず野生のイヌが、動物の首などを噛み、それ以上は攻撃しないで、去っていくのは、それほど珍しいことではないという指摘がある。
噛まれた動物は内部出血により死ぬこともあるが、その場合は、噛まれた痕以外の傷はないはず。
その傷痕が吸血痕のように勘違いされてるだけという可能性もなくはない。
ドラキュラなど、吸血鬼物フィクションの影響で、首の傷が吸血に関連付けられる傾向は強いともされる。
ただ、 チュパカブラに襲われたと思われる動物の遺体をいくつか調べたカルロス・ソト(Carlos Soto)とかいう獣医は、「傷痕からして、既知の肉食獣の仕業とは考えにくい」と述べたそうである。
血液が自然に失われることはあるか
血液の消失に関しては、「キャトルミューティレーション(Cattle mutilation。ウシの切除)」現象に関する米国の公式調査の報告が参考になるかもしれない。
キャトルミューティレーションとは、謎の家畜死事件の内、特に 被害動物の内臓や血液が消えてしまっているケース(事例)を総称するもの
「実用例で学ぶカタカナ語」57語の一覧表とかっこいい(?)使い方
1960年代の後半くらいから話題になりだし、UFO現象やチュパカブラと関連付けられることも多い。
例えばUFOにアブダクション(誘拐)された動物の末路というような説がある。
とにかく、原因は何であれ、死んだ動物から血が消え去ることが自然にあるかどうかに関しては、FBIのケネス・ロンメル(Kenneth Rommel)という人がしっかり調査している。
結果、動物が死後に放置された場合、血液は体内の低くなっている場所に溜まり、そこで通常の血液成分(ようするに赤色の原因成分)は分解されたり、あるいは地面に染み込んでいったりして、見事に消えてしまう感じになることが判明している。
混乱する怪物のイメージ
チュパカブラが人を襲う例はすくないが、ないわけではない。
例えば2004年7月。
チリのマウレ州のパラルという街の外れで、ホアン・アキュナという人が、2体の、イヌに似ている感じの、しかしイヌではない謎の生物に襲われたらしい。
2体の生物は宙に浮いていて、翼があったようにも見えたという。
アキュナは格闘しながらも逃げて、 そのうちに近くを流れる水路の中に転がり込むと、襲撃者たちは水が苦手だったのか、どこかへと去っていったそうだ。
その後。
体中に怪我を負った彼は、病院で手当てを受けたが、医者からは、野犬に襲われた怪我だと思われたとのこと。
この事件は2004年に起きたものとされているが、登場する謎の生物は翼を持っていて、イヌっぽくて、チュパカブラらしいと、様々な情報が入り乱れているようにも思われる。
これも、単に野犬とかに襲われただけなのを大袈裟に解釈してしまった、一種のヒステリーなのだとすると、怪物の造形イメージがなかなか混乱していることがわかる。
円盤型というイメージが広まってから、円盤型ばかりが目撃されるようになったUFOや、同じようにクビナガリュウ型ばかり目撃されるネッシーなどと対照的である。
「ケネス・アーノルド事件」空飛ぶ円盤、UFO神話の始まりとされる目撃譚 「ネス湖のネッシー」愛されしスコットランドの怪物の正体
エイリアンのような。最初の事件?
チュパカブラに関する最初の事例は、1995年3月のプエルトリコで、8頭のヒツジが死亡しているのが見つかった事件とされている。
ヒツジの胸部には3本ずつ刺し傷があり、血液が完全になくなっていた。
そして、似たような事件がすぐに、ドミニカ共和国、アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、パナマ、ペルー、ブラジルなど、中南米のあちこちで発生。
生物自体の最初の目撃は、おそらく1995年の8月。
そしてその時までには、似たような原因で死んだ(殺された?)と思われる農場の家畜は、150以上にもなっていたらしい。
その最初の目撃者となった、マデリーン・トレンティーノ(Madelyne Tolentino)という人が、謎の生物を目撃したのは、カノヴァナス(Canóvanas)という地域。
彼女はどうも、家の窓から、まるで映画に登場するエイリアン(宇宙人)のような生物を目撃したらしい。
噂の急速な拡大
マデリーンが目撃した生物は、SF映画の宇宙人に影響を受けたような造形と指摘されることがある。
また、プエルトリコ以外の地域の目撃報告は、マデリーンの話以降に急速に増えた節があるらしい。
そもそもこの謎の生物を、同時期に起きていた家畜の死亡事件と関連付ける根拠などはなかったともされる。
マデリーンの報告以前は、最初のヒツジの事件は、悪魔崇拝のカルト教団の仕業ではないか、という説が主流だったという話もある。
「悪魔学」邪悪な霊の考察と一覧。サタン、使い魔、ゲニウス 「黒魔術と魔女」悪魔と交わる人達の魔法。なぜほうきで空を飛べるのか
さらにその謎の生物の噂がインターネットを通して広がってからは、 この生物を、アメリカ政府の非合法の実験や、UFO関連の陰謀説と結びつける向きも多くでてきた。
「ネットワークの仕組みの基礎知識」OSI参照モデル、IPアドレスとは何か 「闇の権力者集団の都市伝説」我々に対して何が隠されているのか?
懐疑論者によるチュパカブラの追跡
最近のチュパカブラに関する懐疑的な説明は、ベンジャミン・ラッドフォード(Benjamin Radford)という、著名な懐疑論者の影響も強い。
彼のチュパカブラに関する5年もの調査記録の集大成ともいえる本、「Tracking the Chupacabra: The Vampire Beast in Fact, Fiction and Folklore(チュパカブラの追跡。真実、創作、民間伝承の中の吸血動物)」は、未確認動物の専門家からの評価も高いという。
マデリーンが目撃した生物が、それの少し前に彼女が見たらしい映画(スピーシーズ 種の起源)のエイリアンの造形にかなり似ているという指摘も、この本によるそうである。
最初のインターネットモンスター
ところでラッドフォードは、チュパカブラはおそらく最初のインターネットモンスター(怪物のネット都市伝説)としているようだが、これはなかなか面白い考え方かもしれない。
彼曰くこのモンスターの最初の目撃がもしも1985年だったのなら、おそらくここまで世界中で有名になることはなかったであろうということだ(注釈)
また、たいていの懐疑論者は、おそらくは最初の事例と思われるマデリーンの件が、映画にインスピレーションを得た妄想っぽいので、その時点で、後のほとんど全ての話も怪しくなると考えているようである。
まあ、妥当といえば妥当であるか。
(注釈)ネットで広がる集団ヒステリーの恐ろしさ
もしもこの怪物が集団ヒステリー的なものだったのなら、それはネットを介して全世界に広がったことになる。
そしてこれは、たかが怪物の噂にすぎない。
また、まだインターネットの普及率が今に比べると低かった時代の話でもある。
ネット社会の恐ろしい側面であろうか。
ヒツジを吸うものの歴史的変遷
前述したように、チュパカブラ(goatsucker)と呼ばれた生物は、1995年のものが最初ではない。
ヨタカという鳥。アリストテレスの妄想
最初のチュパカブラは吸血生物ではなかったようである。
その名前はもともと、血を吸うでなく、文字通りにsucker(吸うもの)だから付けられたようだ。
ようするにそれは、ヤギの乳からミルクを吸いとる性質を持つ鳥みたいな生物と考えられていたらしい。
「鳥類」絶滅しなかった恐竜の進化、大空への適応
カッコウ(Cuculus canorus)よりは小さいくらいらしい。
この鳥チュパカブラは夜行性で、乳を吸われたヒツジは、以降それに関して機能不全となり、さらには盲目になってしまうという説もあった。
この鳥に関する最古の記録は、おそらく紀元前4世紀くらいの、有名なギリシャの哲学者アリストテレス(Aristotelēs)によるものだという。
この鳥は、夜行性で昆虫食のヨタカ科(Caprimulgidae)でないかと考えられているようだが、なぜヒツジ関連の伝説などが生まれたのかは、まったくの謎である。
ただ原因が何かはともかく、家畜の病気とかと、夜間の牧草地を飛ぶこの鳥が結びつけられたのかもしれない。
そもそもこのヨタカという鳥の学名(Caprimulgidae)の意味はgoatsuckerらしい。
迷信と悪魔。現実の吸血コウモリ
チュパカブラの吸血という特徴が、いつ頃から認識され始めたのかについてはよくわかっていない。
ただ、アメリカオオコノハズク(Screech owl)という鳥に関する迷信に関係しているのでないかという話がある。
どうもこの鳥は、幼い子供を襲って、その血を吸うと、広く信じられていたらしい。
他には、そういうわけのわからない迷信を付属された鳥の多くは、中世の時代において、恐ろしい悪魔たちと関連付けられるようになった。
それでますます、チュパカブラという名前に危険な響きのイメージがついたらしい。
さらにもっと近代になって、実際の吸血コウモリが知られ、元は鳥とは関係ない吸血鬼神話も広がると、いよいよ現代的な、チュパカブラのイメージが形成されていくわけである。
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アメリカ大陸にもたらされた名前
ヨタカは現在は、「nightjar」かあるいは、それを訳したような名前で知られる。
訳した名前はだいたい「夜~」
jarは鳴き声の響きらしい。
しかし、このnightjarという名前は、17世紀くらいから使われだしたようで、それまでのこの鳥の名称は、一般的にgoatsucker(チュパカブラ)だったらしい。
つまり、アメリカ大陸に多くのヨーロッパ人たちがやってきた時、この鳥はまだチュパカブラであったわけである。
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つまりそうして、この広大な大陸に謎の吸血生物伝説が持ち込まれ、定着したのかもしれない。
ただし、特に南米の方では、ヨーロッパ人たちが来る以前から、先住民たちの間で、ヨタカは不吉な鳥と認識されていたとする神話研究者の指摘もある。
モカの吸血鬼はチュパカブラだったのか
チュパカブラ以前のチュパカブラ事件?
チュパカブラ以前のチュパカブラ事件でないかと、よく言われているのが、1975年に、やはりプエルトリコのモカ市で起きた事件。
基本的には動物が連続で怪死した事件で、当時マスコミは、「モカの吸血鬼(The Moca Vampire)」と報じたという。
とりあえず15頭のウシ、3頭のヤギ、2頭のガチョウ、1頭のブタが、奇妙な穴を開けられ死んでいるのが発見されたらしい。
そして例によって被害動物からは、血液が失われていた。
その後も、特にウシの、頭に何かが深く刺されたような傷を受けた死体の発見が続き、全て同じ犯人ではないかと噂された。
やはり最初は、悪魔崇拝のカルト集団が疑われていたようである。
明らかに違う生物
興味深いことは、同じ生物にしろそうでないにせよ、このモカヴァンパイアとチュパカブラのどちらも、謎の生物が目撃されてから、それがすぐ、動物の死体の事件と関連付けられた流れがちょっと似ている。
マリア・アセベドという人が、真夜中に、家の屋根に止まった、 奇妙な鳥みたいな生物を報告したが、これがすぐにモカヴァンパイアでないかということになったらしい。
それは、「羽で覆われた恐ろしい獣」とか「巨大な翼のある怪物」とか表現されていた。
また、アセベドによると、鳥は再び飛び立つ前に、世にも恐ろしい叫びを響かせたという。
謎の鳥以外には、宇宙人説や、突然変異の巨大吸血コウモリ説などもわりと人気だったとされる。
で、結局モカヴァンパイアはチュパカブラだったのだろうか?
これもまた集団ヒステリーにせよ、全く未知の生物による事件にせよ、目撃された生物の特徴からかなりはっきり言えることがある。
それはまず、間違いなくこの事件で登場した怪物は、1995年に現れたチュパカブラとは関係がないということ。
普通に外見が違いすぎる。
陰謀論において。アメリカ政府との関わり
最初(1995年)のチュパカブラが典型的なグレイ系宇宙人に似ている感じだからか、この生物とアメリカ政府が何らかの関係で関わってるというような噂は多い。
カノヴァナスのUFO墜落事件
スコット・コラレス(Scott Corrales)というオカルトジャーナリストは、チュパカブラがまだまだブームだった頃に、それがよく目撃されるというプエルトリコのカノヴァナスを訪れた。
彼はチュパカブラにも関心があったが、それとは別に、1984年に、その地の郊外のエル・ユンケ山でUFOが墜落したという噂も調査しようと決めていた。
結果、彼は、1984年2月19日に、エル・ユンケ山の熱帯雨林に、確かにUFOが墜落したらしいことを確信。
その事件が世間にあまり知られていないのは、どうもいきなりやってきたアメリカ軍が、その辺り一体を封鎖して、それに関する全ての情報を機密扱いにしたかららしい。
そして、この頃から、正体不明の謎の生物が山の周辺でよく目撃されるようにもなったのだという。
彼にこの話が本当だとするなら、チュパカブラはどうも宇宙生物か、少なくともUFOに関連している生物なのだと思われる。
「ロズウェル事件」経緯と真相。真実と嘘。証言記録。本当にUFOだったのか
メン・イン・ブラックの登場
チリのカマラは、UFOの多発地帯としても知られているらしい,
そのカマラのヴィラ・サン・ラファエル村で、2001年の5月に、フリオ・マルティンとかいう人が、チュパカブラと遭遇した。
彼は2匹の犬を飼っていたようだが、やたらと吠えまくっていることから、いったい何事かと、台所を覗いてみた。
するとそこには50センチくらいの大きさの、細長い指にかなり尖った爪を持った怪物がいたそうである。
そいつは犬を怖がっていたようであり、助けを求めるような情けない鳴き声をあげたそうだが、そうして開かれた口の中から見える舌は、ヘビのように細く、先っぽが二股に分かれていたという。
「ヘビ」大嫌いとされる哀れな爬虫類の進化と生態
そして、犬の1匹が隙を突いてそいつに噛み付いたとたん、そいつはやたらと跳ね回り、開いていたドアから逃げていった。
またこの出来事の二日前くらいに、マルティンの母も、似たような奇妙な生物が、家の屋根の上を跳ねていたりするのを目撃していたそうである。
ここまでの話だけなら、よくある目撃談であるが、 重要なのはその後の展開。
マルティンから連絡を受けたハイメ・フェレイラとかいうUFO研究家が、マルティン宅の近くで、2人の黒ずくめの男が謎の生物を、無理やり車に乗せ、急発進するところを目撃したのである。
「MIB(メン・イン・ブラック)の都市伝説」UFO隠蔽組織か、宇宙人か
そこでこの生物は、政府機関から逃げ出した、チュパカブラの子供だったのでないかという説がある。